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中国の自動車市場は、昨年から前年比でマイナスに落込んでいる。この基調は来年も続くといわれ、「3年不況」が予想されている。その中で、ホンダが8月以降、11月まで連続4ヶ月、過去最高を更新している。

 

本田技研によると、3月から5月にかけての3カ月も過去最高を記録した。11月だけを見ると、日本、北米全体、米国、欧州、アジア全体など、中国以外ではすべて前年比で落込んでいる。こうなると、ホンダが中国で好調な理由は、中国自動車市場にその理由を求めなければならない。

 

その秘密は、ホンダを初めとする日系車が、中古市場で最高人気を得ているからだ。日系車を買えば、サービスはよい。故障は少ない。中古でも好人気という3拍子揃っている。これが、中国社会で高い評価を受けている理由である。

 

『サーチナ』(12月27日付)は、「中国の中古車市場どうしてこんなに日系車が多いのか=中国メディア」と題する記事を掲載した。

 

中国メディア『東方網』(12月25日付)は、「どうして中古車市場の大部分は日系車なのか」とする記事を掲載した。

 

記事は、今や中国において自動車が多くの人にとって欠かせない日常の交通手段となっており、金銭的な理由から中古車市場を利用する人もいると紹介。そして、中国の中古車市場を見てみると日系車が大多数を占めていることに気づくとしたうえで、中古車業者が積極的に日系車を買い取る理由について4つの点を挙げて説明している。

 

(1)「1つめは、日系車は品質が高く、耐久性や経済性に優れている点だとした。中古車であっても消費者は長く使えるかどうかを重要なポイントと考えており、故障率が低く、小さな故障ならすぐに直せるうえ、燃費もいいことで定評のある日系車が自ずと人気の的になるとした」

 

日系車は、故障率の低さ・行き届いたサービス・低燃費で人気を得ている。サービス面では、トヨタのレクサスが、値上げするたびに売れ行きがいいという。その裏には、サービスの良さも人気の秘密だ。販売店では、お客の姿が見えなくなるまで見送る誠実さが評価されている。このきめ細かな配慮が、中国人のハートを掴んでいると指摘されている。

(2)「2つめは、値崩れがしにくいことを挙げている。中古車業者は買い取った車の価値が急激に低下することを恐れており、その点で日系車は大きな強みを持っていると説明。また、2年ほど乗った後に売ることを考えれば、消費者にとっても値崩れしないのは非常に喜ばしいことだと伝えている」

 

日系車の人気が高いことから値崩れしない。これは、販売側にとってメリットである。

 

(3)「3つめは、日系車は広く名の知れたものが多く、消費者が広い選択肢から選べる点を挙げた。また、中古者業者にとっても日本車を多数取り揃えておけば車が売れないという心配がないとしている。そして、4つめでは、もともと新車販売で日系車の台数が多いため、中古車の取り扱い数も自ずと多くなると説明した」

 

日系車と言えば、トヨタ、日産、ホンダなど代表的なブランドが揃っていることで、客には幅広く選択が可能になる。

(4)「記事は最後に、中古市場において日本車は値崩れしない、耐久性に優れているといったメリットにより多くの消費者から人気を集めており、中古車業者も日本車を好んで買い取るのだとし「消費者、業者双方にメリットがあるからこそ、中古市場に大量の日本車が並ぶのだ」と結んでいる」

 

中古車業者は、日系車の好人気を背景に優先して日系車を買付けることが、豊富な日系車の品揃えを可能にしている。こういう好循環が、「日系車ブーム」を引き起こしている。新車市場で、ホンダが過去最高の販売になっている裏には、中古車ブームが存在している。