a0960_008407_m
   

中国は、先の日中韓三カ国首脳会談を機に和牛の輸入を解禁した。2001年から日本でのBSE(牛海綿状脳症)発生を受け、日本産牛肉の輸入を禁止してきた。中国人はこの18年間、中国国内で和牛を食べることができなかったと言える。ただ、密輸で中国へ持ち込まれていた。上海の高級料理店では、和牛の「暗号」を言えば、注文に応じていたという。それだけ、「絶品」として評価されているのだ。

 

和牛の旨さは、世界でも別格という高品質を誇っている。日本の農水省では、和牛遺伝子を「知的財産権」として保護することに決めた。関係者の間では遅すぎたという声も出ているほどだ。来年の通常国会への関連法案の提出を目指すという。

 

韓国では、日本が中国から和牛輸入解禁の「プレゼント」を受けたことにジェラシイを見せている。中国は、日本を外交的に取り込むためのジェスチャーだというのだ。韓国が、THAAD(超高高度ミサイル網)問題で中国から経済制裁を受けていることもあり、「なぜ、日本だけ」という気持ちになるらしい。和牛が、「知的財産権」の扱いになることから、中国が和牛を輸入解禁して酪農を活性化させる意図でないか、という見方が強い。

 

『サーチナ』(12月29日付)は、「まさに群を抜いている和牛、中国はなぜ輸入を解禁したのかー中国メディア」と題する記事を掲載した。

 

中国政府は12月23日、日本産牛肉の輸入を解禁すると発表した。中国では2001年から日本でのBSE(牛海綿状脳症)発生を受けて日本産牛肉の輸入を禁止してきたため、中国人はこの18年間、中国国内で和牛を食べることができなかったことになる。中国メディア『今日頭条』(12月26日付)は、解禁された和牛について紹介する記事を掲載した。

 


(1)「このたび中国が解禁したのは、月齢30カ月未満の牛肉が対象になっている。記事は、和牛がいかに中国人に人気かについて「日本で最も影響力のある農産品」の1つだと紹介。ジューシーできめが細かく、香りも良く、「ほかの畜産品と比べて群を抜いている」と称賛した。しかし、意外なことに和牛の歴史は決して長くはなく、ここまで短期間に質の高い和牛を配合できたのは、ひとえに日本人の努力のたまものと言えるだろう。記事は、和牛は格付けに厳しく、和牛の飼育には、牛にマッサージを施したりビール酵母を混ぜるなど飼料にもこだわり、冬には防寒着を着せたり温泉で洗ったりと工夫を凝らしており、だからこそこれだけの品質の和牛ができたのだと称賛している

 

和牛の飼育方法は、工業品と同様に工夫を加えている。米国や豪州では、自然放牧で牛の飼育に手間暇をかけている訳でない。当然、牛肉の質は大味になるだろう。日本の「神戸牛」や「松阪牛」などのブランド牛肉は、工業品同様に丁寧に時間をかけて飼育される。むろん、その裏では掛け合わせての品種改良が行なわれてきた。その遺伝子は、「知的財産権」と言えるものだ。こうして、優れた遺伝子に丁寧な飼育方法が加われば、絶品の味に仕上がるのだろう。

 

(2)「それにしても、なぜ中国は和牛の輸入を解禁したのだろうか。記事は、国内の供給が追い付かないためだと指摘。日本だけでなく中国は米国やポーランド、デンマーク、イギリス、オーストラリアなどの他国に対しても順次解禁していると伝えた。中国では豚コレラの発生などにより豚肉が急高騰した背景もある。そのため、豚肉を多く食してきた中国では、牛肉や鶏肉を食べる割合が増えてきたことが和牛解禁と関係しているのだろう」

 

中国では、豚肉が主流である。中華料理の華だ。そこへ、和牛が本格的に登場すれば、中華料理のメニューが変る可能性もあろう。その意味で、「味の革命」をもたらす。中国は、牛肉で米国やポーランド、デンマーク、イギリス、オーストラリアなどの他国に対しても順次解禁予定という。最初に、絶品の和牛が流通するようになれば、他国の牛肉と品質面で格差がついて、大きなアドバンテージになろう。

 


(3)「中国国内の牛肉と比べると格段に質の高い和牛が、中国市場に与える「衝撃」は大きいかもしれないが、同時に中国の牛肉生産者が日本の和牛生産者から学べることは多いに違いない」

 

中国で、和牛が高値で売れることが分かれば、中国の酪農家がこぞって和牛飼育に乗り出すであろう。「儲かる」と分かれば、一斉に走り出すのが中国である。和牛にとって、一大転機が訪れたことは間違いない。