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米国は、中国への怒りが本格化している。中国政府の支配権の強い中国株は、米国で上場させないという法案が上院で通過した。これに呼応して、下院も同様の趣旨の法案を可決させる公算が強まった。米国は、貿易・技術・資本市場の3面で、中国を追出す戦略を明確にしたのである。

 

武漢の新型コロナウイルスは、米国から持込まれた。こういう中国外交部のフェークニュースが、中国への本格的な怒りに火を付けてしまった。米国は、日本の真珠湾奇襲攻撃で怒ったように、コロナ・フェイクニュースによって中国へ立ち向かわせている。中国は、愚かな小細工をやったものである。身を滅ぼす種を蒔いたのだ。

 

『ブルーンバーグ』(5月21日付)は、「米上院、中国企業の米国上場廃止につながり得る法案を可決」と題する記事を掲載した。

 

米上院は20日、アリババ・グループ・ホールディングスや百度(バイドゥ)などの中国企業による米証券取引所への株式上場を禁止することにつながり得る法案を全会一致で可決した。

 

(1)「同法案は、ジョン・ケネディ議員(共和)とクリス・バンホーレン議員(民主)が提出したもので、外国政府の管理下にないことを企業に証明を求める内容。企業がそれを証明できないか、米公開会社会計監督委員会(PCAOB)が3年連続で会社を監査して外国政府の管理下にないと断定できない場合、当該企業の証券の上場は禁止される」

 

下線部が、外国企業が米国で上場できる条件とした。これは、中国企業を指しており、中国政府が強い支配権を持っていないことを企業に証明させるというもの。中国企業は、すべて中国共産党委員会が入り込んでいる。これは、中国政府の支配下にあると見なされよう。米国上場は、アウトになる。総引上げを迫られるのだ。

 

すでに、ナスダック市場も中国企業上場に関門を設けている。その上、中国企業はNY市場からも締め出される。中国企業の受ける打撃は大きい。

 


(2)「ケネディ議員は、上院の議場で「私は新しい冷戦に参加したくはない」と述べ、「中国が規則に従って行動する」ことを求めると付け加えた。ケネディ議員は19日、同法案がナスダックとニューヨーク証券取引所などの米株式市場に適用されるとFOXビジネスに話した。バンホーレン議員は発表文で、「上場企業は全て同じ基準を順守すべきだ。この法案は条件を公平にするとともに、投資家が詳細情報を得て決断を下す上で必要な透明性をもたらすために良識的な変更を行うものだ」と説明し、下院に速やかな行動を呼び掛けた」

 

下線部分は、中国企業は自主的にNY市場から撤退すべきだと勧告している。米国が、強制的に排除するのを待っているな、という強い姿勢を見せている。中国企業は、米国から締め出されれば、米国の資金を取り込めないという痛手を被る。これを計算しないで、習近平氏は「米国覇権に挑戦する」と場違いな宣言をしてしまったのだ。

 

(3)「米国の監督が強化されれば、馬雲(ジャック・マー)氏の螞蟻金融服務集団(アント・ファイナンシャル)やソフトバンクグループが出資するバイトダンス(字節跳動)など中国主要企業の将来の上場計画にも影響する可能性がある。しかし、開示義務強化の議論が昨年始まって以来、他の中国企業の多くはすでに香港市場に上場したか、そうする計画だと、ハルクスでアナリスト兼ポートフォリオマネジャーを務めるジェームズ・ハル氏は指摘した」

 

昨年12月、アリババは香港に上場しており、リスク回避に動いている。他社も追随する動きが予想されている。米国政府は、連邦公務員退職年金の運用対象から中国株を外すよう、指示している。米国の資金は一切、中国企業に投資させないという強硬策である。その理由は、次のようなものだ。米国の貴重な貯蓄は、米国に危害を加えようとする国家の企業に投資させないというもの。米中デカップリング論の実践である。

 

(4)「下院金融委員会のブラッド・シャーマン議員(民主)は、上院の法案への幅広い支持を反映する形で同様の法案を下院に提出した。シャーマン氏は発表文で、会計不祥事の発覚でナスダックが中国の瑞幸咖啡(ラッキンコーヒー)の上場廃止に向けて動きだした点に言及。「私はこの重大な問題に取り組むために動いた上院議員を称賛する。この法案が既に成立していればラッキンコーヒーの米国株主は恐らく多額の損失を回避できていただろう」とコメントした」

 

(5)「下院指導部は同法案と、別に上院で可決されたイスラム教徒の少数民族に対する人権侵害を巡り中国当局者に制裁を科す法案について、議員や関係する委員会と協議していると民主党スタッフは明らかにした」

 

米下院も、上院の動きに呼応して同趣旨の法案を上程した。米国の中国に向けた敵意から、短時間で議決され大統領署名を経て発効するはずだ。中国は、この事態に対して、どう反応するか。しまった、と感じるに違いない。中国株は、米国という最大の市場から排除されるのである。