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中国は、台湾へ軍事攻撃するのか。「新型コロナウイルス」騒ぎで、中国による台湾政策は影を潜めている。だが、台湾の蔡総統支持率は、約7割にも達するほどの高さである。今回のウイルス感染症発生で、いち早く大陸との門戸を閉じ、感染者が25日時点で31人にとどまっていることが、求心力を押し上げている。中国政府が、「台湾独立熱」を警戒する理由である。

 

大手シンクタンク・台湾民意基金会が24日に発表した世論調査では、蔡氏の支持率は総統選で再選された1月からさらに約12ポイント上昇し、68.%となった。就任直後の16年5月(69.%)以来の高い水準だ。蔡政権が新型コロナの「感染拡大を有効にコントロールできると信じる」とした比率は85.%にも上った。

 

中国が、蔡総統の高い支持率を見れば台湾政策への自信を失って当然である。武力を用いても台湾解放を実現しなければならない衝動に駆られるであろう。中国は、武力で台湾解放をするのか。

 

『大紀元』(2月25日付)は、「なぜ中国は台湾へ武力行使しないのか、米軍元高官が分析」と題する記事を掲載した。

 

米太平洋軍指揮官、中央情報局(CIA)長官を歴任したデニス・ブレア氏が220日の米議会で、中台関係に言及した。同氏によると、中国は台湾に対してまだ軍事行動を取っていないことについて、中国は中台統一を民間交流や経済的手段など、非武力での統一を実現しようとしているが、中国の武力は台湾独立勢力を威嚇しているとの見解を示した。ブレア氏は、米議会の諮問機関「米中経済安全保障調査委員会(USCC)」の公聴会に出席した」

 

(1)「ブレア氏は、中国軍の編成と訓練について調査した後、「その戦略は、台湾を武力による略奪と占拠を実行するよりも、台湾の独立阻止に基づいているようだ」と述べた。同委員会委員のケネス・ルイス議員は、冒頭の質問をした。ブレア氏は、中国は軍事力で台湾の独立を防ぐことを望んでおり、経済および民間交流を通じて、統一という目標を達成しようとしているとの見方を示した。しかし、これは中国当局の現段階の考え方であり、状況次第で、変わる可能性があるとした」

 

習近平氏が、最近の重なる政策失敗と取り戻し、中国国内の支持率を高める手段として、軍事的に「台湾奪回」を狙うことは十分にありうることだ。その時期が、2022年かどうかは分からない。解放時期は、「習氏の在任中」という公約から見れば常時、警戒すべきであろう。

 

(2)「一方ブレア氏は、中国側の武力行使のリスクも非常に大きく、これに応じて「東アジア版NATO」の形成につながる可能性もあると語った。米国が中国の武力行使をどのように防ぐかについて、ブレア氏は、中国の軍事力を相殺するために、東アジアに駐留する米軍の質を確保し、その数を増やすという、トランプ政権の現在のアプローチに同意していると述べた。中国側には、私たちが何をするか知られないようにしなければならない。中国側が耐えられるかどうか分からない打撃で恐れさせるべきだ」とした」

 

中国外交は、秦の始皇帝以来一貫して相手国側が同盟を結ぶことを極端に嫌ってきた。「合従連衡」は、同盟(合従)を解かせて中国と一対一の関係(連衡)にして、征服するパターンである。

 

台湾防衛では、中国の嫌う同盟強化が有効である。NATOW(北大西洋条約機構)の東アジア版を結成して、共同防衛を図る構想が提案されている理由だ。この案は、日本としても尖閣諸島防衛という点と、アジア諸国の南シナ海防衛に寄与するので、大いに推進する価値がある構想だ。現在の日米豪印4ヶ国による「インド太平洋戦略」は、こういう構想の一端を担うものである。

 


(3)「ブレア氏は、東アジア版NATO構想のような、米国が参加する強力な軍事同盟の形成に高い抑止力があるとした、中国側に武力攻撃のリスクを認識させる必要があると述べた。中国軍は、空軍の爆撃機や早期警戒機などの多型戦闘機を、2910日の両日にわたり台湾周辺の島を回る長期訓練を行った。これについて「台湾独立」分裂活動を挫折させるための決意と発表した」

 

前述の通り、中国は「合従連衡」政策が基本である。中国が「合従」(同盟)を嫌う以上、同盟でがっちり手を組めば、侵略を諦めるのも事実だ。現在、米国トランプ大統領はインド訪問中である。狙いは、「インド太平洋戦略」への布石である。米国の中国忌避は最高度になっている。