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英紙『フィナンシャル・タイムズ』(FT)は13日、日産自動車が仏自動車大手ルノーとの企業連合解消を想定した緊急対策を準備していると伝えた。

 

FTが複数の関係筋の話として報じたところでは、技術・生産部門の完全な分離や日産取締役会の変更などが検討されている。日産前会長のカルロス・ゴーン被告が日本からレバノンに逃亡した昨年末以降、こうした検討が加速しているという。

 

『ブルームバーグ』(1月13日付)は、「日産幹部、ルノーとのアライアンス解消の可能性を検討-関係者」と題する記事を掲載した。

 

(1)「日産自動車の複数幹部は、会長だったカルロス・ゴーン被告の解任後、仏自動車ルノーとの関係が機能不全に陥ったとの懸念を背景にルノーとのアライアンス解消の可能性を精査している。事情に詳しい関係者1人が明らかにした。日産は、昨年からアライアンスを維持するメリットとデメリットを検討しており、特にエンジニアリングや技術の共有が焦点となっていた。アライアンス解消を検討したのはゴーン被告の日本逃亡前であり、予備的な作業だったことから正式決定はまだ下されていないという

 

ルノー・日産アライアンス解消の報道は、FTが先鞭をきりロイターやブルームバーグが後追いしている。

 

日産は、ルノーに対してエンジニアリングや技術面で、「技術の日産」と言われてきたように強いプライドを持っている。技術レベルの低いルノーが、その日産に対して「占領軍」のように振る舞い、反発を受けてきた。この問題は、以前からくすぶっており、ゴーン逃亡で不満が一挙に噴出している可能性もあろう。

 

(2)「ルノーが日産の筆頭株主であり、2社の関係修復を強く求めていることを考えるとアライアンス解消がどれほど現実的かは不透明だ。エバコアISIのアナリスト、アーント・エリングホルスト氏は13日のリポートで、日産とルノーの関係は「壊れており、修復できる段階ではないだろう」と指摘した。日産に13日にコメントを求めたが返答は得られなかった。ルノーはコメントを控えた」

 

現実に、両社が袂を分かつのかどうかは不明である。ただ、修復不可能なほどの溝も生まれているようだ。ゴーン被告が、逃亡先で洗いざらい日産批判をした以上、日産側にはメンツにかけてもアライアンスをご破算にしたいという怒りがあるのかも知れない。

 

(3)「英紙『フィナンシャル・タイムズ』(FT)が、これより先に報じたところによると、日産幹部はゴーン被告による日本からの逃亡後、ルノーとの分離の可能性に備えて緊急時対応計画を強化している。ルノー・日産アライアンスの取締役会は1月30日に会合を持つ予定で、共同プロジェクトに関する発表につながる可能性もあると、事情に詳しい別の関係者が明らかにした」

 

「緊急時対応計画」とは、カルロス・ゴーン被告による日本からの逃亡後、ルノーとの分離の可能性に備えた対応策を練っているものだ。英紙『フィナンシャル・タイムズ』が関係者の発言を引用して報じた。同紙によると、分離に向けた予備的協議には技術・生産部門の完全分離や日産取締役会の変更が含まれる。ルノーのジャンドミニク・スナール会長は今後数週間でアライアンスを巡る複数の共同プロジェクトを発表する予定だが、ゴーン被告の後任として会長に昨年就任後、日産とパートナーシップが続くか疑念を抱いたとFTは報道した。

 

(4)「日産経営陣に近い関係者1人によれば、内田誠最高経営責任者(CEO)はスナール氏と新プロジェクトを巡り緊密に連携しているが、ゴーン会長時代でも一部のエンジニアは技術・生産分野の統合に向けた取り組みに満足していなかったと日産に近い複数の関係者が話したという。ルノー、日産両社がこうした関係を完全解消する場合は新たなパートナーを探すことになりそうだとFTは報じた」

 

このパラグラフでも、日産側の技術問題に関するルノーへの不満が取り上げられている。ただ、両社が分離した場合、単独で生き残ることは難しく、別途、新たなパートナー探しが必要になろうという。となれば、不満だけ解消してアライアンスを維持するという修復策もあり得よう。世界の自動車業界は、次世代カーのEV(電気自動車)を巡り、大編成が見込まれている。そういう背景を考えれば、怒りの余りに新たな行動を起こすリスクを考える必要もあろう。