a0960_008407_m
   

韓国の文国会議長は昨年12月13日、与野党・無所属の議員13人と連名で徴用工賠償の法案を提出した。今年4月15日が総選挙であるので、それまでに法案は成立するのか。法案上程後の動きは分からなかったが、その一部が判明した。

 

この法案が上程された後、日韓の弁護士は日韓共同委員会を設置する案を提出した。これについて、菅官房長官は「関心がない」と断った。理由は、日本側はすでに日韓基本条約で解決済みという原則を堅持しているためだ。一方、韓国文大統領は乗り気である。被害者の同意が得られるという視点によるもの。

 

文国会議長案も被害者の同意を得ている。こうなると、日韓弁護士の共同委員会案は、文国会議長案とそれほどの違いもなさそう。弁護士案では、日本政府の参加を前提にしているので、これを持ち出せば日本側が乗るはずがないのだ。

 

『中央日報』(1月18日付)は、「平昌五輪に安倍首相が行ったので東京五輪には文大統領に来てほしい」と題する記事を掲載した。

 

(1)「河村建夫日韓議員連盟幹事長は16日、「文在寅(ムン・ジェイン)大統領が今夏の東京五輪に出席すれば、両国関係改善のきっかけになるかもしれない。特に五輪・パラリンピックを一つの出発点として首脳会談を開き、交流・協力問題を話し合うのが望ましい」と述べた。同日、ソウルを訪問して本紙とのインタビューに応じた河村幹事長は「日本側からは(2018年の)平昌冬季五輪に安倍晋三首相が出席しただけに、当然、今回は文在寅大統領が出席してくれることを期待している」と語った」

 

日韓交流を再開させるには、文大統領が東京五輪開会式へ出席することである。安倍首相も平昌五輪開会式に出席している。そういう交流が重なって、初めて外交は軌道に乗るものである。

 


(2)「河村幹事長は文喜相(ムン・ヒサン)国会議長や李洛淵(イ・ナクヨン)前首相などに頻繁に会い、両国関係の改善策を話し合ってきた。文喜相議長が昨年11月、韓日企業と両国国民の寄付で財団を作り、徴用被害者に慰謝料を支給するという案を出すと、これを積極的に支持した。文喜相議長はこれを基に、先月「記憶・和解・未来財団」の設立に関する法案を発議した」

 

文国会議長案は、水面下で日本側と意思疎通している。安倍首相も了解済みとも言われている、河村氏を通じて詳細を把握している。

 

(3)「河村幹事長は、「文喜相議長に会って関連法案の進捗状況や苦情を聞くために来た。韓国の総選挙が目前なのでそれに対する気がかりもあるが、文喜相議長は非常に努力している」と述べた。この日、文喜相議長と非公開で面談した河村幹事長は「徴用被害者を支援する人々や団体の90%くらいから(法案の)賛成を得た。残りの10%の賛成も得るために説得していこうとしていると聞いた」と語った。また、「日本企業の資産が売却されれば、両国関係を元に戻すのが難しいので、急いで解決しようと努力している」と言った」。

 

文議長は、徴用被害者を支援する人々や団体の90%くらいから(法案の)賛成を得た。残りの10%の賛成を得られるように説得を始める、という。大詰めを迎えているようだ。

 

(4)「河村幹事長は、「徴用賠償問題は1965年の請求権協定で解決したというのが日本政府の基本的な立場だ。日本も過去のことを忘れてはならないと考えるが、徴用問題でも未来志向的な韓国政府の姿勢が必要だ」「文喜相案が国会を通過し、そうした対話が行われれば、安倍首相も両国関係を戻すのに何の問題もないだろう」「ホワイトリスト問題(輸出規制問題)はかなり協議が進んでおり、協議がなされれば復元はそう難しくない」とも語った。さらに、「文喜相案が国会を通過するなら、日本企業や国民も(基金を)出すと思う」「例えばユニクロなど、両国間貿易で利益を得ていた企業は多いが、そうした企業は出すだろう」と言った。

 

河村氏は、文議長案が成立すれば日本が「ホワイト国除外」を撤回する、バーター取引が難しくないと見ているようだ。

 

(5)「つまり、「ユニクロ側に(基金を出すか)聞いてはいないが、韓国でたくさん売り上げたので両国関係が早く良くなることを願っているだろう」ということだ。ただし、同幹事長は「(大法院判決の)対象となる企業は払うのが難しいと思う」「株主総会や株主から『払わなくてもいい金をなぜ払うのか』と訴訟を起こされる可能性がある」と説明した。新日本製鉄=現:日本製鉄=や三菱重工業などの訴訟当事者は基金を出すのは困難だという意味で、被害者らが望む直接的な賠償はかなわないという問題点がある」

 

文議長案は、日韓の民間が寄付金を出すという構想である。問題は、徴用工問題に絡んだ企業が寄付金を出すと、株主総会や株主から「払わなくてもいい金をなぜ払うのか」と訴訟を起こされる可能性があるという。そのリスクを考えると、現在、韓国とビジネスを行なっている企業が中心になって寄付金を出すシステムになりそうだ。