a0960_006642_m

米国がこれまで、イランへの軍事攻撃を躊躇してきたのは、イランによる本格的な反撃の恐れからだと指摘されている。ところが、トランプ大統領は最小の被害で、最大の効果を狙って「ピンポイント作戦」を敢行した。歴代米国大統領が出来なかったことをやったことに軍事専門家は驚きの声を上げている。中には、絶対にイラン報復があるという指摘もあるほど。

 

現状では、その動きはなさそうだ。イラン革命防衛隊による旅客機誤射による墜落事故で、国民のイラク政府批判が高まるという思わぬ方向へ事態が動いているからだ。こうなると、米国の「ピンポイント作戦」は将来、再び行なわれることはあるのか。中国が、いち早く最高指導部7人と王岐山国家副主席で秘密会議を開いたという。

 

『大紀元』(1月15日付)は、「米のソレイマニ司令官殺害、中国最高指導部に衝撃か、警護体制を強化との報道」と題する記事を掲載した。

 

米軍によるイラン革命防衛隊コッズ部隊のカセム・ソレイマニ司令官の殺害について、中国のネットユーザーから支持の声が上がった。この出来事は中国最高指導部に衝撃を与え、直ちに護衛体制を強化したとフランス国営ラジオRFIが報じた。

 

(1)「ネットユーザーの多くは、米政府のソレイマニ司令官に対する「斬首行動」は、ピンポインドで正確に特定の人物を狙えるため、「一般人が犠牲になる大規模な戦争が避けられた」と歓迎した。一部のネットユーザーは、米政府の今回の殺害行動について、「指導者を先に(あの世に)行かせるモデル」と命名し、「世界の人々の幸せのために、これからも全体主義国家の独裁者を『先に行かせる』べきだ」とのコメントを書き込んだ。ネットユーザーが中国版ツイッター「微博」に掲載した分析記事では、人工知能(AI)の時代を迎えた今、米軍は今後ビッグデータ、先進的な通信技術、無人機を駆使し、敵対勢力の指揮官だけを殺害する戦略を取る可能性が高いとの見解を示した」

 

中国のネットユーザーは、今回の事件を歓迎しているという。独裁者が戦争を始める前に、米軍がピンポイントで戦争指揮官を排除してくれれば、戦争を未然に防ぎ、それだけ犠牲者が減るという理屈だ。

 

(2)「また、「ソレイマニ司令官殺害は暗殺か」と題する別の記事は米政府の殺害計画に理解を示した。記事では、ソレイマニ氏と指揮下のコッズ部隊はこれまで、イラク駐留米軍の兵士約600人を殺害したことを挙げた。また、2007年、国連がソレイマニ司令官を制裁対象リストに追加したことにも言及した。中国のネット検閲当局は記事と読者コメントを削除した」

 

ソレイマニ氏と指揮下のコッズ部隊はこれまで、イラク駐留米軍の兵士約600人を殺害したことを上げた。これは、米国が「ピンポイント作戦」の正当性を主張する理由ともなっている。米国は、大軍を率いて攻撃すれば、味方にも大きな被害を出す。そういう戦争を考えれば、「ピンポイント作戦」の意義もあろう。

 

(3)「ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RFI)中国語版は10日、ソレイマニ司令官の殺害で、中国最高指導部に衝撃が走ったと報道した。報道によると、ソレイマニ司令官の死を受け、北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長とロシアのプーチン大統領は「非常に驚いた」が、中国当局の情報筋は「中国の指導者も例外ではない」と話した。今回の出来事はイラン現政権を支援する中国当局に「警鐘を鳴らした」という。RFIによれば、中国共産党中央政治局の常務委員7人と王岐山・国家副主席は、米政府の発表直後に顧問や分析官などを集め、緊急に秘密会議を開いた。同報道は情報筋の話として、中国指導者らが米政府に暗殺される「可能性はゼロに近い」が、指導者らは「標的暗殺」を防ぐために、「過去最高レベル」の警護体制を整えたとした」

 

米国が、今回の「ピンポイント作戦」を行なうには、国際法という大きな壁がある。それを、クリアできない場合は、世界的な批判を浴びるだろう。北朝鮮の金正恩氏はどうか。いずれは、そういう作戦の対象者になりうる条件を揃えていることは疑いない。人民弾圧のほか、核開発で周辺国を翻弄している「罪」は計り知れないからだ。

 

中国最高指導部が、秘密会議を開いたということは興味深い。新疆ウイグル自治区で100万人を強制収容して、人権弾圧を行なっている国家だ。人権弾圧の命令を出している者は、それなりの責任を負うべきである。