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文大統領は、中国人を入国禁止すれば、韓国が不利益を受けると発言している。中国から脅されているのだろう。中国は現在、8つの地方政府が韓国経由の入国制限をしている。韓国は新型コロナウイルス感染者がこれだけ激増しても、対策は現状のままである。大統領として韓国の利益を守るのか、中国の利益代弁者なのか。そういう本質的な疑問を感じさせる対応である。

 

これでは、文大統領弾劾請願をする国民の叫びも分かるであろう。現状において、文氏弾劾は法的にも不可能である。ただ、痛烈な批判の矢が放たれたことは事実だ。しかも、100万人にも達した事実は重い。

 

『中央日報』(2月28日付)は、「参加者100万人超えた『大統領弾劾請願』、与党は民心に謙虚になるべきだ」と題する社説を掲載した。

 

韓国政府は、今回の「新型コロナウイルス感染」に対して、事実を歪曲し、責任を押し付け、自画自賛。新型コロナウイルス感染症(コロナ19、新型肺炎)の拡散事態に対する責任を回避して世論を糊塗する政府・与党要人の詭弁と暴言が続いて非難を浴びている。国民が一丸となって困難を克服しようと訴えても足りない時に党政の責任ある高位要人がむしろ混乱をあおり、政府に対する不信を育てているという指摘がそれだ。



(1)「新型肺炎の最も大きな原因が「中国から入国した韓国人」と話した朴凌厚(パク・ヌンフ)保健福祉部長官は激しい辞退の圧力に直面した。朴長官は「感染学会が中国全域入国禁止を申し立てなかった」と話して嘘の論議にも巻き込まれている。新型肺炎の感染源が中国というのは小さい子供でも分かる事実だが、このような事実さえ歪曲して何もはばからずに偽りの回答を繰り返す要人がコロナ事態収拾の主務長官だとは国民が信頼することができるだろうか。もどかしいばかりだ」

 

中国で、新型コロナウイルスが起こったことは子どもでも知っている。韓国政府はこれをねじ曲げて、「中国から入国した韓国人」が病原菌を持ち込んだと説明しているのだ。韓国に責任があるという論法で一貫している。韓国国民からすれば、聞き捨てならぬ発言なのだ。国民感情からすれば、文政権はどこの国の政府なのかと怒りがこみ上げて当然であろう。

 

韓国政府が、ここまで中国を庇っている理由は何か。それは、習近平国家主席に訪韓して貰いたいという一念である。それによって、文政権支持のテコ入れを図りたいのだ。すべてが選挙目当てである。

 

(2)「青瓦台(チョンワデ、大統領府)請願掲示板に掲載された文在寅(ムン・ジェイン)大統領に対する弾劾請願が27日100万人を超えた。4日、「文在寅大統領弾劾を促します」というタイトルで初めて掲載された請願は、初期に大きな関心を集めることができなかった。そうするうちに25日午後から爆発的に参加者数が増え始め、数日で100万人を超えたわけだ。国民は、新型肺炎による死亡者続出、マスク大乱、韓国人に対する入国禁止拡大などコリアフォビアの拡散で傷ついている。政府は、事態をここまで悪化させたことに謝罪をするどころか、自画自賛と暴言を並べているから民心の怒りが沸き上がらないわけがない」

 

弾劾請願が100万人に達しても、それで文大統領が辞任するわけでない。国民の不満が「投票」で明らかになっただけである。だが、総選挙を目前にしてこういう形で「不信任」が形を表わすと、マイナス材料になるのは明らかである。

 


(3)「与党は民心の怒りを刺激せず自粛して謙虚になってほしい。国民の前にすべてを透明に明らかにし、協調を求めるのが当然な道理だ。危機の時、強固になる強い民族性や愛国心、成熟した市民意識だけが危機を克服できる原動力であることを忘れてはならないだろう」

 

現与党が、野党時代に朴槿惠政権を厳しく非難した。だが、文政権の行なっていることは、前政権以上に恣意的である。好き勝手なことをやっている。10年ぶりに政権を手にして、人事は露骨な論功行賞だ。文大統領の普段の発言からは、信じられないことの連発である。権力とは、これほど魔力に満ち旨味があるのだろう。不幸なのは、韓国国民である。