テイカカズラ
   

けさ、下記の目次で発行しました。よろしくお願い申し上げます。

 

22世紀最初に姿消す国

経済不振で出生率低下に

公務員家庭2倍の新生児

少子化対策は開店休業へ

 

韓国では、合計特殊出生率(生涯に一人の女性が生む子どもの数)の急低下が止まらない深刻な事態だ。文政権が登場して以来、加速的な低下が続いている。出生率の急低下は、決して他人事ではない。現役世代にとって、将来の年金を払ってくれる人たちの減少を意味するからだ。自らの「年金危機」を確実にする恐ろしい現象と認識すべきであろう。こういう説明をすれば、誰でも出生率の急低下が「自分の問題」になるはずだ。

 

22世紀に最初に姿消す国

韓国内外の研究機関が、これまで「22世紀に地球上から真っ先に消える国は韓国」と指摘してきた。例えば、次のような機関が警鐘を鳴らしてきた。2006年、英オックスフォード人口問題研究所が、初めて「人口減少により消滅する最初の国は韓国」と発表した。それ以降、国連未来フォーラム(2009年)、サムスン経済研究所(2010年)、韓国国会立法調査処(2014年)も同様の分析結果を発表している。以上は、韓国メディア『ヘラルド経済』から引用した。

 

韓国内外の研究機関が揃って、「韓国滅亡説」を打ち出しているのは、不気味である。当の韓国は、他人事のように見ている。文政権は、「反日」に全力を傾けており、これを引き金に国内保守派を「積弊一掃」として扱い、出生率急低下に考えが及ばないという政権である。この虚を突くように、現実に出生率は急激な「右肩下がり」状況に落込んでいる。

 

韓国の合計特殊出生率が7~9月期に入って、これまで以上に急激な減少を見せている。ソウルでは、なんと0.69である。人類が経験したことのない「絶滅的」な低水準記録である。理由は何か。若者の生活苦である。高い失業率で5人に1人は失業である。就職も出来ない人間が、結婚や出産など考えるゆとりはない。その日その日をどうやって生きて行くか。それで精一杯である。住宅も高騰している。結婚して新居も構えられないのだ。

 

全国の合計特殊出生率は、7~9月期に0.88で過去最低を記録した。10~12月期は、季節的に出生数が減少傾向にある。2019年の合計特殊出生率は、前記の0.88をさらに下回るのは確実視されている。昨年が0.98であった。今年、仮に「0.86」に低下すれば、韓国「亡国論」が世界的な話題になって、韓国の綜合評価を下げるであろう。

 

人口は、一国経済の成長にとって重要な要素である。とりわけ、生産年齢人口(15~64歳)の動向がカギを握る。最近の合計特殊出生率の急低下は、韓国経済に15年後から潜在成長率を大きく下押す要因に働く。「時限爆弾」を抱える経済に落込むのだ。

 

経済不振で出生率低下に

すでに、韓国経済はふらついている。今年の成長率は、2%割れが濃厚だ。昨年が2.7%成長であるから、その落差は大きくなる。これが、韓国企業の先行き不安を高める。設備投資を控えるので、GDPはさらに落込むという悪循環にはまり込むだろう。

 

韓国が、日本の半導体3素材の輸出手続き規制撤廃を求めて必死である。12月末に予定されている日韓首脳会談で、日本から前向きの「回答」を引き出すべく、徴用工賠償金問題で新たな法案を準備中である。これは、韓国の文国会議長提案による「基金案」である。日韓の企業・個人による寄付金で賠償を払うという「代位弁済」方式(第三者が代わって弁済)が有力になっている。文議長は、12月中旬までに成案を得たいとしており、与野党が協力する姿勢を見せている。 

 

文議長が、この「基金構想」を発表したのは、11月5日の早稲田大学講演会の席だ。あれから1ヶ月余で成案にまとめようというのは、韓国経済の深刻さを物語っている。韓国経済を覆う不透明感を一掃しようという狙いであるからだ。

 

韓国経済の不透明感が、少しでも薄らいでくれば、企業は設備投資を行なう気運になろう。それは、雇用増加に結びつき失業率を低下させる。こういう好循環を描ければ、出生率回復期待がかかるかも知れない。だが、そう言い切れないところに韓国の抱える悩みの深さがある。(つづく)