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漢方薬の母国・中国が、特技を発揮して生薬での新型ウイルス抑制に挑戦している。それによると、新たなウイルス抑制効果が発見されたと報じられている。

 

『レコードチャイナ』(2月2日付)は、「上海の研究所、生薬製剤による新型コロナウイルス抑制効果を発見」と題する記事を掲載した。

 

『新華社』(1月31日付)は、中国科学院上海薬物研究所などが生薬製剤に新型コロナウイルス抑制効果があることを発見したと報じた。

(1)「記事は、同研究所が31日に明らかにした内容として「同研究所と武漢ウイルス研究所の共同研究により、中薬製剤の双黄連内服液に新型コロナウイルス抑制効果があることを発見した」と紹介。同研究所がこれまでに新型コロナウイルスによる肺炎に関する緊急研究チームを作って研究に取り組み、2003年に流行したSARS(重症急性呼吸器症候群)の関連研究成果を踏まえ、今回のウイルスに有効な可能性がある候補の新薬や既存薬の選定、評価を行ってきたと伝えた

 

SARSの関連研究成果が生かされることは事実だ。米国では、次のような動きが始まっている。

 

免疫学も飛躍的に進歩しているため、治療薬およびワクチンがずっと早期に利用可能になるはずだ。ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)、モデルナ・セラピューティクス、イノビオ・ファーマシューティカルズなどの米製薬会社は既に、ワクチンに関して米国立衛生研究所(NIH)と協力している」(『ウォール・ストリート・ジャーナル』1月31日付社説「新型ウイルス、米製薬大手が救援に」)。中国の漢方薬と米国の現代製薬が、それぞれの特長を生かして取り組んでいる点に注目したい。

 

(2)「双黄連内服液は金銀花、黄芩(おうごん)、連翹(れんぎょう)の三味の生薬から作られており、中国伝統医学(中医)においては清熱解毒、表裏双清の作用を持っていると説明。現代医学における研究では、抗ウイルス、抗菌、免疫機能向上の作用があるとされており、広範囲に使用される抗ウイルス薬の一つであると紹介した」

 

(3)「記事によれば、同研究所は長らく抗ウイルス薬の研究に携わっており、2003年のSARS流行期においても双黄連内服液による抗ウイルス作用を実証し、その後も各種インフルエンザウイルスやMERS(中東呼吸器症候群)の抗ウイルス薬研究で成果を挙げてきたという。現在、同研究所での研究結果を踏まえ、上海公共衛生臨床センター、華中科技大学付属同済医院が双黄連内服液の臨床研究を実施中とのことだ」

 

混乱期の情報は錯綜するが、発信元は中国政府の機関紙『新華社』である。誤報でないことを祈るほかない。