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文政権は、4月15日の総選挙を前に苦境に立たされている。経済不振、新型コロナウイルス蔓延、南北交流凍結、習近平訪韓の不透明という暗い材料に取り込まれている。ここで唯一の局面転換を狙えるのは、反日爆弾を炸裂させることだ。

 

過去、反日政策の発動によって政権支持率は一挙に上がるというパターンが定着している。爆弾になり得る材料は二つある。一つは、GSOMIA(日韓軍事情報包括保護協定)破棄。もう一つは、徴用工賠償問題で差し押さえてある日本企業の資産売却である。これら二つの材料の一つを使えば、瞬間的に文政権支持率は上がる。総選挙で、与党が勝利を得られるという「最終兵器」に手をつける可能性は残っている。果たして、この「禁断の木の実」に手を伸してくだろうか。それとも、自制して見送るだろうか。関心が集っている。

 

『中央日報』(2月18日付)は、「総選挙用、『反日感情の助長』という自殺ゴール」と題するコラムを掲載した。

 

(1)「昨年7月、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の週間支持率が一気に4.0%ポイントも高まったことがある。2018年9月の南北首脳会談以来、今までこのような場合はなかった。与党支持率も3.6%ポイントも高まった。反面、野党は3.2%ポイント落ち込み、8.3%ポイントだった与野党間の格差が15.1%ポイントにあっという間に広がった。原因は反日感情だった。強制徴用判決に関連して、日本の報復ニュースが駆け巡り、反日感情が高まったのだ。文大統領と与党は強く出たが、野党は「日本を間違って扱ったためだ」とこれといった戦略ももたずに与党を攻撃して世論からの袋叩きに遭った」

 

反日政策に反対する「論理派」は、2割程度であろう。残り8割は「ムード派」と言える中で、文政権が起死回生策として反日爆弾に火を放つ可能性は消えない。

 


(2)「反日感情によって支持率が上下するのは昨日今日のことではない。2012年李明博(イ・ミョンバク)大統領が独島(トクド、日本名・竹島)に行った時も支持率は6%ポイント一気に上昇した。腐敗容疑で実兄の李相得(イ・サンドゥク)議員が拘束されて人気が落ちたことを受けて反日カードを使ったという批判が次々と出てきた。このように、反日感情が強まるほど政権支持率が高まるのは鉄則になった」

李明博大統領(当時)は、在日出身である。韓国では、低く見られている階層だ。それだけに、李氏が反日爆弾に手をつけた意味は二つ。「強い韓国人」というイメージを植え付けたかったのだ。

 

(3)「総選挙を前にした最近の与党もこの上なく状況が苦しい。選挙好材料が相次いでひっくり返ったのがその理由だ。政治功績にできそうだった金正恩(キム・ジョンウン)答礼訪問と習近平訪韓がともに凍りついた韓半島(朝鮮半島)の状況と新型コロナウイルス感染症(コロナ19)のせいで水泡に帰した。そのため今の与党にとって反日感情の攻略は喉から手が出るほど欲しいカードであるのは明らかだ」

 

文政権が、現在の政治情勢を確実にひっくり返せる材料は、反日爆弾しか残っていない。それだけに、その扱いが注目されている。

(4)「このような渦中に、最近青瓦台(チョンワデ、大統領府)が「韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)」破棄を再検討するという報道が出てきた。前後の脈絡上、もっともらしい話だが、米国を意識したためなのか青瓦台は報道を否定した。だが、韓日関係が総選挙と無関係だと即断してはいけない。反日感情を爆発させる雷管が今も健在なためだ。まさにそれが強制徴用被害者賠償のための日本企業資産現金化措置だ。日本政府はこれまで「現金化すれば直ちに報復する」と公言してきた。現金化が現実化すれば、韓日関係は回復不能になるのは明らかだ」

韓国裁判所が、司法手続きから見て4月は現金化へ「ゴー・サイン」を出す限界と見られている。司法の決定であれば形式上、文政権が責任を負うことはない。こういう理屈から、現金化させる道を選ぶ可能性は消えないのだ。日本政府が報復政策に出れば、韓国国内は反日一色になって、総選挙は与党勝利の道が開けるという「戦法」である。

 

(5)「韓国政府は交渉するふりをするだけで現状況を放置しようとする態度が歴然だ。「現金化時期などは司法手続きの一部門なので、政府が介入できない」という康京和(カン・ギョンファ)外交部長官の2月初旬の発言がその証拠だ。総選挙前に現金化が行われれば、日本の報復に続き反日感情が爆発して与党に有利な局面が広がることは間違いない。裁判所が現金化断行時期をよく見極めなければならない理由がここにある。一歩間違えれば裁判所が与党の肩を持っているという誤解を生みかねない。政府も同様に、韓日関係を放置すれば、総選挙のための消極的な「局面転換用外交政策」を使っているという非難を避けられない」

韓国が、理性ある政策に目覚めて真面目な対応する可能性は小さい。文政権発足時に、与党は今後20年間、政権を担う青写真をつくった。それが、「積弊一掃」である。保守派=親日派という区分けをして、徹底的に日本を叩いて進歩派の政権を長引かせるという基本戦略がある。その第一関門が、目前に迫った総選挙である。何が飛び出て来ても驚かない、そういう心の準備をしておくべきだろう。