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文政権が、大法院(最高裁)を舞台にして「積弊一掃」の派閥争いを繰り広げている。18人もの判事が、裁判所まで進歩派判事で固めるという政府の動きに反発し、大量辞任するというショッキングなニュースが飛び込んできた。

 

文政権は、「無血革命」を狙っているのだろう。検察からは大統領府を捜査する権力を取り上げることに成功した。最高裁は、進歩派判事で埋めて気に入った判決をさせる。こういう独裁体制を固めて、進歩派政権を20年間継続させ、南北統一によって、韓国で社会主義政治を実現させる。神をも恐れぬもの凄い「韓国乗っ取り」を始めた。

 

文政権は、ナチスの全体主義に通じる「敵―味方」論で、相手を徹底的に選別している。この全体主義手法を、大法院まで持ち込んだことは、韓国の民主主義が危機に直面している証拠だ。日本では、裁判官の地位は保証されている。そうでなければ、公正な裁判は期待できない。韓国は、そう言っては失礼だが、宗族意識で「敵-味方」に分類して争っている。近代化が遅れているのだろう。

 


『朝鮮日報』(1月22日付)は、「韓国大法院長官の『積弊清算』でエリート判事18人が辞表提出」と題する記事を掲載した。

 

今月末の裁判所定期人事異動を前に辞表を提出した裁判所行政処および大法院裁判研究官出身の判事たちは少なくとも18人に上ることが21日、分かった。裁判所行政処・大法院裁判研究官は有能だと評価された少数のエリート判事たちが経る職務で、これだけの人数の「エリート判事」たちが一度に辞める事例はまれだ。

 

(1)「昨年初めの定期人事異動で辞表を提出した判事は全体で43人だったが、その40%に相当する。裁判所行政処・大法院裁判研究官出身判事の「相次ぐ辞表提出」に、裁判所内部は衝撃を受けている様子だ。ソウル高等裁判所のある部長判事は「裁判所行政処審議官(平判事)や大法院裁判研究官出身判事たちがこれほど多く辞めたことはなかった。裁判所としても、裁判を受ける国民としても大きな損害だ」と語った」

 

昨年1月の人事異動で43人が辞表を提出。今年1月には少なくとも18人が辞表を提出したという。合計61人だ。韓国司法の「宝」であろう。そういう人材を追出すようなことをしてはいけない。行政が司法に手を延ばしてきた訳で、文氏のいう「三権分立原則」は空洞化している。

 

(3)「本紙取材の結果、今回の裁判所定期人事異動前に辞表を提出した裁判所所長は2人で、高裁部長は3人だった。この5人はすべて行政処や大法院裁判研究官出身だ。これらのうち、ハン・スン全州地方裁判所所長は梁承泰(ヤン・スンテ)前大法院長官時代、裁判所行政処の要職にあった。また、キム・ギジョン・ソウル西部地方裁判所所長は大法院裁判研究官を務めた。あとの高裁部長3人も行政処企画調整審議官などを務めた。残り13人は裁判所の「腰」や「中枢」に当たる地方裁判所の部長判事クラスだ。13人のうち9人は梁承泰前大法院長官時代に裁判所行政処で勤務していた。あとの4人は大法院で租税分野などを担当した判事だ。ある裁判所所長は「裁判所を担う柱が全部抜けていくだろう」と言った。また、ある高裁部長判事は「将来の大法官にふさわしい人材と言うべき後輩たちなのに…」と語った」

 

梁承泰(ヤン・スンテ)前大法院長官は、朴槿惠(パク・クネ)政権の意向を受入れたとして文政権に追放された。今回は、金命洙大法院長官が文政権の「積弊一掃」の派閥争いを持ち込んでいる。やっていることは、前大法院長官と同じである。その矛楯に気付かないところが「幼稚」に見えておかしいのだ。

 


(3)「裁判所内部では、金命洙大法院長官が就任後に本格化した「司法積弊(前政権の弊害)」清算の動きが今回の相次ぐ辞表提出の主な原因だという指摘がある。行政処で中核となる職務を務めた経験があり、今回辞表を提出したある中堅判事は「そのままとどまっていても『積弊判事』と後ろ指をさされるだけだ。とどまる理由がない。これまで耐えてきたのは『自分が間違っていたから辞めた』と認める形になるのではと思ったからだ」と説明した」

 

裁判所に派閥争いを持ち込んだ文大統領の罪は重い。大統領になれば、何でも好き勝手ができると錯覚しているのだろう。次期政権が保守党になれば、こういう不条理な選別をさせた「文在寅」をぜひ法廷に立たせなければならない。二度とこういう事態を招いてはならないからだ。

 

(4)「金命洙大法院長官とその下にいる「進歩系判事」たちは梁承泰時代の大法院の司法行政権乱用や「裁判取引」疑惑について3回にわたり裁判所の独自調査や検察捜査を推し進め、この過程で100人前後の行政処・大法院研究官出身判事が検察の捜査を受けた」

 

金命洙大法院長官も法廷に立たせる必要がある。最高裁長官が、大統領の要請で「積弊一掃の派閥争い」に加担するとは言語道断である。嘆かわし最高裁長官である。