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中国の新型コロナウイルス蔓延で、湖北省の生産はマヒ状態にある。自動車部品も例外でない。現代自の部品は、約8割が中国依存で7日から韓国国内での組立て作業はすべて中断した。いつ再開できるか、メドは全く立っていない。売上不振で悩んできた上に、部品で追い打ちをかけられた格好である。

 

一方、日本のトヨタ、日産、ホンダの部品供給は、国内以外に東南アジアが主体で、ウイルス禍の影響を全く受けていない。韓国と好対照だ。これは、日本車が早くから東南アジアへ進出したので部品企業も並行進出した結果である。

 

『朝鮮日報』(2月7日付)は、「武漢肺炎で現代自は稼働中断、トヨタはフル稼働、明暗分かれた韓日自動車産業」と題する記事を掲載した。

 

中国の「武漢肺炎」の影響で韓国と日本の自動車業界の明暗が分かれている。韓国の自動車メーカーは中国からの部品供給が途絶え、稼働を中断しているのに対し、部品の供給先を多角化した日本メーカーは今のところ特に打撃を受けていない。

 

(1)「韓国の自動車メーカーが相次いで工場稼働を中断したのは、部品のうちワイヤーハーネスの供給に支障が生じたからだ。現代自の場合、ユラ・コーポレーション、キョンシン、THNなど韓国の部品メーカーからワイヤーハーネスの供給を受けているが、その大半が中国工場で生産され、韓国に輸出されている。ワイヤーハーネスは車体上のさまざまな電子部品をつなぐケーブルの束であらゆる車種に必ず使用される。複雑な技術は必要ないが、モデル別にそれぞれの規格に合わせ、精密に製造する必要があるため、手作業で生産されている」

 

輸入が杜絶した部品は、ワイヤーハーネスである。車体上のさまざまな電子部品をつなぐケーブルの束で、あらゆる車種に必ず使用される部品だ。これがたった一つないために、組立て作業はストップした。

 

(2)「韓国の自動車メーカーが部品一つの供給トラブルで対応に苦慮しているのに対し、トヨタなど日本メーカーはこれまで特に打撃を受けていないという。トヨタ関係者は「本社に尋ねた結果、部品供給には全く問題がないという回答があった」と答えた。ホンダ、日産なども武漢肺炎による生産への影響は特にないという。日本メーカーもデンソー、古河電工、矢崎総業、住友電気工業など主に自国の部品メーカーからワイヤーハーネスの供給を受けている。しかし、現代・起亜自の中国進出と共に中国に生産ラインの大半を置いた韓国の部品メーカーとは異なり、日本メーカーは東南アジアでもかなりの量を生産している」

 

日本の完成車企業は、日本の部品メーカーからワイヤーハーネスの供給を受けている。同時に東南アジアでも生産するという多角化体制を構築している。この点が、韓国とは全く異なっている。韓国は、中国へ集中し過ぎた弱点が表面化した。

 

(3)「日本の部品メーカーが東南アジアに生産を多角化したのはメーカーの海外進出と密接な関係がある。現代自が中国に5工場を集中させたのに対し、トヨタ、ホンダなど日本企業は早くから東南アジア市場への進出に力を入れた。その上、東南アジア市場は中国よりも相対的に人件費が安く、複数の工場を稼働できた。完成車メーカーと共に東南アジア市場に進出した日本の自動車部品メーカーは現地で投資、雇用を増やし、根を下ろすことに成功した」

 

日本では、有力自動車メーカーがひしめいており、部品生産体制が国内外で整備されている。そのメリットを受けて、今回のウイルス禍を回避できたものだ。

 

(4)「現代自にワイヤーハーネスを最も多く供給するユラの場合、中国に9工場を置いているのに対し、東南アジアにはベトナムに1工場があるだけだ。一方、日本の古河電工は中国の深セン、重慶、武漢のほか、タイ、フィリピン、カンボジアなどでもワイヤーハーネスを生産している。矢崎総業もカンボジアでかなりの量を生産し、各国の日本の完成車メーカーに供給している」

 

日韓の自動車部品メーカーの海外立地を見ると、韓国の中国集中に対して、日本は中国以外にも分散している。日本は、今回のような突発的な事故が起こっても、無理なく乗り越えられる体制になっている。