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新型コロナウイルスは、関西圏が警戒解除の段階にこぎ着けた。後は、首都圏と北海道を残すだけである。ここで、耳寄りな情報が登場した。広島大学名誉教授による予測では、7月7日に日本全体が、現段階での収束(終息ではない)となる見込みだ。この予測では、これまでの感染者数の推計と実績が、ほぼ一致しており7月には、発症前の状態に戻れるという。

 

『中国新聞 デジタル』(5月20日付)は、「自粛を続けたら新型コロナ7月収束予測、広島大名誉教授が解析」と題する記事を掲載した。

 

(1)「ピークを越えたように見える新型コロナウイルスの感染について、広島大の山本民次名誉教授(環境予測制御学)は、「自粛」を続けると7月上旬にいったん終息すると予測する。流行状況を解析し、1カ月前から「接触の8割削減」を実現できていたと説明する。経済活動が活発になっても各自が手洗いやマスク着用をすれば、感染者は減っていくとみる

 

首都圏と北海道の緊急事態宣言解除も目前に来ている。現在の手洗いやマスク着用の生活を続ければ、感染者は自然に経る見込みである。

 

(2)「山本名誉教授は、全く予防策を講じないときは感染者1人が25人にうつすと設定し、潜伏期間を5日間、発症から自然治癒までの期間を10日間として解析した。5月10日までに、実際に検査で確認された感染者と死亡者のデータ、入国の状況、治療による回復過程なども数式に組み込み、国内初の感染者が出た1月15日から6カ月間について計算した。

 

(3)「この解析から、緊急事態宣言が全国に出された4月中旬には1人の感染者が感染させる人数は既に02人程度で「接触の9割削減」を達成していたとみる。計算で求めた各時点の感染者は「実際の数にほぼ合っている」と山本名誉教授。4月30日のピーク時の実測値が計算値より低くなったのは、感染者を早く見つけて治療するようになり、感染が広がりにくくなったためとみる

 

ここで、予測値と実績の推移をグラフで表せないが、見事に一致しており信頼度は「パーフェクト」と言えそうだ。下線のように、4月30日の感染者ピークは、予測よりも低くなっている。これは、防疫体制が効果を上げていた証拠と見る。世論は、政府対応の遅れを批判したが、防疫活動に遅れはなかったようだ。先ずは、成功と言える。

 

(4)「『自粛』を続けると7月7日には全国の感染者はピーク時の1%の約100人となり、感染はほぼ収まる計算になる。その時までの死者は約840人と予測する。しかし今後は、経済活動が活発になり、接触機会が増える。山本名誉教授は「実際の収束は先に延びる可能性は高い」とする一方、「これまで通り、手洗いと消毒、マスク着用など感染予防策を続ければ、医療崩壊を招くような爆発的な患者の増加は防げる」と見込む」

 

自粛生活を続ければ、7月7日には全国の感染者は100人に減るという。昨日(20日)の全国の新規感染者数は37人。すでにかなりの減少である。このことから言えば、防疫体制と国民の自粛生活は、予想以上の効果を上げていることになろう。

 

ここで、日本のコロナ死亡者の人口100万人当りの数字(5月10日現在)は、4.6人である。中国の3.3人より多いが、韓国の5.0人を下回っている。中国は、感染者数を隠しており、その秘密リストによれば実数は公表の約8倍である。この点は、このブログで紹介済みだ。そこで、中国の「3.3人」を8倍すれば、26.4人が実際の人口100万人当りの死亡数となろう。

 

こういう補正をすると、日本の死亡者数(人口100万人当り)は、世界最低であることが分かる。日本は大いに自信を持つべきだ。日本特有の悲観論で肩を落としてきたが逆なのだ。韓国ほど威張れとは言わぬまでも、もう少し胸を張って「世界一」を発信すべきだろう。

 

では、なぜ日本が「世界一」なのか。これが、謎という説が多い。ノーベル賞の山中京都大学教授は、抗体検査を行なえばその謎が掴めるという。山中教授は、その謎を「ファクターX」と呼んでいる。これこそ科学的な究明を待つしかないが、PCR検査数では世界最低部類で、死亡者数が世界一低いとなると、「Why?」である。さあ、元気を出そう。