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韓国文大統領は14日、年頭の記者会見を行なった。任期4年目を迎えたが、厳しい経済の現実に対する認識が欠けている一方、前法相のチョ・グク氏を庇い、捜査した検察長官を批判するというアンバランスな態度を見せた。文氏の謳い文句である「三権分立」の原則を自ら壊している愚に気付かないのだ。

 

『朝鮮日報』(1月15日付)は、「尹錫悦検察総長には『超法規的』、チョ・グク前法相には『心の借金』=文大統領新年会見」と題する記事を掲載した。

 

文在寅(ムン・ジェイン)大統領は14日、青瓦台で新年記者会見を開き、チョ・グク前法務部長官について、「これまで経験した苦しみだけでも、自分はとても大きな心の借金を背負ったと考えている」と述べた。

 

(1)「文大統領は、「(チョ前長官は)高位公職者犯罪捜査処法と検察改革に大きく寄与した」とし、「その有罪、無罪は裁判を通じて明らかになる」と指摘した。チョ前長官の任命以降に巻き起こった政治的、社会的な混乱と分裂については、「とても申し訳なく思う」としながらも、「もう国民もチョ前長官を自由にしてほしい」と呼び掛けた」

 

チュ・グク氏は、在宅起訴された身である。その被疑者について庇う発言は、裁判への干渉を意味する。文大統領が、裁判所に対して「無罪」にするよう圧力を掛けているのに等しいのだ。徴用工賠償問題でも同じ手を使った。18年10月の大法院判決を前に、文氏は8月に「徴用工賠償は人権問題である」と発言している。大法院へ圧力を掛けていた。

 

韓国社会は、「忖度社会」である。大統領という最高権力者の発言が、司法の場にも及んでいる。文氏は、この帝王的な大統領制を変えようという気持ちはない。憲法改正に取り組む意向を見せないのだ。次期政権も「進歩派」に引き継がせ、保守派「撲滅」を狙う陰謀を張巡らしているのだ。

 


(2)「チョ前長官は釜山市の柳在洙(ユ・ジェス)元副市長に対する監察中断や子女の入試不正疑惑などで起訴され、裁判を控えている。裁判所は「逃走の恐れがない」とし、逮捕状請求を棄却したが、「罪状が悪質で、法治主義を後退させた」と指摘している。ところが、大統領は犯罪容疑で捜査を受けているチョ前長官について、「苦しみ」という表現を使い、かばうような発言に及んだ。野党は「青瓦台はチョ前長官の捜査当時から検察を批判してきたが、今度は裁判にまで影響力を行使しようとしているのではないか」と批判した」

 

チョ・グク氏は、汚職捜査を中断させた疑惑で逮捕状が出た身である。逮捕状は棄却されたものの、裁判所は「罪状が悪質」と断定した。文大統領は、こういう事実に対して目を瞑りチョ氏を庇っている。言語道断の発言である。

 

(3)「文大統領は違法性論議がある検察人事について、反発した尹検察総長に対し、「超法規的」という表現まで使って強く批判した。最近政権による不正問題を捜査してきた検察幹部を一斉に交代させ、捜査チームを事実上解体させたことについては、「法務部長官と大統領の人事権は尊重されるべきだ」と批判を突っぱねた。

 

尹検察総長は、文大統領が指名した人事である。その尹氏が、チョ氏の汚職もみ消し疑惑を捜査すると批判する。これほど「ご都合主義」な発言があるだろうか。文氏は、検察が野党を捜査すれば、「任務に忠実」と褒め立てたはずだ。だが、捜査の刃が自分の陣営に向けられると批判する。呆れるほど、党派性にみちた発言である。

 


(4)「文大統領は、「検察の捜査権が節制できていないとか、被疑事実の公表で世論操作を行う超法規的な権力と権限が行使されていると国民が感じているため、検察改革が求められている」と主張した。尹検察総長を信頼しているかとの質問には、「尹総長が検察の組織文化改善に率先して取り組むならば、信頼されるだろう」と答えた。文大統領は「(検察が)特定の事件について選択的に熱心に捜査を行い、別の事件はまともに捜査しないとすれば、国民から捜査の公正性に関する信頼を失う」とも指摘した」

 

このパラグラフに見られる文大統領発言は、日本の首相であれば絶対に言わないような「越権発言」である。改めて、韓国政治の前近代性を指摘せざるを得ない。こういう古い認識を自覚せずに、「反日行為」を行なっている。遠い過去から、現在の日本に石を投げ込んでいるようなものであろう。