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米朝関係が再び緊張しつつある。北朝鮮が瀬戸際政策に出すのでないかと懸念されている。

米朝が互いに、「言葉爆弾」を飛ばし始めており、年末に向けて騒ぎが広がる事態も予想されるに至った。

 

米国が朝鮮半島上空に核心偵察機のRC-135S(コブラボール)を飛行させ対北朝鮮監視体制に入った。昨年の6・12シンガポール米朝首脳会談後、廃棄に入った北朝鮮の東倉里(トンチャンリ)ミサイル発射場で、新たな活動が確認されたからだという。

6日(現地時間)の海外軍用機追跡サイト「エアクラフト・スポット」によると、この日午前、コブラボール1機が沖縄の嘉手納米軍空軍基地を離陸して日本海に向かったと伝えられている。

 

『中央日報』(12月6日付)は、「北朝鮮に異常兆候 世界3機の『コブラボール』を東海に投入した米国」と題する記事を掲載した。


コブラボールは高性能電子・光学装備を備えた偵察機で、弾道ミサイルの電子信号と軌跡を追跡することに特化している。全世界で米軍だけが3機を運用するほど米国の核心偵察資産に挙げられる。

 

(1)「軍当局者は「今年、主に短距離弾道ミサイルを発射してきた北が、大陸間弾道ミサイル(ICBM)と潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射まで敢行する可能性があり、米国が集中監視に入ったようだ」と述べた。これに先立ち米CNNは5日、「北朝鮮の西海(ソヘ)衛星発射場で以前になかった動きがみられる」とし「北朝鮮が人工衛星打ち上げやICBM発射のためのエンジン燃焼実験を再開する可能性がある」と報じた。また民間衛星会社「プルネット・ラボ」が撮影した衛星写真を掲載し、「東倉里ミサイル発射場の前に大型コンテナが置かれている」と指摘した」

 

米国は、これまで北朝鮮の短距離ミサイル発射実験では直接、米国へ危害が及ぶことがない、として傍観してきた。それが、ICBMなど米国へ危害が及ぶ可能性のある武器弾薬の実験は、絶対に許さないという強い姿勢である。北朝鮮が、調子に乗ってICBMなどの実験をやれば、一悶着起こっても不思議はない。


(2)「ミドルベリー研究所のジェフリー・ルイス東アジア不拡散プログラム局長は、「これまでなかった大型コンテナの登場は、北朝鮮がエンジン燃焼実験を再開する可能性があることを示唆する」とし「これは今後、長距離ミサイル発射や人工衛星打ち上げに踏み切る可能性があることを見せる深刻な兆候」と述べたと、CNNは伝えた」

 

米軍が、厳重な警戒体制に入っていることは疑いない。これまでの米朝合意を破るだけに、何らかの対応をしなければ、北朝鮮に甘く見られて、大統領選に悪影響を及ぼす。米国は、断固たる措置を講じる恐れが強い。まさに、「米国を試すな」という局面になる。

 

『東亜日報』(12月6日付)は、「米高官、対北の軍事オプションは撤回されていない」と題する記事を掲載した。

 

(3)「米国のクリンク国防次官補代理(東アジア担当)は12月4日(現地時間)、北朝鮮の相次ぐ対米警告に対して、「攻撃的に行動する愚かなことをするなら、非常に強い報復があるだろう」と警告した。また、国務省の対北朝鮮政策の主導権が国防総省など他の省庁に移る可能性についても言及した

 

米国は現在、国務省が交渉の指導権を取っているが、事態が悪化すれば国防総省などが指揮権を取ると警告している。世界の覇権国としての米国が、北朝鮮に振り回されたのでは「沽券(こけん)に関わること。ここは、軍事行動に移らないまでも、断固とした対応を取らざるを得まい。

 

(4)「一方、同日午前のカンファレンスで基調演説をしたナッパー国務次官補代理(東アジア・太平洋担当)は、韓国政府の韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)に対する「条件付き継続」決定について、「鼓舞的だ」と歓迎の意向を明らかにした。ナッパー氏は、GSOMIAの「更新(renew)」ではなく「維持(maintain)」という表現を使った。これに先立ち、国務省が韓国政府の決定に関する報道資料で「更新」という表現を使い、「GSOMIAの継続を既成事実とし、韓国に圧力をかけようとしたのではないか」という指摘が出たことを意識したとみえる」

 

ナッパー国務次官補代理は、韓国のGSOMIA継続について、「更新(renew)」ではなく「維持(maintain)」という表現を使ったという。外交では、言葉の使い方一つでも神経質になるもの。これから見ると、中国の王毅外相の韓国での振る舞いは、大いなる非難対象だ。