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最近、悪いことはすべて文在寅政権のせい、という流れが強くなってきた。文政権在任の2年間で、全国の地価上昇分が2000兆ウォン(約182兆円)にも達したからだ。不動産対策が生温いからだと批判されている。この文政権責任論は飛躍し過ぎている面が強い。

 

原因は、韓国独特の家賃制度「チョンセ」にある。「チョンセ」とは、次のような制度である。

 

「チョンセ」では、一定の高額の保証金を支払えば、月々の家賃支払いがない。しかも退去する解約時に、保証金が全額返ってくるというもの。これだけ見ると、入居する側にとっては、すごく有利と見られる。それでは、家主はどうしているのか。チョンセ保証金の運用による利子が家主に入ってくるので、これが家賃収入になるのだ。預金金利が下がってくると、家主は損失を招くので、保証金自体を引上げざるをえなくなる。ここから、問題が起こってきた。

 

こうして、低金利=保証金引上げというパターンで、住宅価格そのものを押し上げるという不可思議な現象が生まれている。韓国人が、この矛楯に気付かないのは、保証金が全額返ってくる上に、月々の家賃が要らないという表面的な点にある。総合的に考えれば、高額保証金を払う点で損(高い機会費用)していることを無視しているのだ。毎月、家賃を支払う「ウォルセ」の方が、高い保証金を必要とせず合理的な選択である。「チョンセ」で払う保証金で持家を買うという有効活用すれば、はるかに大きいメリットを受けられるであろう。

 

ここら辺りに、韓国人の思考様式が窺える。物事を深く考えずに、表面的な現象で損得を決めていることだ。日韓問題もその最適例であろう。感情的に「不買運動」をやっているが、それが不安心理を高め、韓国のGDPを押し下げるというブーメランに見舞われるのだ。韓国人に見るこの不可思議な行動が、不動産価格を押し上げている

 

『中央日報』(12月3日付)は、「文政権2年間に地価2000兆ウォン上昇、歴代政権で最高と題する記事を掲載した。

 

文在寅(ムン・ジェイン)政権の発足後2年間で、全国の地価が2000兆ウォン(約184兆円)ほど上がったことが調査で分かった。歴代政府のうち最高水準だ。経済正義実践市民連合(経実連)と鄭東泳(チョン・ドンヨン)民主平和党代表は3日、国会で記者会見を開き、このように明らかにした。経実連は1979年から2018年まで政府が発表した土地公示地価に相場反映率を逆適用し、地価変動の流れを算出した。

(1)「各政権の年平均地価上昇率を計算すると、

文在寅政権 1027兆ウォンで最も高かった。

盧武鉉政権  625兆ウォン

朴槿恵政権  277兆ウォン

金大中政権  231兆ウォン

李明博政権 -39兆ウォン」


上記のデータを見れば、文政権2年間で、他の政権5年間を大幅に上回る地価高騰である。この原因は、「チョンセ」という一定額の保証金を払う家賃制度の矛楯にある。つまり、低金利=保証金引上げというパターンが、地価を押し上げている。この制度を禁止すれば、大家は、不動産を処分するであろう。まさに、家賃という制度改革が必要である。

 

(2)「経実連は、「文在寅政権での2年間、物価上昇率による上昇分を除いて1988兆ウォンの不労所得が発生した」と分析した。これは1所帯あたり9200万ウォンにのぼる規模。国民の70%が土地を保有していない点を考慮すると、土地保有者1500万人が2年間に1人あたり1億3000万ウォンの不労所得を握ったという計算だ土地保有者のうち上位1%が全体の土地の38%を保有しているという国税庁の統計を適用すると、土地保有者上位1%は2年間に1人あたり49億ウォンの所得があったということになる。これは上位1%に該当する勤労所得者の勤労所得(年間2億6000万ウォン、2017年度)と比較して9倍にのぼる金額だ。全国民の平均勤労所得(3500万ウォン、2017年度)と比べると70倍にもなる」

 

国民の70%が、土地を保有していないという事実に驚かされる。一生、貸家で住んでいるとすれば、家賃高騰が生活を圧迫するはずだ。何とも、おぞましいことをやっているものだと呆れる。高い保証金を払うよりも、持家の方がはるかに低コストで済むはず。こういう、損得計算が、韓国人にできないとすれば言葉を失う。 

 

土地保有者のうち、上位1%が全体の土地の38%を保有しているという。これも驚きである。「チョンセ」がもたらした、国民収奪であろう。文政権は、こういう矛楯点に切り込むことだ。それが、政治というものであろう。反日の前に、内政でやるべきことは山ほどある。