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中国は2年前、北朝鮮へなんとも空恐ろしい「最後通告」を発していたことが明らかになった。核に固執すれば、幹部と家族の命を奪う(処罰)という「暴力団」並の脅迫である。中国は、時期がきたら核を放棄せよと「執行猶予」を与えているのだ。

 

北朝鮮が核保有国になれば当然、日韓が核保有国になる。これは、中国にとって最大の危機だ。現状は、日本が核を持たないので中国が安心していられる。だが、北朝鮮の核保有を許せば、日本に核を持つなと言える立場でなくなるのだ。こういう道筋を考えれば、中国が北の核保有を絶対に許さないという理屈が成り立つ。万一、核を保有し続ければ、北朝鮮幹部とその家族を一方的に処罰するとしている。

 

『中央日報』(1月10日付)は、「中国の対北朝鮮警告、『核に固執すれば幹部・家族を処罰』」と題するコラムを掲載した。無署名である。それだけに記事に真実味が窺える。

 

北朝鮮が昨年末4日間にわたって開催した労働党第7期第5次全員会議では、決定的な対米戦略を決めた様子はない。「会議が踊った」だけに終わった背景は、中央日報統一文化研究所が単独入手した中国共産党内部文書の中にその答えが隠れているようだ。これは、重大な情報である。

(1)「中国共産党中央弁公庁の内部文書(2017年9月15日)は、次のような内容だ。「中国の党と国家は朝鮮(北朝鮮)の主権と領土の保全をいかなる犠牲を払ってでも必ず守り、朝鮮政府の安定と継承性を全面的に担保し、朝鮮半島の平和を確実に維持しなければいけない」。このように、北朝鮮政権の存立が中国の国益に緊要だという点を強調して始まる。「西側の敵対勢力の攻撃を防ぐための中国の重要な軍事的緩衝地域であるだけでなく、わが党の『中国式社会主義』を固守するため、いかなるものとも代えられない政治的戦略地帯」というのも同じ脈絡だ」

 

北朝鮮が、中国にとっては。「緩衝地帯」という認識である。それ故、北朝鮮を防衛すると明確に打ち出している。この原則論に立てば、北朝鮮を弱体化する「南北統一」はあり得ない。韓国は、この実現しない夢に賭けている。

 

(2)「この内部文書は、北朝鮮核問題のより徹底的な解決のため、中国と北朝鮮の緊密な意思疎通と協力を引き出すために作成されたと、弁公庁は明らかにしている。かつて中央秘書庁と呼ばれた中央弁公庁は中国共産党中央委員会の直属機関で、総書記(習近平国家主席)を含む核心指導者の通信・保安など日常事務を担当する。A4用紙5枚分の文書は主に「党対党」レベルの対外交流を担当する共産党対外連絡部に伝えられた」

 

A4用紙5枚分の文書は、「党対党」レベルで北朝鮮に伝えられているという。文書が作成された時点は、北朝鮮が6回目の核実験を強行してから8日後の同年9月11日、国連安全保障理事会が対北朝鮮決議2375号を発表した直後だ。咸鏡北道豊渓里(プンゲリ)で実施された核実験は、北朝鮮が「大陸間弾道ロケット(ICBM)装着用水素弾試験に成功した」と発表して国際社会に衝撃を与えた時期だ。中国も、同様のショックを受けて、この内部文書が作成されたのであろう。

 

(3)「弁公庁の文書には、北朝鮮の核実験に対する中国指導部の不快感が表れている。「最近、朝鮮の執権統治者は我々との十分な協議過程なく核実験のためにまた独断的な行為をし、国際共同体に莫大な否定的影響を及ぼした」と指摘している点がそうだ。また文書は、米国が北朝鮮を相手に戦争に入ればアジア太平洋地域などに途方もない影響と衝撃を与えるとし、「日本と韓国の首都ソウルの安保はさらに厳しくなるだろう」と強調した弁公庁は「北朝鮮の反復的な核実験は、中国に対する強力な国際的圧力につながっていて、これ以上は耐えがたいほど深刻になっている」と評価した」。

下線部分では、北の核実験が中国自体にもマイアンスになっていることを物語っている。「日本と韓国の首都ソウルの安保はさらに厳しくなるだろう」と強調しているが、これは日韓が核武装するという意味だ。そうなったら、中国の戦略に大きな狂いが生じると危惧している。

 


4)「
北朝鮮の非核化に対する中国の認識も確認できる。文書は「朝鮮は直ちに核兵器を放棄しなくてもかまわず、今後新たな核実験をしないということを行動で見せる場合、中国の(対北朝鮮)支援は直ちに増強することを担保する」と明らかにした。また「朝鮮が制裁から抜け出した数年後から条件が熟す場合、順に改革を実施し、最終的に朝鮮半島の非核化要求を実現することを(中国は)要求している」と、北京側の北核解決ロードマップを整理している」

 

中国は、北朝鮮が新たな核実験を行なわなければ、数年後から非核化することを認めるとしている。最終的に「朝鮮半島の非核化を実現する」という。米軍の核持ち込みを認めないという意味だ。


(5)「2年ほど前に作成された中国共産党の内部の文書が注目されるのは、最近の金正恩委員長の動きのためだ。全員会議の報告で金委員長は米朝対話に対する失望感を表し、「衝撃的な実際の行動に出る」と脅迫した。また「遠からず共和国が保有することになる新しい戦略武器を目撃することになるはず」とも主張した。しかし、さらなる具体的な挑発の動きは表れていない。年末に「平壌発クリスマスプレゼント」を云々して騒がせたものの不発に終わったのは状況が難しいからだ。新年に入ってからは米国とイランの軍事緊張が高まっている。イラン革命防衛隊のソレイマニ司令官の一行が米軍のドローン攻撃で絶滅する事態を目撃した平壌の権力核心部の衝撃はかなり大きいはずだ」

 

金正恩の衝撃的行動発言の後、まだ何も起こっていない裏に、前記の「内部文書」が重石となっている可能性が考えられる。

 


(6)「弁公庁の文書に書かれている対北朝鮮措置は、隠密に中朝間で履行されたり平壌側に渡された可能性が高い。対北朝鮮制裁にもかかわらず忍耐モードに入った金正恩委員長の背後には中国の贈り物が置かれているとみられる。北朝鮮が核を持って持ちこたえる場合に言及して「朝鮮の幹部とその家族に対する処罰のための過酷な特別措置を一方的に施行する」と警告する中国弁公庁の文書の最後の部分が苦い後味を残す」


暴力団同様に、「仁義に反したら」と言って相手に約束を守らせる不気味さが感じられる。「朝鮮の幹部とその家族に対する処罰のための過酷な特別措置を一方的に施行する」と迫っている。要するに、生命を保証しないという凄みが感じられる。これが共産主義=専制主義の恐ろしさであろう。