テイカカズラ
   

韓国ほど旗幟鮮明でない国はない。朝鮮戦争で助けてくれた米国への恩義を忘れ、侵略してきた中国に秋波を送るというとんでもない行動を取っている。米韓同盟があるにもかかわらず、文政権は煮え切らない態度を続けているのだ。韓国は、同盟の意味を理解せず、漁夫の利益を得ようという、まことに信じがたい振る舞いである。

 

韓国が、洞が峠を決め込んでいるのは、対中輸出が25%も占めているという事情がある。豪州も対中輸出比率は25%も占めているが、中国に対してコロナ問題で、堂々と正論を吐いており、あえて対立も厭わない外交姿勢である。中国は、牛肉の輸入を止めるなど、報復しているが、豪州は怯まないのだ。ビジネス(輸出)のために、正論も吐けない国家ほど、惨めな存在はない。韓国が、まさにこの状態である。

 

『中央日報』(5月25日付)は、「危険レベルの米中対立、冷静な対応だけが韓国の解決策」と題する社説を掲載した。

 

米国と中国の対立が危険な水準になっている。米国は中国を除いて産業サプライチェーンを新たに構築しようという「経済繁栄ネットワーク(EPN)」提案で「対中封鎖」カードを見せ始めた。中国は「香港国家安全法」制定で対抗した。両国間で「おかしな奴」「悪らつな独裁政権」という暴言までが交わされ、「新冷戦」構図が地球村に影を落としている。

(1)「このような時期であるほど韓国政府は冷静かつ戦略的な対応が求められる。政治・軍事的には血盟の米国の立場に背を向けるのは難しい。しかし安保イシューを越えて貿易全般で米国の対中封鎖構想についていけば負担は大きい。結局、米中の間で「戦略的あいまい性」を維持し、懸案別に国益を最大化する案を見つけなければいけない。こうした点で、青瓦台(チョンワデ、大統領府)の金鉉宗(キム・ヒョンジョン)国家安保室第2次長が22日に「米中間の葛藤が激しくなり苦しい」と述べたのは、あえてそのような発言をする必要があったのか疑問だ」

 

米中対立は、覇権争いである。中国が今の段階で名乗り出て、一騎打ちを演じるのは時期尚早も良いところだ。未熟者が、大人に戦いを挑むような暴挙である。世界における米国の位置と、パンダミックを引き起した新興国の中国が、同等のレベルと錯覚しているだけである。歴史的な視点で見れば、中国の振る舞いは奇異の一言である。

 

独裁主義が、民主主義に勝てるのか。かのヒトラーや東条も敗北した。民主主義国は、先進国である。科学技術、経済力という総合国力で、独裁国という政治的未成熟国家に比べ優位な立場だ。一人一人の独創力を生かす民主主義国は、国民すべてを弾圧する独裁国に劣ると考えること自体、大きな錯覚に陥っている。こういう視点で米中対立を眺めれば、答えは自ずと出てくるだろう。韓国は、それができない盲目状態になっている。

 

(2)「まだ米中が我々に公開的に「選択の瞬間」を強要した状況でない。政府関係者によると、キース・クラーク米国務次官(経済担当)が「韓国とEPN構想を議論した」と述べたが、構想段階の具体的な要請をしたとは考えにくいという。にもかかわらず「悩んでいる」という内心を表しながら我々の立場を「中間者」に限定する理由はあるのだろうか。任鍾ソク(イム・ジョンソク)前大統領秘書室長が、南北協力に対する米国の圧力を批判し、南北首脳会談の再開と対北朝鮮支援の拡大を主張したのも適切でない。いま南北関係が膠着しているのは、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が韓国側との意思疎通を強く拒否しているからだ」

 

韓国には、外交哲学が存在しない。李朝以来つづく迷走する外交は、歴史を見る目がなかったことを証明している。目先の利益で右往左往する。豪州の毅然とした外交姿勢を見るがいい。筋を通さない国家は、どこの国も信頼しないのだ。米韓同盟がある以上、自由主義国家の一員として行動すべきなのだ。

 

(3)「政府が力を注ぐ中国の習近平国家主席の訪韓も慎重な接近が必要だ。いま中国は米国との対立激化で韓国など周辺国との関係を友好的に管理する必要性が高まっている。政府はこの機会を逆に活用するのがよい。習主席が我々の招請に先立ち自ら訪韓の意思を明らかにするよう誘導し、習主席の訪韓が米中間の緊張要素として作用しないよう議題を調整する戦略的な外交を見せるべきだろう」

 

このパラグラフは、韓国が中国を利用しろと言っている。単純に利用される中国ではない。それをきっかけにして食込んでくる国である。秦の始皇帝以来、中国は2200年の謀略の歴史を持っている。韓国を飲み込む手法はいくつもあるはず。韓国は、隣国としてその実相を知り尽くしている立場だが、幼稚なことを考えているものである。



(4)「11月の米大統領選挙が終われば、米中が妥協するという見方もある。しかし昨今の米中間の対立は本質的には21世紀のグローバル覇権をめぐる「ビッグ2」の争いだ。どちらか一方が勝つまで終わりにくい「ニューノーマル」でもある。こうした現実を無視して短期的な対応に重点を置けば、いつかは米中間で本当に「真実の瞬間」を強要される状況がくるかもしれない。長期的で構造的な努力も必要だ。何よりも韓国の全体輸出額の25%を占める中国だけに依存せず、市場を東南アジア・中東・欧州・南米などに多角化することに注力しなければならない」

 

豪州は、経済面(輸出)で韓国と同じ立場である。それにも関わらず、堂々と正論を吐いている。韓国は、物欲しそうな顔でウロウロしている。中国にとって、どちらが御しやすいと思うか。それは韓国である。物を与えれば、簡単に尻尾を振ってくるタイプの国だ。民主主義は独裁主義より強い。この歴史的事実を反芻すべきだろう。独裁主義国家は、一夜にして滅ぶのが歴史の教えだ。情報管理の結果、倒れる寸前まで当事者以外は分からないのだ。