113
   

世界の環境破壊で、最大の原因をつくってきたのは中国である。GDP成長率をかさ上げするため、環境保護を怠ってきたからだ。環境破壊コストをGDPから差し引くと、年間経済成長率は2~3%という試算まであるほど。この環境破壊の主である中国が昨年、日本を襲った異常気象に基づく災害多発を批判する論文を発表した。

 

『レコードチャイナ』(2019年10月19日付)は、「日本の長所と短所を客観的に見よう中国人研究者」と題する記事を掲載した。

 

中国メディア『環球時報』(19年10月17日付)は、日本の長所と短所を客観的に理解するために中国人が持つべき心構えについて論じた文章を掲載した。筆者は黒竜江省社会科学院東北アジア研究所所長の笪志剛(ダー・ジーガン)氏である。

 

(1)「日本では台風や地震、津波、火山の爆発といった自然災害がしばしば起こっており、日本はそれらが引き起こす多くの困難を克服しなければならない状況にある。戦後の日本を襲った東日本大震災などの大災害は日本に忘れられない教訓を残したが、日本は伝え広めていくべき防災や減災、復興のプロセスを経験した。今回の台風19号で政府は民間と連携したものの、あれこれと思い通りにいかない部分もあった。しかし、今回の台風が60年に1度の規模とされたことを加味すれば、日本政府や社会、企業の対応にも取るべきところがあったと言えるだろう」とした」

日本は、昔から自然災害が多発してきた国である。だが、昨年の台風19号に伴う災害は、地球温暖化に伴い発生するだろうと予測されてきた通りの結果になった。となれば、今後の台風による災害は、昨年並になることが十分に想像される。

 


地球温暖化は、二酸化炭素(CO2)の発生が原因である。世界の国別排出量では、中国が最大である。

 

次に、各国別の排出比率(%:2016年)を見ておこう。

    国別排出量  1人当り排出量

中国  28.0     6.

米国  15.0    14.

インド  6.4     1.

ロシア  4.5    10.

日本   3.5     9.

ドイツ  2.3     8.

韓国   1.8    11.

(資料:EDMC「エネルギー・経済統計要覧」2019年版)

 

CO2の排出総量では、中国が28%と世界の3割を占めている。中国は、長いこと地球温暖化の責任が先進国にあるとして、自らはCO2排出抑制に非協力であった。それが、ここ数年、大気汚染の激化とともに排出抑制に協力するようになった。

 

中国での日本旅行勧誘文には、「日本へ行って肺をきれいにしよう」というキャッチ・コピーがあるという。中国の訪日観光客が増加の一途を辿っている背景には、大気汚染「回避目的」という理由もあるのだろう。

 

日本が、1人当り排出量で9%を占めているのは、原発操業が大幅に制限されている事情もあろう。それでも、あのCO2排出に厳しいドイツの8.9%とほぼ同格であるのは、それなりの評価を受けてもよい。日本では、水素発電がテストプラントで行なわれている。これが、操業体制に入れば、CO2排出を激減可能だ。それまでが「辛抱」の時期である。

 

日本の異常気象問題は差し迫っているが、もっと深刻な問題を抱えているのは中国である。中国の中枢部である華北平原(北京を含む)は、熱波で2070年以降、居住不可能地帯になるという予測が出ている。

 


『ニューズウィーク』(2018年8月2日付)は、「中国・華北平原は2070年以降、熱波で居住できなくなるとの研究結果」と題する記事を掲載した。

 

2018年7月以降、日本のみならず、東アジア・欧州・北米などでも、記録的な猛暑が続いているが、近い将来、非常に高い温度と湿度によって、人類が居住できなくなる地域が増える可能性を示す研究結果が明らかとなった。

 

米マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究チームは、2018年7月31日、科学オンラインジャーナル「ネイチャー・コミュニケーションズ」において、「中国の華北高原が、気候変動と集中灌漑によって、生命に危険を及ぼすほどの猛暑に脅かされている」との研究論文を公開した。

 

「この研究チームでは、2015年10月に、カタールのドーハ、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ、ドバイなど、ペルシャ湾岸地域で2050年以降に厳しい猛暑が襲う可能性を指摘しているほか、2017年8月には、インドやパキスタン、バングラデシュといった南アジア地域でも数十年以内に厳しい猛暑が始まるとの予測を示していた

 

「しかしながら、華北平原で予測されている猛暑は、ペルシャ湾岸や南アジアよりもリスクが高い。北緯34度から41度までの約40万平方キロメートルに広がる華北平原は、中国最大の沖積平野で、人口およそ4億人を擁する人口密度の高い地域であるとともに、灌漑農業が盛んなエリアでもある。とりわけ、集中灌漑は、温度と湿度を上昇させ、より厳しい熱波をもたらすことがあるという。高いものだと警告している

 

「研究チームでは、高解像度のマサチューセッツ工科大学地域気候モデル(MRCM)を使ったシミュレーションによって、気候変動が灌漑という人為的影響にさらなる作用をもたらし、華北高原における猛暑のリスクを高めるのかを予測したところ、温室効果ガスの排出量が大幅に削減されないかぎり、2070年から2100年までの間に、湿球温度(気温と湿度を複合)35度以上の猛暑に見舞われる可能性があることがわかった。「湿球温度が摂氏35度(華氏95度)に達すると、健康な人間でさえ屋外で6時間以上生存することは困難」とされている」

 

下線部分は、中国の中枢部が夏の高熱によって屋外で6時間以上生存できないという過酷炎熱地獄と化す。世界覇権どころの話でなく、中国そのものが存在できるかどうかという根本的な問題を抱える。まさに、「中華帝国滅亡」の時期になろう。環境破壊をし尽くした報いが、中国を襲うと見て良かろう。