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モノの輸出は重要だが、それに劣らず文化の輸出も重要である。日本発の「マンガ」と「アニメ」が世界へと飛び出して、「文化輸出」の先兵になった。現在では、「クールジャパン」と総称されて、通商産業省に担当部署(2010年)と担当大臣(2012年)を置くほどになっている。

 

「クールジャパン」という言葉の意味は案外、正しく理解されていないようだ。「クール」とは、「格好が良い、いかす」という意味である。「醒めたとか、冷静」という意味ではない。「格好が良い、いかす」という意味にとれば、外国人の視点が第一にくる。外国人が見て「面白そうなモノ」が世界に通用する基準であろう。マンガとアニメが、まさにこの基準に適合した。

 

「マンガ」と「アニメ」だけでなく、次々と新しい「格好が良い、いかす」モノを送り出さなければ後が続かない。その発掘の目は、海外へ飛び出した日本人が、外から見た基準で選び出す、あるいは作り出すならば、「クールジャパン」になると指摘されている。外国人が見つけ出してくれる。それをじっと待っているのでなく、日本人が海外目線で売り出すことが必要である。

 

クールジャパンとは、日本政府によれば「外国人がクールととらえる日本の魅力」であり具体的には次のような内容だ。

    情報発信(日本ブーム創出)

    海外展開(海外で稼ぐ)→輸出

     インバウンド振興(国内で稼ぐ)→観光客誘致

これら3つが有機的に連携できれば、日本の認知度が上がり、文化輸出のほかに外国人観光客が増える効果が期待できる。現在の日本で、外国人観光客のリピーターが増えている理由は、前記の3点が有機的に結びついている結果だろう。

 

『人民網』(1月23日付)は、「クールジャパンがアニメや関連グッズの海外進出を促進」と題する記事を掲載した。

 

日本の文化クリエーティブグッズが日本の人々の生活のあらゆる面にまで浸透しているのは、日本政府が産業発展の方向性を主導するのと同時に、国民の文化的意識がうまく作用している結果で、日本は「政府主導、国民参加」型の長期にわたる模索と、イノベーションの発展のプロセスを経験してきた。文匯報が伝えた。

(1)「日本の文化クリエーティブ産業の法律・法規は、主に、「文化コンテンツの監督管理とコントロール」、「著作権」、「文化振興」の3つの分野に及んでいる。日本民族の文化に関する自律意識が文化クリエーティブ産業の発展の基盤となっている。業界では、生産者に対して、関連グッズを開発する過程で、オリジナル、ハイクオリティーの文化クリエーティブグッズを作ることが自律的に求められている。それらが、業界の発展の良い循環を生んでいる」

なぜ、中国が「クールジャパン」に関心を持っているのか。それは、モノの輸出に限界を感じ始めたからであろう。中国が、「クールジャパン」の具体的促進過程を見倣うとすれば、多くの壁がありそうだ。監視カメラの乱立するところで育つ文化に普遍性がないからだ。

 


(2)「ルールをしっかりと守り伝統を引き継ぎながら、文化クリエーティブグッズの派生市場を構築し、グッズの付加価値を向上させ、漫画、アニメ、ゲームから派生したキャラクターや文具、玩具、ゲーム、衣装などで構成される産業チェーンが形成されている。日本の文化クリエーティブ産業の各部分は、グッズのデザイン、生産、マーケティングまで、統一した計画・管理がある」

 

下線部分は、確かに重要である。日本人特有の几帳面さが、システムをつくって組織的に動き出す。それは、ロボットのような正確さを持っていると評されるものである。マンガやアニメが「産業化」する。その裏には、共通のプラットホームをつくっていく精緻さがあるのだろう。

 

(3)「文化クリエーティブ産業の海外進出を推進するために、日本政府は「クールジャパン」戦略を打ち出し、文化と観光、生産、製造などの業界を融合させる計画を統一して策定し、日本文化の海外輸出を促進している同戦略は日本文化の対外発信を方向性として、文化クリエーティブやアニメ、観光などの融合発展を強調し、政策供給の強化、公共サービスの整備などを通して、世界的に競争力を持つ製品やサービスを育成している」

 

下線部分は、実によく「クールジャパン」戦略を分析している。その通りである。これが、日本の本質的な強味である。諸外国では、ちょっと真似のできない精緻なシステムづくりを行なって、このレールに乗せて行けば、成功率が高まるに違いない。