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巧みな弁舌を武器にして、大統領へ上り詰めた文在寅(ムン・ジェイン)氏が、韓国の大学教授から批判を浴びている。その政策運営姿勢が、全体主義的であることだ。ナチスの「敵・味方分断論」という陣営論に立っていると指摘されている。文政権支持基盤の利益は徹底的に擁護するが、国民全体の利益増進にソッポを向いている現実が、韓国国内の対立を深め、経済を泥沼に追い込んでいる。

 

『中央日報』(1月22日付)は、「韓国教授6094人の時局宣言 彼らはなぜ青瓦台に向かって行進したか」と題するコラムを掲載した。筆者は、イ・ホソン/国民大学法大教授・「社会の正義を望む全国教授会」共同代表である。

 

「社会の正義を望む全国教授会」(教授会)に所属する6094人の韓国の大学教授が今月15日、第2次時局宣言を発表した。チョ・グク前法務部長官事態を目にして、非常識と破廉恥、反知性に憤怒したためだ。

(1)「教授らはソウルプレスセンターで時局宣言文を発表して、続けて青瓦台(チョンワデ、大統領府)前まで行進した。彼らは文在寅政権の偽善と偽り、暴走の危険性を警告して国政の大転換を促した。昨年に続いてこのように多くの教授たちを集結させた最大の動因は、何よりも自由憲政秩序の破壊という危機感と、これに対する国民的覚醒が必要だという切迫した気持ちのためだ。教授らがこのような判断を下すに至ったのは、一言で政権の「偽り」形態のためだ」

 

文政権は、進歩派の政権を今後20年間継続させて、韓国社会を「社会主義」に変えさせ、北朝鮮と統一するという「空想」を描いている。そのためには、進歩派の支持基盤を強化して、反対派を排除できる体制を作らなければならない。検察改革と選挙法改正を実現させたのは、途中で「邪魔」が入らないようにする重要な「制度設計」であろう。

 

韓国の大学教授6000名余が、危機感を募らせているのは当然である。これまでの韓国進歩派の理論的指導者が、自ら文政権の危険性を指摘するまでになっている。その理由は、先に示した「敵・味方論」というナチズムの指導理念と合致している事実によるもの。物腰の柔らかい文大統領が、「まさかそこまで」と思いがちである。だが、現実に行っていることは、「政権20年維持構想」に沿っていることは疑いない。

 

(2)「今まで共同体の存続と発展という一つの目標の下で、方法の違いはあれども、民主主義の大原則があった。ところが「同意しないことに対する同意」という基本が無視されるだけでなく、悪用されているという疑問を持つようになった。さまざまな専門がある教授たちは、高位公職者犯罪捜査処(公捜処)、准連動型比例代表制、所得主導成長などこの政権の主要政策を集中的に分析した。その結果、この政策を貫き、それぞれを一つにまとめている巨大なあるものを発見するに至った。それは「偽り」だった

 

進歩派政権は、表面的には「平等・民主・自由」を軽いタッチで発言する。中国の習近平氏でも同じことを言っている。現実には、全くの逆の道を選んでいるのだ。そういう意味で「進歩」「革新」と名乗る政治勢力には、常に胡散臭さがつきまとっている。社会は、進歩派が善で、保守派は悪という単純な図式で測れない複雑さがある。文政権は、下線部分のように、巧妙に大衆を騙す「装置」を考案して法律化した。大学教授6000名余が、研究成果を持ち寄りこういう結論を出したという。

 

(3)「真たる左と右、真たる保守と進歩は、真実の上で競争するものだ。価値観と信念に基づく過去の経験によって、見通しが違うこともあり、方法も違うこともあるが、その解釈の土台は真実でなければならない。しかし残念ながら、文政権と執権与党はすでに捕獲したメディアを通じて、また「盲目」支持層を通じて、真実を隠したりわい曲したり、そして時には「親衛クーデター」のような扇動もはばからなかった。検察の「生きている権力捜査」を無力化した執権勢力の形態は、自分のことは棚に上げて他人を非難する「ネロナムブル(私がすればロマンス、他人がすれば不倫)」をチョ・グク事態にもじった「チョロナムブル」という表現だけでは不足するほど露骨だった」

 

韓国のテレビ局の労使は、すべて文政権寄りとなっている。学校教育では、左派理論を教え込み「親中朝・反日米」を鮮明にしている。高校生の歴史教科書は、「親中朝」を基調にしており、南北統一への「洗脳」を開始しているのだ。こういう事態を見れば、韓国の行く先は、中朝という社会主義への道であろう。国民にそれを明示せず、知らないうちに政治路線の変更をさせる。実に巧妙な戦術を駆使している。韓国の大学教授が抱く危機感はここにある。