112
   

韓国主要メディアが、公然と文大統領を酷評している。これまでの任期2年半の間に、一つも成果が上がっていない。このままであれば、歴史に残る「無能大統領」となろうというのだ。「文大統領は無能である」とは、本欄の一貫した見方である。自国のメディアが、文大統領に対してここまで低い評価が出てきて、「やっぱり」と同感せざるを得ない。

 

日本の国会やメディでは、首相の「花見の会」問題で口角泡を飛ばしている。決して褒められる話でないが、韓国の文大統領に比べたら、天地の差であろう。文大統領の言動や実績を見れば、日本の国会は、他のテーマで議論を深めて貰いたいと思う。

 

『中央日報』(12月2日付)は、「『在寅兄さん』『ホチョル兄さん』では失敗の政権になる」と題するコラムを掲載した。筆者は、同紙の李夏慶(イ・ハギョン)主筆 である。

 

文在寅(ムン・ジェイン)大統領に向けられる米国の視線が尋常でない。先日、ホワイトハウスの参謀が記者らを呼んで「韓国で大統領弾劾を要求するデモがあったが知っているか」と尋ねた。ハリス駐韓米国大使は「文大統領が従北左派に囲まれているというが」と発言した。8月22日、韓国政府が韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を延長しないと決定した後に生じたことだ。先月かろうじて終了が猶予されたが、終了決定直後に「米国も理解を示した」という青瓦台(チョンワデ、大統領府)の発表は嘘であることが明らかになった。

(1)「GSOMIA事態の波紋は、防衛費分担金5倍引き上げと在韓米軍撤収カードに触れているトランプ大統領には好材料となる可能性がある。米戦略国際問題研究所(CSIS)のビクター・チャ韓国部長が述べたように、トランプ大統領は過去30年間に「在韓米軍不必要論」を114回も叫んだ。昨年のシンガポール米朝首脳会談直後には「いつか在韓米軍を撤収したい」と発言した。そのトランプ大統領にGSOMIAカードを突きつけたのは非常に危険な決定だ」

 

「人を見て法を説け」という言葉がある。相手の性格や時と場所をのみこんだ上で、 その人に最もふさわしい方法で説得し、対応せねばならぬことをいう。釈迦の言葉とされるが、文大統領は、GSOMIA(日韓軍事情報包括的保護協定)をオモチャにしすぎた。GSOMIAが、日米韓三ヶ国の安全保障体制のシンボルである。米国は、こう言って韓国を説得したが、聞く耳持たぬ感じで通してきた。これが、米国の心情を痛く刺激したと指摘している。文大統領は、反日「狭窄症」にかかっており、米国の反応を見る余裕がなかった。

 

(2)「韓国は中朝を意識してGSOMIAを破棄しようとしたと疑われている。文在寅政権は中国とはMD(ミサイル防衛システム)参加THAAD(高高度防衛ミサイル)追加配備韓日米軍事同盟--をしないという「3不」に合意した。GSOMIA終了は「韓国が韓日米安保協力隊列から離脱しようとしている」と疑われるのに十分な事件だった」

 

文政権は、「親中朝・反日米」と言うのが通り相場である。中国には平身低頭して「3不」という韓国の安全保障体制を揺るがす「約束」をした。米韓同盟がありながら、米国の「仮想敵」にも秋波を送る「二重スパイ」のような存在だ。

 

(3)「トランプ大統領は米朝関係が改善すれば在日米軍を強化して中国を牽制する方向に北東アジア安保戦略を変更する可能性がある。北朝鮮の非核化を引き出すために、金正恩(キム・ジョンウン)委員長が強く望む在韓米軍撤収というプレゼントをする可能性もある。文大統領は「在韓米軍は非核化とは関連なく韓米両国が決定する問題」と述べた。在韓米軍を守るという意味だ。なら、慎重に状況管理をすべきだが、GSOMIA終了カードを持ち出したのは軽率だった。核で武装した北朝鮮に対し、在韓米軍なく自国の安全を自ら守ることができると信じているのだろうか。我々は本当にそのような実力を備えているのか」。

 

米国は、対韓国交渉で日本という切り札がある。日本は、インド太平洋戦略で「キーストーン」である。韓国が米韓同盟を大事にせず、中朝へ媚びる態度ならば、米国は韓国を切り捨てるというゼスチャーも見せる。それが、トランプ大統領であると警告している。その意味で、韓国大統領府は大学生並の防衛論である。

 

(4)「文在寅政権の機能不全は内政でも確認される。所得主導成長の惨憺たる失敗、急激な最低賃金引き上げ、週52時間勤務制の無理な導入、規制改革の失敗で経済の成長エンジンは消えつつある。韓国銀行(韓銀)は昨年初めに2.9%と提示した今年の成長率予測値を2.0%まで下方修正した。大統領は「不動産市場は安定している」と述べたが、逆に暴騰している。経済正義実践市民連合(経実連)は「誰が大統領に嘘を報告しているのか」と問うている」

 

このパラグラフの通りである。内政も惨憺たるものだ。文大統領自身が、経済知識ゼロであり、部下の言い分をそのまま聞いている。裸の王様になっている。


(5)「文在寅政権は2年半の間、一つもまともな結果を出せていない。このままでは最も無能な政権として記録されるかもしれない。政権の失政は国民の苦痛につながる。執権後半期を迎えた今後は180度変わらなければいけない。大統領の心機管理用の虚偽報告は無視し、生きた民心に耳を傾ける必要がある」

文政権は、実務を知らない点で致命的である。文氏は、社会派弁護士で「弱者保護」を売り物にしている。どうやれば、弱者を守れるか。肝心の知恵がないのだ。こういう政権は、明日にでも交代すべきであろう。