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『反日種族主義』は、韓国で出版されて話題を呼んだ本である。朝鮮近代化の歴史から説き起こし、日本への正当な評価を下している。韓国現代史では、絶対に触れたくない部分にメスを入れている。韓国で発売された8月に、本欄でも取り上げて正しい評価をすべきと指摘した。日本人的な感覚から言えば、「うん、そうだ」と納得できる部分が多い。

 

韓国では現在、チェ・ソンラク著『100年前、英国メディアは朝鮮をどう見たか?』(ペーパーロード刊)が出版されて話題を集めているという。これは、英誌『エコノミスト』(1899年11月18日号)の記事から、同誌が朝鮮をどう見ていたかを取り上げている。

 

それによると、旧韓末の韓国が海外列強の目にどう映っていたかが分かる。19世紀の開港後、韓国が最も多く輸入した品は英国産の綿織物だった。清や日本の商人がインドを通して貿易取引を行った。韓国は食料不足にもかかわらず、コメを輸出しなければならなかった。風前の灯火のような立場にあった旧韓末の韓国に対し、エコノミスト誌は一抹の同情も示さない。韓日強制併合前年の1909年、同誌は「朝鮮はいっそ外国から現代的行政システムの助けを受けた方が、朝鮮国民の利益にとって役立つだろう」と報じたのだ。以上は、『朝鮮日報』(12月1日付)が伝えた。

 

前記の『英誌エコノミスト』は、当時の朝鮮がどうにもならない疲弊した状況にあったことを報じている。日本が併合して朝鮮を助けたとも言えるのだ。現在の韓国人には、理解不能であろう。

 

『中央日報』(12月2日付)は、「『嫌韓ビジネス』が触発した『反日種族主義症候群』」と題する記事を掲載した。

 

先月21日に東京で開かれた李栄薫(イ・ヨンフン)元ソウル大教授〔李承晩(イ・スンマン)学堂学長〕の記者会見にはOB・現職記者100人余りが集まった。李氏が書いた『反日種族主義 日韓危機の根源』(以下、『反日種族主義』 文藝春秋出版)の日本語版出版にあたって日本記者クラブが用意した席だった。開始前からすでに満席で、会見場外にも椅子20脚余りを置かなければならないほどだった。彼らのために記者会見は扉を開いたまま行われた。

 

(1)「記者会見場には熱気であれていた。「韓国人の反日感情を理解できるようになった」「このように衝撃的な本は初めて」という反応もあった反面、「日本の植民支配に対する責任はどう思うか」「強制徴用者らが自由に生活をしたと主張しているが、その根拠はなぜ提示しなかったのか」という鋭い質問も飛んだ。YouTube(ユーチューブ)に掲載された李氏の記者会見動画は再生回数が17万回を超えた。普段3000回程度であることと比べると、その50倍以上となる人々が動画を見たことになる」

 

下線分は、先に紹介したチェ・ソンラク著『100年前、英国メディアは朝鮮をどう見たか?』の中に答えがある。日本が、「面倒を見てやった」のが歴史的に見た正解であろう。世界的に朝鮮の扱いに困っていたのだ。日本を恨むことはない。自らの民族の不甲斐なさを反省すべきだろう。

(2)「『反日種族主義』は出版2週間で日本の出版界で「嫌韓ビジネス」の新たな商品に浮上した。2週間で30万部を印刷し、アマゾンジャパンでは出版以来ベストセラー1位を記録している。紀伊國屋書店では「1人につき1冊のみ販売」との案内があった。「小説でもない社会科学系の書籍としては非常に珍しい」(出版業界関係者)という評価だ。今年6月に出版された太永浩(テ・ヨンホ)元北朝鮮公使が書いた『3階書記室の暗号』も1万部水準だったことと比較すると注目に値する数値だ」

韓末の李朝が、日本との併合によって「一等国民になりたい」。朝鮮の日本併合派は、このように主張したのだ。日韓の対等併合を申し出たが、日本がそれを認めず「吸収合併」になった。もし「対等合併」であったのであれば、現在のように日韓対立は起こらなかったかも知れない。歴史に、「if」はないから言えないが、朝鮮は対等併合を申し出ていたのである。