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デフォルトの波は国有企業まで及んできた。地方政府の財政逼迫が原因である。国有企業を救済する余力を失ったのだ。まさに、「中国経済の敗戦前夜」である。ここまで追い込まれる前に、打つ手はあったはず。債務で事業拡張する。そういうリスクをなんら計算に入れなかった経営ミスが生んだものである。

 

『ロイター』(12月10日付)は、「中国国有企業がまたデフォルト、財務状態に懸念広がる」と題する記事を掲載した。

 

中国の内モンゴル自治区の国有企業が私募方式で発行した約10億元(約1億4210万ドル)の債券の一部が先週末、デフォルト(債務不履行)に陥った。中国地方政府では国有企業のデフォルトが相次いでおり、景気が減速する中で連鎖リスクが懸念されている。

フフホト市政府が所有するフフホト経済技術開発区の投資会社は9日、返済期限が6日に過ぎた債務の返済手続きを進めていると発表した。

 

(1)「格付け会社ムーディーズによると、中国の地方政府は2018年時点で7兆6000億元の財政赤字を抱えている。米中貿易戦争で痛んだ経済をてこ入れするために中央政府は減税と財政支出の拡大に取り組んでおり、財政負担はさらに高まる可能性がある。インダストリアル・セキュリティーズのアナリスト、フアン・ウェピン氏は週末のリポートで「地方政府は依然、隠れた債務に相当な強い返済圧力を受けている」と指摘し、財政的に脆弱な地方政府が所有する金融特別会社について強く警戒するよう投資家に呼び掛けた」

 

中国中央政府は、見栄を張って財政赤字を地方政府に背負わせる戦術をとってきた。また、国有企業の債務でインフラ事業を行なうなど、「債務隠し」に懸命だった。今そのウソが、暴き出されているのだろう。国有企業のデフォルトになって過去のウミが表れている。習近平氏のメンツを立てるための無理な経済成長。そういう前近代的な理由が、すべての原因である。

 

(2)「ロイターが入手した目論見書によると、フフホト経済技術開発区は16年、銀行融資の返済や建設プロジェクトの資金手当て、資本の補充を目的に10億元相当の債券を私募方式で発行していた。この企業のサイトによると、事業内容は不動産から水システム開発、インフラ建設と多岐にわたる。政府系の上海証券報が今月9日報じたところでは、中国の銀行間精算機関は7日、期限の6日までに同開発区から利息を全額は受け取っていないとする通知を出した。最近では北京方正集団と天津物産集団の国営2社も債券のデフォルトを起こしており、国有企業の財務状態に懸念が広がった」

 

倒産企業の事業内容は、不動産から水システム開発、インフラ建設と多岐にわたる。インフラ投資を手がけながら、副業で不動産事業にも手を出しており、資金繰りがつかなかったのであろう。これまで、国有企業の倒産は希有とされてきた。地方政府の意財政が悪化しており、もはや企業を庇いきれなくなったのだ。

 

(3)「中国の債券市場ではこれまで、国有企業のデフォルトはかなり異例だった。ロイターの集計では、今年これまでのデフォルト件数は民間企業が42件なのに対し、国有企業は6件だ。一方、格付け会社フィッチによると、中国民間企業のデフォルト件数は今年、過去最多を記録している

 

ロイター調査では、今年に入ってこれまでの大型デフォルト件数は、民間42件、国有企業6件という。日本の不動産バブル崩壊後の倒産は社会問題になったが、件数的にこれほどの酷い状況ではなかった。空前絶後のバブル経済崩壊のすさまじさが見て取れるのだ。