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けさ、下記の目次で発行しました。よろしくお願い申し上げます。

 

南北統一バカの一つ覚え

北の瀬戸際作戦なぜ失敗

核放棄を迫る中国の理由

中国の危機は日韓核武装

 

 

韓国は、今年4月に総選挙を迎える。経済状況悪化の中で、与党「共に民主党」が勝利を収めるには、きわめて不利な状況に置かれている。唯一の突破口は、南北交流事業を軌道に乗せられるかどうかだ。韓国では、南北問題が年配者にとって党派を超えたテーマになっている。それだけに、南北の話合いが再開できる機運が出れば、文政権にとって朗報であろう。

 

文政権は、南北交流事業再開が「命」である。肝心の北朝鮮は、韓国無視に出ている。米朝関係を再開するきっかけを作ったのは韓国だ。北朝鮮は、その韓国と昨年2月のベトナム・ハノイの米朝会談失敗後に、批判トーンを高めている。理由は、韓国が楽観的な情報を北朝鮮に流して「裏切られた」という思いを強くしたもの。北朝鮮は韓国を仲介せず、米朝の直接交渉に転換したのであろう。

 

韓国は、どうやって「南北交流事業」を軌道に乗せようとするのか。北朝鮮が、経済制裁下で経済的に逼迫している以上、少しでも「現金収入」になる道を模索している。南北による共同観光開発プランは、その中に入っている。これは、経済制裁に反するものである。米国は、北朝鮮へ制裁緩和という誤ったシグナルを与えると懸念し強く反対している。

 

米韓同盟にとって最大の問題は、韓国による南北事業が経済制裁に風穴を開けるのでないかという点である。米国は強い警戒姿勢を取っているが、韓国は4月の総選挙を前に「どさくさ紛れに」南北交流事業を始める可能性を示唆している。大統領府の文正仁(ムン・ジョンイン)特別補佐官が、1月に入って米国でのシンポジュームで発言したもの。総選挙情勢いかんでは、「一発逆転」を狙った行動に出るのでないか。

 


南北統一バカの一つ覚え

文政権が、同盟国である米国との関係悪化を覚悟してまで、南北交流事業に賭けている理由は、将来の南北統一という「民族悲願」達成を目指しているからだ。むろん、文政権に残された任期はあと2年半を切っている。最後の1年は、次期大統領選で文政権はレームダック化する。そうなると実質的な任期は1年強しかない。この間に、南北接近など物理的にも不可能な局面である。

 

こうなると、次期政権に託さざるを得なくなる。だが、進歩派政権が続く保証はない。文政権はそれだけに焦っている。参政権は、今年4月から18歳に引下げられる。この若者層を狙って、高校歴史教科書を大幅に書き換えさせた。文政権に有利な記述を増やし、保守派に不利益をもたらす狙いだ。韓国経済の光の部分である「漢江の奇跡」に当てるページを減らした。また、北朝鮮に対しては人権問題などの厳しい記述を緩和させ、「南北統一準備」教科書に変えさせている。

 

文政権は、韓国の国民生活向上よりも南北交流事業に熱を入れているほどである。だが、南北交流事業による経済効果は、韓国にとって微々たるもの。政治的な効果が大きく、話題性を呼ぶ程度のことに過ぎないのだ。文大統領は、「民族和解」への第一歩として大きな期待を寄せている。

 

文在寅氏は、少年の心のような純粋さで「南北統一」を夢見ている。だが、南北に分離してすでに75年が経とうとしている。この間、南北朝鮮の政治情勢は大きく変化した。東西ドイツの統合と根本的に背景が異なるのだ。その背景を説明したい。

 

(1)北朝鮮が「金一族」によって専制的に統治されていること。

(2)北朝鮮が中国の衛星国になりつつあること。

 


この2つの事実は、旧東西ドイツとは全く異なる。東ドイツは、「金ファミリー」のような統治体制でなかった。また、ソ連が崩壊して東ドイツを統治する経済力を失ったのである。この2つの僥倖が重なって、東西ドイツは西ドイツを核に統合できたのだ。

 

南北朝鮮の置かれている政治・外交的な環境は、東西ドイツと180度異なる。はっきりいえば、米中の覇権争いも加わって、北朝鮮は中国の衛星国の地位になりつつある。こうして、米中が和解する時代の到来と「金一族支配終焉」がなければ、東西ドイツ型の統合は不可能である。文在寅氏は、この現実から目を逸らし、不可能である南北統一の夢を売っている「政治屋」に過ぎない。

 

北の瀬戸際作戦なぜ失敗

以上の記述によって、南北朝鮮統一が現状の世界情勢下では不可能であることを指摘してきた。問題は、北朝鮮が核保有を続けるのか。また、米朝交渉によって核放棄するのか。こういう核心的なテーマに焦点を合わせなければならない。