ムシトリナデシコ
   


中国は古来、困っている相手にどっさりと贈り物をする習慣がある。その場合、相手の立場を考えて密かに行なうのでなく、これ見よがしに行なうのだ。こういう習慣は、世界でも中国人とエスキモー人だけだと言われている。それ以外の民族は、目立たない形で行なう。

 

今回の新型コロナウイルスで欧州は、医療崩壊を起こすほどの被害が出ている。これを見た中国が、派手な「マスク外交」で中国の存在を印象づけようとしている。こういう批判があちこちから出てきた。もともと火元は、中国である。本来なら、「類焼見舞い」という意味で静かに行なうべきだというのである。

 

『大紀元』(4月2日付)は、「欧州で顰蹙買う中国のマスク外交、専門家『宣伝活動の一環』」と題する記事を掲載した。

 

危機的な状況の中でイメージを高めようとする中国共産党政権は、欧州イタリアから南米ペルーまで、各国に医療専門家を派遣し、マスクや人工呼吸器などの必要な物資を送っている。しかし、医療品の品質不良が相次ぎ報告され、ひんしゅくを買っている。

 

(1)「中国からの医療品の支援や販売を多くの国は当初、歓迎していた。しかし、オランダ、スペイン、トルコ、スロバキアなどが、中国から輸入した検査機器やマスクなどには欠陥があったと報告した。「最初は肯定的に見られていたが、その後、世論は批判的になった」。米国の外交政策の専門家でワシントンのシンクタンク、ハドソン研究所の上級研究員であるピーター・ラフ氏は、大紀元英字版の電子メールで語った」

 

冒頭に指摘したように、中国の民族性から相手の立場を考えて、スマートに振る舞えないのだ。他人を招待するとき、食べきれないほどの料理を出して食べ残すと満足する民族である。合理性を考える欧州人とは肌合いが異なっている。中国人が「支援した」と自慢して歩く。欧州人は、それを我慢できないのだ。

 


(2)「オランダは328日、中国から輸入した130万枚のマスクのうち、60万枚を欠陥があるとして回収したと発表した。スペインとトルコ保健当局は、中国の会社から購入した検査キットの精度が30%以下だとして使用しないことにした。スロバキアのメディアもまた、同国が1600万ユーロで中国企業から購入した抗体検査機器は基準を満たしていないとして、「無駄」になったと伝えている」

 

粗製濫造の中国が、品質管理でしっかりしている欧州へ輸出したマスクや、検査キットなどが品質不良で返品されている。あり得ないことではない。品質管理という概念が希薄であるからだ。日本が当初、中国で技術指導したとき「5S」(整理・整頓・清潔・清掃・躾)を教え込むことで難儀したという。従来、そういう習慣のない民族であるからだ。この「5S」を守ることによって、歩留まりの高い製品ができるのである。中国は、未だに「5S」が不完全であるのだろう。

 

(3)「共産党政権による「マスク外交」は、パンデミックの筋書きを変えるためのキャンペーンの一環だ。最終的な目的は、パンデミックの発生をめぐって情報を隠ぺいしてきた中国政府への非難をそらすことにある。「中国の人道的な支援は、ウイルス拡散に対する中国の対応の不手際を隠ぺいし、経済も医療もギリギリにまで追い込まれ必死になっている欧州諸国を味方につけることだ」とラフ氏は述べた。人道的支援と並行して、中共ウイルスは中国が発生源ではなく「米軍関係者が持ち込んだ説」という大規模な偽情報キャンペーンを展開している」

 

下線のように、いかにも中国人らしいやり方である。どさんと、プレゼントを贈って味方につけようという狙いであろう。欧州人は、見識が高いから中国のそういう魂胆を見抜いているのだ。発展途上国ならば、本質的に品物が不足しがちであるから喜ぶとしても、欧州では通じない手である。

 


(4)「米ワシントンに拠点を置くシンクタンク、ヘリテージ財団の公共外交担当上級研究員、ヘル・デール氏は、大紀元の取材に対して「彼ら(中国共産党政権)は批判をそらす傾向がある」と述べた。また、チェコに拠点を置く中国に焦点を当てたシンクタンク、シノプシス所属の分析官、プロチャズコバ氏は大紀元に対して、「中国を救世主にする大規模な宣伝活動」の存在を指摘した。「中国が私たちを『救っている』と自慢しているが、各国の医療材料の不足は当初、中国を支援したことによるものだ」。

 

欧州は最初、中国を支援したので自国へ残すべき物まで贈ってしまった。だから、現在の医療品不足を招いた、と説明している。中国は、そういうことにお構いなく、自慢して歩いているのだ。

 

(5)「欧州連合(EU)のジョセップ・ボレル外務・安全保障政策代表は323日発表の声明で、中国共産党の対外宣伝戦略について警告を発している。同氏は現在、(パンデミックの)筋書きをめぐる戦いの最中にあり、中国からの情報発信で、EU自体の信用を落とそうとする試みや、ヨーロッパ人全てがウイルス保持者であるかのように汚名を着せる事例が複数あるとした。「中傷者からヨーロッパを守る」と述べた」

 

下線のようにEUが、中国の言動に警告している。誇り高い欧州人が、中国から侮辱的扱いを受けることに反発している。これは、精神的な問題だけに尾を引くだろう。パンデミックが、歴史を変えるという私の視点から言えば、中国は先進国の「尾」を踏んだようだ。愚かな行為であると思う。そのリアクションが始まると見る。