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中国消費不況を象徴するような事件が起こった。中国コーヒーチェーン大手「ラッキンコーヒー(瑞幸珈琲)」は42日、プレスリリースを発表し、2019年の売上高を改ざんしたなどの不正行為があったと認めたもの。同日、米株式市場では、同社の米国預託証券(ADR)は一時、前日比81%安となった。終値は、前日比75.6%安の6ドル40セントを付けた。今後、上場廃止の可能性があると指摘されている。

 

米国は、粉飾決算には厳しい態度で臨んでいる。ラッキンコーヒーは、上場廃止の可能性が強い。もう一つ、米国内の「反中国」ムードを強めるであろう。中国企業の成長発展のために、米国の貯蓄が利用されることへ不満を強めているからだ。中国企業は、すでに米国市場から閉出されることを想定し、アリババのように香港市場へ復帰(昨年11月)する企業も出ている。当時、他社も追随すると予測されていた。米中関係の悪化が今後、米市場撤退に拍車をかけるであろう。

 

今回の粉飾決算は、中国企業のイメージを決定的に引下げることになった。「中国企業は信頼できない」というイメージの定着である。他の中国株へ波及することは不可避であろう。

 

ラッキンは2018年に北京に1号店を出して以来、2年余りで中国全域に4500店を持つまでに拡大した。中国で圧倒的な存在の米スターバックスコーヒーは19年末時点で約4300店。店舗数では上回った。低価格のほか、オフィスに宅配したり、スマートフォンで注文・決済して店頭では受け取るだけのサービスをいち早く展開しスタバとの違いを強調。米中貿易戦争を背景にした「愛国消費」も追い風に急成長した。以上は、『日本経済新聞』(4月4日付)が報じた。

 


『大紀元』(4月4日付)は、「『中国のスタバ』ラッキンコーヒーが粉飾決算、損害賠償が1兆円以上か」と題する記事を掲載した。

 

2日の発表によると、同社の劉剣・最高執行責任者(COO)と複数の社員が、2019年4~12月までの売上高を約22億元(約336億円)過大報告した。一部の経費と費用も水増しされたという。同社の発表を受けて、米株式市場では、瑞幸珈琲の株価が急落し、ストップ安が8回もあった。終値は6ドル40セントを付けた。

 

(1)「粉飾発覚の発端となったのは米マディ・ウォーターズ・キャピタルの市場調査部門に送られた89ページに上る匿名の報告書だ。131日に公開された同報告書は、ラッキンコーヒーは201979月期、1012月期に売上高をそれぞれ69%と88%粉飾したと指摘した。報告書は、981店舗の来店客数を監視カメラで1万時間記録したほか、25千枚のレシート、SNS微信(WeChat)の会話記録を集め、分析した結果、ラッキンコーヒーは商品販売数、販売価格などを改ざんしたと指摘した。ラッキンコーヒーは23日の声明で、粉飾決算を否定した。現在、米ポメランツ法律事務所など複数の法律事務所は、ラッキンコーヒーの株主を代理して集団訴訟を起こすと公表した」

 

2019年7~9月期、10〜12月期に売上高をそれぞれ69%と88%粉飾したのはなぜか。中国の個人消費が急速に悪化したのであろう。それにしても、粉飾の幅が大きいことに驚く。ここまで、粉飾決算をやるとは、かつて経済記者をした経験のある私も、初めて聞く話だ。さすがは、「中国的」ということか。

 


(2)「中国メディア「騰訊財経」によると、国内の専門家は、ラッキンコーヒーは今後、米国内で法的な損害賠償措置に直面するほか、米株市場から上場廃止にされる可能性が高いとの認識を示した。損害賠償規模が約112億ドル(約12144億円)にのぼるとみられる。一部では、巨額な賠償を支払えないため、ラッキンコーヒーは経営破たんになる可能性もあるとの見方が出ている。中国北京に本部を置くラッキンコーヒーは20176月に設立され、20195月に米ナスダック市場に新規株式公開を果たした」

 

当然、上場廃止となろう。そのまま、上場継続はあり得ない。日本市場であれば、上場廃止の運命だ。損害賠償規模が、約1兆2144億円というのも凄い。こちらは、「米国流」である。粉飾決算せざるを得ないほど追い詰められていたはずだから、手持ち資産はあるはずがない。となれば、賠償に応じる資産はなく、経営破綻になるほかあるまい。