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韓国は日本方針受入れ

日本に妥協する背景は

韓国客の減少で慌てる

対話で紛争解決に合意

 

日韓首脳会談は、13ヶ月ぶりに開催された。6月の大阪G20サミットでは、「8秒握手」に終わった。今回の中国成都での会談は、「50分」の濃密な議論ができたという。ただ、これまで1年以上もの空白期間があったから、一挙にその穴を埋めることはできなかった。両国は、ギリギリまで合意文書発表で詰めたものの、歩み寄りができなかった。話合いの継続では一致した。日韓ともに、解決モードに入っている。このことは重要な一点だ。

 

韓国は日本方針受入れ

会談場所は、安倍首相宿泊ホテルになった。韓国側は、日中韓三カ国会義場を提案したが、日本が主張を譲らず安倍首相宿泊ホテルになった。外交儀礼上では、相手側のホテルで会談する場合、会義の主導権はその国に移る例が多いいとされる。今回の日韓首脳会談はどうであったか。

 

安倍首相は、記者団に公開する会談冒頭シーンで、はっきりと日本側の主張を展開した。すなわち、「朝鮮半島出身労働者の徴用工賠償問題は、1965年の日韓基本条約請求権協定で解決済みである」との立場を強調。昨年10月の韓国大法院判決は国際法違反である。よって、この問題は韓国国内で解決するべきである、とした。

 

韓国文大統領は、安倍首相からの主張に対して、「過去の主張は繰り返さないが、韓国にもいろいろ案がある」として、安倍発言を受入れた印象である。日本の主張が誤りであれば、首脳会談の席で反論すべきである。これがなかったことは、韓国が責任をもって、徴用工賠償問題の解決に当るという意思表示である。

 

韓国大統領府は、意識的に文国会議長案に触れないようにしている。否定的なニュアンスをメディアに流している感じすらある。「被害者の反対がある」などと事実に反することを持ち出しているのだ。被害者・遺族は、すでに約1万人の署名を添えて、文議長に早期解決を申し入れている。なぜか、この重要な点が伏せられている。大統領府が、イニシアティブをとった解決案を提示できない焦りでもあろう。

 

大統領府による「広報活動」で、徴用工賠償問題解決には長期間を要するとの見方が支配的である。私は、この見方に疑問を持つものだ。それは、文国会議長の国会へ上程した案が、まだ審議されないうちに「否定イメージ」を流されているからである。

 

文議長は、相当な戦術家であるという政治実績を無視している点が気になるのだ。与党「共に民主党」内での紛議を三回も解決に導いた政治手腕の持ち主である。文議長は、来年4月の総選挙に立候補せず引退する。政治家としての「レガシー」が、この徴用工賠償問題である。すでに法案は、文議長のほか与党・野党・無所属の13議員と連名で上程した。この法案の審議状況も見ないで、「徴用工問題関係は長期化する」という説に疑問を感じる。

 

徴用工問題は、日韓関係に刺さったトゲである。この歴史問題が未解決である限り、日韓は反目し合う状況が続くであろう。この問題が、未解決でもっとも困るのは韓国である。日本は一切、徴用工賠償に関わらないと宣言した以上、韓国が解決しなければ「泥沼」を脱却できないのだ。

 

韓国は、7月以来「反日不買」宣言して「日本品狩り」を実施している。それが、ブーメランとなって、皮肉にも韓国消費者の不安心理を高めたのである。財布の紐が固くなり、日本品のみならず、韓国製品への消費まで減っている。「人を呪わば穴二つ」で、韓国製品も売上不振に陥っている。

 

日本に妥協する背景は

韓国こうして、自ら振り上げた「反日不買」運動を、棚上げせざるを得ない事情に追い込まれている。それらの動きを取り上げたい。

 

(1)反日不買を理由にして業務を閉鎖していたサイトが業務を再開する。それは、韓国最大の日本旅行コミュニティサイトの「ネイルドン」で、26日から業務を再開する。2003年に開設され現在、133万人の会員を擁するサイトで、日本旅行にまつわる情報交換をしている。(つづく)