あじさいのたまご
   


韓国社会は、病んでいる。反日不買運動が、従来になく盛り上がっている背景には、社会の閉塞感が充満がある。今年、病院の精神科でうつ病の治療を受けた20代の患者が12万人を超えると報じられている。専門家らは、深刻な青年失業や異性問題での悩み、家族との確執で心の病気になる若者が急増していると分析しているという。1年間で30%近い急増で、5年前の2.5倍だ。『朝鮮日報』(11月30日付)が報じた。

 

 

こういうやり場のない空気の中で、政府が音頭を取る「NO JAPAN」は格好の鬱憤晴らしであろう。病める人たちを煽動する反日運動は、決して清涼剤になるまい。経済的な不安を煽っており、韓国政府は計算違いをしている。日本との対立は、韓国経済を追い詰めるのだ。

 

『レコードチャイナ』(12月1日付)は、「韓国で『努力すれば向上できると考える人』の割合が激減韓国メディア」と題する記事を掲載した。

 

中央日報』(11月26日付)は、「努力すれば個人の経済・社会的地位を高めることができる」という考えに賛同する韓国人の割合がこの10年間で大幅に減少していると報じた。中国メディア『観察者網』が伝えた。

(1)「韓国統計庁が11月25日発表した「2019年社会調査」の中で、「努力によって個人の経済・社会的地位を向上できる可能性」が「高い」と答えた人の割合は全体の227%で、10年前の376%から約15ポイント減少した。また、「子ども世代が努力によって社会・経済的地位を向上できる可能性」について、「高い」と回答した人の割合も289%と低く、10年前の483%から大きく下降した。記事はこれについて、「両親の資産が子どもの経済・社会的地位を決めるという傾向が強くなっていることによるという見方もある」と説明した」

 

経済成長率の低下が、階層を固定化する。言葉を換えれば、社会の不平等をもたらすという認識は確かに存在する。だが、社会を流動化させること。規制を緩和して自由な発想でビジネスができる環境を整えれば、努力しても報われる比率を下げることにならないはずだ。韓国の場合、規制社会である。官僚がすべて支配する上に、労組と市民団体が特権を求めて流動化を阻止する。こういう二重の社会格差構造では、絶望だけが募る社会になって当然である。

 

努力が報われるとする見方が、10年前は37.6%もあった。それが現在、22.7%まで減っている。自営業が相次いで倒産の憂き目を見るのは、身近な例として「努力しても無駄」という諦めを生んでいるだろう。この背後には、政府の大幅な最低賃金の引上げという不可抗力が壁になっている。閉塞の原因が、文政権であるという予想外の結論にいたるのだ。

 

(2)「階層別に見ると、社会的に高水準に属する回答者は、自身や子ども世代について「努力によって個人の社会・経済的地位を向上できる可能性」が、「高い」と答える割合が比較的多かったのに対し、低水準に属する回答者では相対的に少なくなったという。この状況について、漢城(ハンソン)大学経済学部の朴英凡(パク・ヨンボム)教授は、「経済が急成長していた以前とは異なり、現在の韓国経済はすでに成熟していて、何もない状態から事業を起こして一代で成功できるようなチャンスは激減した。加えてここ数年で家賃が絶えず高騰していることも階層間の移動を難しくしており、親の階層が子ども世代にそのまま影響するという傾向が強まっている」と分析したという」

 

階層固定化は、社会の不満を高める。努力した人には、その成果が得られる社会でなければならない。皮肉なことを言えば、労組と市民団体がもっとも恵まれている立場だ。文政権を利用して、既得権益を確保しているからだ。このとばっちりを受けているのが、一般国民であろう。世にも不思議な政権が登場したもの。朴槿惠政権の弾劾がもたらした歪みと言える。

 

(3)「記事はまた、「必死で仕事に打ち込む仕事人間をめぐる状況にも変化が生じている」とも指摘。今年5月に韓国で13歳以上の37000人を対象に行われた調査結果を基に、「仕事を優先順位の最上位に置く若者の割合は421%となり、2011年から124ポイント減少した。一方、仕事を家庭と同程度に重要だとみなす人の割合は102ポイント増え、全体の442%となった」と紹介した。調査で「仕事が家庭と同程度に重要」と答える人の割合が「仕事が最優先」と答えた割合を上回ったのは初めてのことだという」

 

いわゆる「仕事人間」が減って、「ワーク・ライフ・バランス」が増えたのは時代の趨勢である。良い現象である。これを広く普及させるには、労働市場の流動化が必要である。労組はこれに反対している。こういう物わかりの悪い労組を、どうやれば柔軟にさせられるかだ。

それは、文政権がご機嫌伺いを止めて、毅然と対応すしかない。現政権は、来春の総選挙が怖くて、労組にものを言えなくなっている。