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武漢のコロナウイルスが、世界中で感染者を増やしている。1100万人の武漢市は、すでに500万人が脱出しているほどだ。残された人々は、じっと災難の去るのを待つほかない。マスクも防護服も不足していると伝えられている。

 

日本の民間からはマスク100万枚が寄付されて、中国の人々が感動している。「困った時はお互い様」とはいうものの、国際社会ではトップを切った「贈り物」になったようだ。

 

『サーチナ』(1月30日付)は、「中国が新型肺炎で困っている時に『我々は日本人の本心を見た』ー中国メディア」と題する記事を掲載した。

 

新型コロナウイルスによる肺炎の拡大で、中国ではマスク不足も深刻化している。そんななか、日本の民間からマスク100万枚が寄付されるなど、日本では中国を支援しようとする様々な取り組みが見られている。中国メディア『捜狐』(1月27日付)は、「中国が困っている時に日本人の本心を見た」と日本の支援に感謝する記事を掲載した。



(1)「新型肺炎の感染は拡大を続けており、感染者は中国国内にとどまらず、すでに世界中に広がりを見せ、日本でも感染者が確認されている。記事は、日本でもマスク姿の人が増え、中国人観光客が買い占めたためにマスクの在庫がなくなった薬局もあるなどの変化が見られると紹介。中国からの発注が、先月の128倍に増加したという工場もあるという」

 

マスクが、ウイルスから身を守ってくれる欠かせない手段だ。訪日中国人観光客が、競って買い集めているほどである。日本では、マスクの値段を挙げる悪徳商人は見られず、逆に値下げしているケースもあるという。

(2)日本にも影響は広がっているものの、記事は「こんな時にこそ日本の本質が分かった」と紹介している。民間だけでなく、日本政府も支援に積極的だ。茂木外務大臣は26日、中国の王毅国務委員兼外交部長に電話をかけ、「困ったときに力を尽くして助ける友こそが真の友だ」と話し、「全方向的な支持と援助」の提供を約束したという。具体的には、事実上の封鎖状態となっている武漢市から日本人を帰国させるためのチャーター機を派遣し、チャーター機には支援物資として大量のマスクや防護服などを積み込むと報じられている」

 

中国が受入れたチャーター機は、日本と米国が最初の組となった。韓国は、救援機を送ることで中国と合意できているものの、出発時間がたびたび変更されている。武漢市民の見ている日中に、「堂々」と韓国機が乗り入れることを忌避しているという。その点、日本では深夜に武漢空港へ到着し、早朝に出発するという離れ業で、できるだけ武漢市民の目に触れない工夫をしている。韓国には、そういう配慮がたりないようだ。

 


(3)「記事は、日本の街中でも「日本人の本心」が見られると紹介。「中国頑張れ、武漢頑張れ」というメッセージがあちこちに見られ、外国人旅行者はマスク半額、あるいは中国人にマスクをプレゼントする店もあると伝えた。ディズニーランドも中国人への入園制限はしないと表明している。記事は「日本は困っている中国を放っておかない」と感激した様子で、伝染病という事態を前に「愛には国境がない」と痛感したという」

 

上海のディズニーランドは閉園した。東京ディズニーランドは、中国人への入園制限をしないと表明した。サービス業としては、「おっかなびっくり」という面もあろうが、ともかく分け隔てなく中国人観光客を受入れるなど、日本の評価を高めている。

 

(4)「ネット上では、民間、政府を問わず日本からの支援と応援に感謝するメッセージが続々と寄せられているという。災害の多い日本では、海外からの支援のありがたさをよく理解していると言えるだろう。いずれにしても、新型肺炎の問題が早く収束することを願うばかりである」

 

国同士の友好関係は、先ず外交面で基盤が固められる。次いで、民間レベルで草の根の交流が盛んになることだ。今回の「マスク贈呈」は、必需品であることも手伝い、末永く語り継がれることであろう。ウイルス問題が解決すれば、中国からの訪日観光客がさらに増えることは間違いない。日本は、「陰徳」を積んだことになる。