テイカカズラ
   

専制国家・中国の脆さが、今回の香港区議会議員の壊滅的な敗北に表れている。中国最高指導部は呆然としており、どのように対策を打ったら良いか分らない状況という。監視カメラで、国民の動向はすべて監視できても、心の中は読めなかったという「痛快」な話だ。

 

『大紀元』(12月5日付)は、「習近平氏、フェイク情報で情勢誤認、香港選挙大敗にショックを受けているー中南海高官」と題する記事を掲載した。

 

11月、香港の区議会選挙では民主派が85%の議席を占める圧勝となった。北京上層部に近い消息筋は香港大紀元に対して、習近平国家主席が「惨敗」にショックを受けていると明らかにした。また、香港情勢について中国指導部に判断の誤りがあり、「これといった解決策もない」と考えているという。

 

(1)「香港大紀元は123日、北京の政治中枢である中南海の高官からの情報を独占入手した。それによると、習主席は香港の選挙結果にショックを受けている。中南海(注:中国最高指導部)はいま、混乱の最中にあるという。また、共産党指導部の判断ミスは大きく、対策を見つけることができないという。香港区議会議員選挙の前、海外と香港の中国専門家は、中国共産党が建制派(親中派)の「不利な情況」のために、選挙を取り消すかもしれないと推測していた」

 

香港区議会議員選挙は、共産党の大敗北に終わった。原因は、民主主義社会の「民意」を掴めなかったことだ。独裁国家の政治システムは、民意を強権発動で動かせる。民主社会の政治システムでは、市民一人一人の意思が生かさせる。習近平氏は、個人の力の恐ろしさを知ったはず。選挙結果に呆然としたのは当然であろう。

 

(2)「選挙は予定通りに行われた。消息筋によると、林鄭月娥長官が、選挙を取り消せば内外からの批判がさらに高まることを懸念したという。情報筋によると、区議会議員選挙の期間中、中連弁(中国共産党政府の駐香港連絡事務所)と香港マカオ連絡事務所、林鄭長官は「選挙に勝てる」と状況を誤って判断し、中央政府に報告して、予定どおりの選挙実施を要請したという。また消息筋は、中国政府の選挙の事前予想では、1票を500元(約8000円)で買収することができるため、その買収分は前回選挙の3倍多い120万票を親中派(注・建制派)に確保できると見積もった

得票数は次の通りである。

民主派 167万3991票

建制派 122万0939票

 

建制派(親中派)は、買収によって122万票を確保した。だが、これまで投票を棄権してきた人たちが、怒りの一票を民主派に入れて、習近平氏らの指示で動く建制派を圧倒したのだ。これが、民衆の怒りの持つ恐ろしさである。なぜ、建制派が122万票を得て大敗北したのか。買収が、薄く広く行なわれ、議席に結びつかなかったことだ。          

 

(3)「1124日の投票日に、中連弁の職員が早朝、投票所に向かう途中、親中派が多いとされる高齢者が投票所に行っているのを見て、「建制派の優勢」を北京に伝えたという。少なくとも7つの親中派の香港メディアが、選挙の「建制派勝利」の下書きを済ませていた。中連弁が「勝利」とメディアに伝達していたからだという」

 

建制派は、買収による120万票で民主派を圧倒できる、と自信を持っていた。民衆は、それを上回るエネルギーで建制派を排除した。ここに、市民の怒りがどれだけ大きかったを物語っている。

 

(4)「消息筋によると、いま、香港の選挙結果を受けて、共産党上層部は依然として「どう処理すべきかわからない」状態だという。この消息筋は、中南海の決定は、選挙の2週間前に起きた、中文大学と理工大学の「占拠」および道路やトンネルの閉鎖という抗議活動により、市民の不満は頂点に達していると考えていた。「なぜ大敗という事態に陥るのか」と、信じがたい結果だという。実際、学生たちは大学から撤退する際にも香港警察の暴力に遭い、撤収できない事態にあり、10万人の市民が物資を送ったり車両やバイクで送迎したりして、学生たちの退出に尽力したとされる」

 

共産党上層部が、今後の敗戦処理で対策が見つからないという。専制主義者が、民主主義の精神を理解できない結果だ。中国本土でも、取り返しのできない過ちに陥っているはずだ。監視カメラで、人間の心を支配できないことを知るべきであろう。

 

(5)「『フィナンシャル・タイムズ』は10月、中国共産党と30年近い交流を持つ米国高官が最近、訪中し、「政治局員を含む上層部は下から偽の情報を受け取っている」ことに驚いた、と報じた。「非常に質の悪い情報しか届いていない。下の人が嘘ばかりついている」。報道は、習近平体制後、中国共産党は権威主義システムを強化し、反体制派を抑圧し、インターネットなどで情報検閲と統制を行っていることに原因があるとした。また、下から上への報告は、上層部が「聞きたい話」しかないという」

 

香港区議会議員選挙の民主派勝利は、共産党政治の限界を示している。これで、共産党政権下の中国本土で、選挙が行なわれる機会は永久にあり得ないことを示唆している。これは、中国共産党が、一段と国民から乖離した存在になることを示す。最後は、「野垂れ死に」しかないことを意味するのだ。習近平氏は、中国再生の機会を奪った張本人である。