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中国は、米国の「香港人権法」施行に抗議する意味で、米艦の香港寄港を一時停止している。これに対した、米議員が、「台湾へ寄港すれば済む」と発言したことに抗議した。台湾は、中国領土であるという理由だ。

 

理屈の上では、中国の一部になっている。現実には、台湾政府が統治する形で、バックには米国が強力な軍事的な支援を行ない、中国による「開放」を阻止しているのが実態だ。米国の法律で、「台湾関係法」を制定しており、今年で40周年を迎えた。米台の軍事同盟である。今年に入って、米国は「台湾旅行法」を制定して、米台の政府要人が自由な交流を可能とした。このように、米台関係は緊密化している。

 

『レコードチャイナ』(12月8日付)は、「香港寄れぬ米軍艦は台湾に行け? 米国人はそれがどれほど危険なことかを知らない中国メディア」と題する記事を掲載した。

 

中国メディア『環球網』(12月6日付)は、米国の「香港人権・民主主義法」の成立に対抗して中国政府が米軍艦による香港寄港の拒否を発表したことについて、同法の発起人の1人である米議員が「米海軍は台湾で補給せよ」と語ったことを報じた。

(1)「記事は、「米国が近ごろ、わが国の反対を顧みず、意図的に同法を成立させ、わが国政府は米軍艦の香港寄港の審査認可を一時取りやめることを発表した」とした上で、同法の発起人の1人である米国のリック・スコット上院議員が「米海軍への補給の機会をもっと台湾に与えよ」と発言したと伝えた。そして、米軍艦にとって香港は重要な補給ステーションであり、米軍艦の香港寄港は香港が中国に返還される以前からの伝統だったと紹介。1997年の中国返還後も米中間で合意が結ばれ、中国政府の許可を前提として米軍艦が引き続き香港に寄港することが認められていたと説明した」

 

米艦は、これまでも米中対立が起こる度に「香港寄港停止」処分を受けてきた。この停止期間が長引けば、台湾寄港を恒常化させるかも知れない。米国には、乗員の休養や水などの補給が必要であるから、台湾寄港もあり得ないことではないだろう。

 

米国は台湾を防衛するために、米中国交回復と同時期に「台湾基本法」を制定した。この条文の解釈しだいでは、台湾寄港も可能かも知れない。その場合、中国の反発がさらに強まるであろう。

 

(2)「その上で、伝統的な香港への寄港と、台湾への米軍艦の寄港は全く別の話であるとし、「1つの中国の原則や米中間の3つの共同文書で定めた規定に反する、中国への内政干渉だ」と批判。同議員の発言は一個人のものにすぎなかったとしても「すでに中国の領土主権に対する完全なる挑発である」と断じた」

 

米国が、国内法で「台湾基本法」を制定していることから言えば、中国との摩擦を配慮しなければ、米艦寄港が可能かも知れない。米中関係は、貿易交渉でこじれている。台湾は、中国領であって、中国領でないという「グレーゾーン」になっている。

 

(3)「記事は、近年米国が台湾への軍艦寄港の試行を繰り返していると主張した上で「どうやら、米国は台湾海峡地域の軍事バランスにすでに歴史的な変化が起きていることを意識できていないようだ」と伝えた。そして、米国がさらに挑発をエスカレートさせるようなら中国軍機による台湾海峡中間線の突破を常態化させ、さらには総統府上空での低空飛行を含む台湾上空の飛行、海軍軍艦による台湾海岸線への停泊を行って中国の主権を軍事力でアピールすることも考えるべきだと論じている」

 

下線を引いた部分は、間違えている。米国は、台湾へ新鋭戦闘機「F16」66機の売却を決定した。これで、中国の軍事攻撃を防ぐには十分な能力がある。逆に、中国本土が攻撃される懸念さえあると言われている。ここで、中国が強い姿勢を取れば、米国では「これ幸い」とそれを理由に、さらに軍事強化せよと言う声が出るであろう。米国の対中警戒論は、急速に高まっている。中国は、図に乗った行動をすれば墓穴を掘る。