テイカカズラ
   

悪名高き現代自動車労組が、会社側との協調路線に転換するという。にわかに信じがたい話である。世界の自動車産業が、電気自動車への切り替えで巨額の設備投資の外に、大幅な人員削減が可能になるという物理的な条件変化が、強気一辺倒の現代自動車労組の頭を冷やさせた要因のようだ。

 

『中央日報』(2月12日付)は、「新型コロナで変わった現代車労組、『硬直した思考は捨てよう』」と題する記事を掲載した。

 

現代(ヒュンダイ)自動車の労働組合が、新型コロナウイルス事態で休業した後、機関紙で「硬直した思考を捨て、生産性の挽回に取り組もう」と述べた。

(1)「現代車労組は12日、「コロナが労使生存の意志を折ることはできない」というタイトルの機関紙を出した。現代車労組は「工場別休業が11日、2工場を皮切りに部分的にではあるが生産再稼働を開始した」とし「品質力を基に生産性の挽回に積極的に取り組もう」と述べた。また、「顧客がいなければ労働組合も会社も存在することができないため、労使生存のための労組の呼びかけに組合員が決して硬直した思考を持ってはならない」と付け加えた

下線部分では、驚くほどの柔軟さを見せている。「顧客がいなければ労働組合も会社も存在することができない」と言っている。その通りである。これまでの現代自動車労組は、顧客動向にお構いなく高額賃上げを要求した。賃上げ時には、派手なパホーマンスをやってきた。

賃上げ実現まで「煙突から降りない」と宣言して、警察官が中止を説得するという例もあった。朝鮮日報が、「現代自動車に乗らない」というキャンペーン記事を掲載するほど、反感を買ってきた。今、その主役が「終末宣言」を発したのだ。

 


(2)「労組は続けて、「執行部は疎通と共感を価値に新たな変化と革新を追求しようと淀みなく進んでいる」とし、「使用者側さえ変化意志に共感してくれるならば、国民に希望を与える現代車になるだろう」と述べた。労組側は、現代車支部に対する色眼鏡を外して欲しいとも訴えた。労組側は「コロナ関連の休業期間の賃金支払い問題を巡り『仕事もしていないのに通常の賃金をくれ』と言うのは労組の典型的な魔女狩り」とし「休業賃金を支給するように団体協約に明示されており、これをもとに休業したもの」と説明した」

 

現代自動車労組が、方向転換した理由の一つには4月の総選挙があるのだろう。国民の多くが、反感を覚えているだけに、ソフト路線に転じて、批判をかわして進歩派候補を勝たせようと言おう戦略であろう。それだけ、韓国与党にとっては厳しい選挙情勢かも知れない。

 

(3)「現代車労組は毎年ストライキと闘争で使用者側と対立してきた。しかし、今年1月に入り、現執行部は「対話」と「実利」を強調してきた。今回も機関紙で組合員に生産性の挽回を求めたのは現代自動車労組に変化が起きているという分析が出ている。今年1月、イ・サンス支部長は就任演説で「第8代執行部のキーワードは疎通と共感、変化を通じた労使のウィン-ウィン」とし「これからは現代車支部と組合員の歪んだ視線を収めてほしい」と述べた。また「現実を無視した不寛容な視線で現代車組合員の名誉を失墜させる行為は控えてほしい」とも述べた」

 

現代自動車労組は、これまでタブーであった生産性向上に協力するという。ついこの間まで、作業中にテレビやインターネットを使わせろという異常な要求を出して社会を驚かせた。職場は働くところだ。作業中にTVやインターネットは関係ないはず。こういう無茶な要求を出して批判され、世間の冷たい風を知ったのだろう。何ごとによらず、反省して出直すことに文句は無粋。成果を見つめることにしよう。