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IMF(国際通貨基金)は、今年の世界経済が良くて2008年のリーマンショック並みという暗い見通しとなった。世界経済に落込みで最も影響を受けるのは、輸出依存度(対GDP比)で40%弱の韓国である。その影響を真っ正面から受けるのが失業問題だ。最新のS&Pによる予測では、今年のGDP成長率がマイナス1.0%、失業率は4.2%である。昨年のGDP成長率が2.0%、失業率は3.8%であるから、これだけでもかなりの「逆風」になる。

 

ここで、過去の通貨危機を引き起こした1998年と2008年の前後に、失業率がどのような推移を経たかを見ておきたい。

1998年のケース      2008年のケース

1997年 2.61%   2008年 3.20%

  98年 6.96%     09年 3.60%

  99年 6.34%     10年 3.70%

2000年 4.40%     11年 3.40%

  01年 4.40%     12年 3.20%

(資料;ILO)



失業率の上昇は、1998~99年と2009~10年に大きな影響が出ている。失業率は、景気循環では遅行指標である。一度、経済構造に大きな衝撃を受けると、正常化するまでに3~4年の長期時間を必要としている。

 

この事実から推測すると、S&Pの予測のように今年の失業率が4.2%で済むかどうか疑問である。昨年の失業率は3.8%である。それが、わずか0.4%ポイントの悪化で済むとは思えないのである。5%接近があり得るだろう。

 

今回の「コロナ不況」では、供給と需要の両面で従来、経験したことのない負荷がかかると見るべきだろう。つまり、経済危機や通貨危機といったレベルの被害を上回った、別次元の視点から経済的な損失を計る必要があろう。コロナウイルスは、生命を脅かすという点で、過去に例のない「恐慌」をもたらす危険性がある。

 

『東亜日報』(3月23日付)は、「大恐慌以来の最大の失業大乱に備えるべきだ」と題する記事を掲載した。

 

(1)「韓国も消費断絶、営業・生産中止、企業倒産の連鎖による大量失業の兆しが本格的に現れている。各地方労働庁には、失業給付の申請者が昨年に比べて、すでに20〜30%ずつ増えている。スタッフを解雇せずに休業・休職で耐える事業所に支援する雇用維持支援金の申請も急増する傾向にある。新規雇用市場は冷え込んでおり、ほとんどの企業が公開採用のスケジュールを全面延期またはキャンセルしている。アルバイトの雇用市場も同じである」

 

このパラグラフに、韓国の厳しい労働状況が現れている。失業給付の申請者が昨年比で20~30%も増えている。今後、さらに増えてゆくだろう。これだけでも、失業率が4.2%程度で収まらない気配である。


(2)「今回のコロナに端を発した世界不況がいつまで続くのか、誰も予測しがたい。洪楠基(ホン・ナムギ)経済副首相は20日、外国メディアとの記者会見で、「韓国は第1四半期の経済成長率がマイナスを記録する可能性もある」とし、「グローバル景気は来年になってようやく回復しそうだし、ともすれば3〜4年は続くだろうという予測もある」と語ったように、短期間で終わるようではないようだ」

 

下線のように、コロナ不況の後遺症が3~4年も続くとなれば、韓国経済は完全に「ノックアウト」されてしまう。韓国にとって「新型コロナウイルス」は、大変な疫病神になってきた。1998年に経験した7%弱の失業率もあり得るほどの危機が迫っている。