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中国外交は、手段を選ばない狡猾さを見せている。チェコ第2位の権威ある政治家だったヤロスラフ・クベラ前上院議長が1月に急逝した裏に、中国大使館による「死への脅迫」があった。2300年前の秦の始皇帝も使ったであろう、この古典的手法で相手を屈服させているのだ。

 

『大紀元』(4月29日付)は、「急逝したチェコ前議長夫人、『中国大使館の脅迫状に殺された』」と題する記事を掲載した。

 

チェコ第2位の権威ある政治家だったヤロスラフ・クベラ前上院議長は、1月に急逝した。クベラ氏の夫人は427日、チェコのTV局番組に出演し、夫は中国大使館の脅迫を受け強いストレスを感じ、大使館招待の夕食会以後、体調を崩したと告白した。 大物政治家を脅したとして、チェコの世論では中国当局に対する強い怒りの声が上がっている。

 

(1)「ベラ・クベラ夫人によると、台湾訪問を予定していたクベラ前議長に対して、中国大使館が脅迫状を送りつけ、家族を危険に晒したという。「夫が亡くなった後、遺品整理を始めた。書類の中に公式手紙が2通入っていた。 1通は中国大使館から、もう1通は(チェコ)大統領府から。どちらも恐ろしい内容で、2通の脅迫状をどうすればいいのかわからなかった。ベラ夫人は夫の死後に手紙を見つけ、娘のバンドラ・ビンソバさんと2人で恐怖におびえたという。また、2通の手紙は、圧力が夫を殺したという十分な証拠になると強調した」

 

中国は、台湾を外交的に孤立させるために、相手の生命に危機感をたもたせるような脅迫状を送りつける。凄いやり口である。中国には、どうしても「成り上がり者」というイメージが消えないのだ。

 

(2)「クベラ前議長は2月中の台湾訪問の予定を発表していたが、120日に心筋梗塞で死亡した。その後、緊急対応した医師が家族に伝えたところによると、クベラ氏の心臓発作は、突然のものではないという。心臓に症状が出始めたのは、中国大使館が議長夫妻を大使館での夕食会に招待した117日頃だと告げた。ベラ夫人は番組の中で、夕食会当日、中国大使館職員から、夫と離れるよう要求された。「張建敏・駐チェコ中国大使と1人の中国人通訳が夫を別室に連れて行き、3人で2030分話した。夫は出てきたあと、かなりストレスを感じている様子で、酷く怒っていた。そして、私に『中国大使館が用意した食事や飲み物を絶対に食べないように』と言った」という」

 

こういう中国が、好きで好きで堪らない人もいる。厚遇されている結果だろうが、その反対給付で魂を売っている人がいるのだ。

 

(3)「ベラ夫人が夫に、部屋の中で何が起きたのか聞くと「張大使から台湾に行かないように求められた。もし行けば、張大使自身が中国中央政府により逮捕されるそうだ」と話したという。クベラ氏は2019年、中華民国(台湾)駐チェコ代表部から国慶節式典の招待を受けており、2020年の台湾総統選挙後に台湾の訪問を約束していた。中国政府はこの約束に不満を爆発させた。張大使は頻繁に、チェコのゼマン大統領に圧力をかけ、クベラ前議長の台湾渡航をキャンセルしなければ、両国のビジネスに最大限の報復をかけると脅した。張大使の外交的、脅迫的な手紙と、圧力に屈したチェコ大統領府事務局代表ブラティスラフ・マイナール氏からの手紙で、クベラ氏は、台湾訪問を辞めると表明することはなかった

 

張大使は頻繁に、チェコのゼマン大統領に圧力をかけ、クベラ前議長の台湾渡航をキャンセルしなければ、両国のビジネスに最大限の報復をかけると脅した、という。自由貿易原則に違反している。こういう中国が、WTO(世界貿易機関)の原則を守っているという虚言を漏らすが、裏でやっていることは「かくのごとし」である。

 

(4)「チェコのアンドレイ・バビス首相およびミロシュ・ビストルチル新上院議長は、張大使がクベラ氏の台湾訪問を巡って、チェコ政府を脅迫する書簡を送ったことを確認している。その内容には、中国でビジネスを展開するチェコのシュコダ(Skoda)自動車など複数のチェコ企業に対して、報復することを示唆した」

 

こういう中国の妨害工作は、広く世界に知らしめることだ。これが、中国の本当の醜い姿である。今回の新型コロナウイルスで、世界中に被害を与えている。このコロナ禍が一段落したとき、世界中から賠償請求の嵐に見舞われるであろう。その時初めて、世界に友人がいないことを知るはずだ。GDPだけをプライドにしている中国。誰も、それを立派だと思い、尊敬しないのだ。