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韓国は、新型コロナウイルス感染対策で先端を走っていると宣伝してきた。その一方で、足元に大きな危機が現れている。致死率がジリジリ上がり2%に接近してきたことだ。病床数の不足が原因と見られる。日本の「アビガン」をフェイクニュース扱いし、無視していることも影響しているのであろう。反日が招いた致死率上昇とも言えよう。

 

医療知識のない門外漢が、扱うべきでないテーマであることを承知で書けば、「アビガン」を反日という感情論を交えずに、純粋な医療行為として扱っていれば、ここまで事態の悪化を放置することなく改善させられたと思われる。人命救助は、反日感情を超えて行なわれるべきである。

 

『ハンギョレ新聞』(4月9日付)は、「韓国の新型コロナによる死者200人超え 致命率も2%に迫る」と題する記事を掲載した。

 

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による死者が200人を超え、致命率(感染者に占める死者の割合)が2%に迫っている。死者の発生速度も徐々に速まっており、新規の感染者数の減少にもかかわらず、事態の早期沈静化の見通しは立っていない。政府と専門家は、ともすれば緩みかねない「社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)」の重要性を重ねて強調している。

 

(1)「8日、中央防疫対策本部(防対本)は、同日0時現在でCOVID-19による死者数を200人と発表した。最初の死者の発生(220)から100人目の死者が出るまでには30(321)かかったが、そこから200人目までは18日しかかかっていない。死者の増加速度が日増しに早まっているのだ。致命率は同日で1.93%だった。死者の大半は、高齢者や基礎疾患保有者と把握されている。防対本のクォン・ジュヌク副本部長はこの日午後の定例ブリーフィングで、「死亡者のうち基礎疾患の保有が確認されなかったのは、今日まで1人のみ」と述べた。

 

死者の増加速度が日増しに早まっている。致命率は同日で1.93%にまで上がってきた。韓国は、幅広い検査網を引いて感染者を探し出す体制を取った。これが、医療崩壊を招く原因となっていることをうかがわせている。後のパラグラフが、それを示唆している。

 


(2)「新規の感染者はこの日53人増え、増加の勢いは3日連続で50人前後と落ち着いている。防疫当局はこれを高強度のソーシャル・ディスタンシングの効果と解釈した。しかし死者は今後もしばらくの間は急速に増加する可能性が高い。8日現在で危篤患者は46人、重症患者は34人と集計されており、状態の深刻な患者が80人を超えるためだ。嘉泉大学吉病院のオム・ジュンシク教授(感染内科)は「重症または危篤の患者数が多い。致命率が2%を超えて3%に達するかどうかも見守らなければならない」と懸念を示した」

 

重症または危篤の患者数が増えていることで今後、致死率が3%に接近する恐れが出てきた。

 

(3)「治療に時間が長くかかるため長期入院する患者がいるということも、防疫当局には負担となっている。大邱市(テグシ)はこの日、「感染確定以降の病気の持続期間を分析すると、50%以上が30日以上入院している」と明らかにした。防対本は、大邱・慶尚北道で初めて陽性判定を受けた31人目の患者をはじめとして、計4人が現在まで50日以上入院中だと明かした」

 

長期入院者が増えていることは、結果的に致死率を引上げることになっている。長期入院者を防ぐには、初期対応が重要である。中国の「アビガン」臨床実績では、軽症者の7割が7日間で効果を上げたと報告されている。韓国は、こういう結果を無視してきた。

 


(4)「致命率の上昇には、早くから指摘されていた病床や医療スタッフの不足と地域間の不均衡が影響しているのではないかという指摘が出ている。クォン副本部長は「他国との水平的比較を見ると、韓国の致命率がそれほど高いとは判断しがたいが、病床や重症患者診療、一線の医療スタッフの支援が不十分だったのではと心配する声が多いことは承知している」と述べた。それとともに「自宅隔離者の同居家族が高危険群の多い病院などに従事している場合、業務から外れるようにするなど、致命率を下げるために最善を尽くしている」と付け加えた。防疫当局は、マラリア治療薬のヒドロキシクロロキン投薬、血しょうによる治療など、適切な治療法探しにも力を入れていると明らかにした」

 

韓国政府は、感染者の「全数調査」を自慢してきた。これが、治療資源の枯渇化を招くという指摘は早くから出ていた。今その弊害が表面化している。病床や医療スタッフの不足を引き起しているからだ。

 

日本は、これと全く違った方法である。医療崩壊を防止すべく治療資源の温存を図りながら重症患者の治療で完璧を期す体制を取っている。軽症者は分離して扱い、治療体制の重荷にならないようにしている。ここで、「アビガン」が効果を上げているのだろう。

 

(5)「専門家は、死者を減らすためにもソーシャル・ディスタンシングが強く維持されなければならないと助言する。オム教授は「高危険群がCOVID-19にさらされないようにすることが、死者と新規感染者を減らす唯一の方法だ。そのためには若くて健康な人がCOVID-19に感染してはならない。ソーシャル・ディスタンシングが非常に重要」と述べた」

 

このパラグラフの指摘は正しい。若い人たちが、感染して治療の負担にならないように、ソーシャル・ディスタンシングを励行することだ。高齢者が感染すると、致死率が高まる危険性があるからだ。