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韓国は5月30日から、先の総選挙で選ばれた国会議員による第21代国会が始まる。日本として注目すべきは、韓国第20代国会で廃案になった、旧徴用工補償案のいわゆる「文喜相(ムン・ヒサン)法案」が、可決されるかどうかである。

 

第21代国会がスタートしなければ、どうなるか状況は掴めない。ただ、次の記事にあるように、日本側から韓国へボールが投げられたわけで、韓国も無視できない動きとなろう。

 

『朝鮮日報』(5月27日付)は、「文喜相議長の徴用補償案『韓国国会で通過すれば安倍首相はすぐ日韓首脳会談に出る』」と題する記事を掲載した。

 

(1)「日韓議員連盟の河村建夫幹事長は26日、「(韓国第20代国会で廃案になった、いわゆる)文喜相(ムン・ヒサン)法案や、これよりもさらに進展した案が次の韓国国会で通過すれば、安倍晋三首相は文在寅(ムン・ジェイン)大統領と首脳会談をし、輸出規制が解かれることになるだろう」と述べた。文喜相国会議長が代表発議した「文喜相法案」は韓日の企業と両国国民の寄付で徴用被害者に補償する内容を含むものだ」

 

このパラグラフは、日本側が日韓関係改善の糸口を明確に示したものだ。旧徴用工賠償問題について韓国が法案を可決すれば、日韓首脳会談を開き輸出手続き規制を解除するだろう、という話である。逆に言えば、韓国国会が補償案を成立させない限り、日韓首脳会談を開かないこと。輸出手続き規制の解除もない、と鮮明にしている。

 


第21代国会は、与党が177議席(定員300)という圧倒的多数を占めている。極論を言えば、与党案はすべて成立する環境である。その与党からは、反日的行動が一層、強まる兆しを見せている。例えば5月24日、国立ソウル顕忠院で開かれた行事では、「親日派の墓を顕忠院から撤去すべき」とし「(第21代国会で)親日派墓撤去法を作らなければいけない」という発言が飛び出したのだ。

 

こういう中で、旧徴用工補償案が可決される見通しは、全くつかないと言うべきだろう。となれば、日韓関係は改善される可能性はさらに遠くなる。

 

(2)「これは、河村氏が同日、国会事務室で本紙のインタビューに応じ、「文喜相法案が座礁したのは遺憾だ。韓国の次期国会でも両国関係を改善する法案を引き続き推進してほしい」として、述べた言葉だ。河村氏は「今月13日にも官邸で安倍首相に会い、韓国の状況について話した。安倍首相は韓国の国会が変わっても日韓関係のため引き続き努力してほしいと言った」と語った」

 

安倍首相は、日韓関係改善意欲が強いことを韓国側へアピールしている。ただ、それが無条件でないことを明確にしていることも事実だ。

 

(3)「河村氏は先月15日に投票が行われた韓国の国会議員総選挙運動時、安倍首相の官邸の雰囲気が深刻だったとも話した。「当時、韓国与党から反日表現が出て、反日を選挙に利用する動きがあったため、首相官邸では非常に敏感に受け止め、注視した」というのだ。また、「安倍首相の周辺に嫌韓・反韓性向の人物たちがいないとは言えない」「首相官邸には、韓国与党が反日を選挙に利用するのを許してはならない、という動きがあった」と言った。それほど韓日関係はきわどい状況だということだ。

 

韓国の先の総選挙で、韓国与党は「韓日決戦」とあからさまに反日を煽って選挙戦に臨んだ。これは、日本側の心情を痛く刺激した。本欄も、こういう反日で選挙戦を戦うという非常識を強く非難した。選挙に勝つために隣国を罵倒する。異例の話である。こういう与党が、徴用工賠償案を可決するか、疑問符がつくのである。

 


(4)「河村氏は、日本では最近、「尹美香(ユン・ミヒャン)事件」に注視している、とも語った。河村氏は「特定団体が慰安婦問題を利用して物議を醸しているという話が毎日報道されている。今回の事件が、両国の未来志向的な関係を作っていくきっかけになることを願う」と述べた」

 

「尹美香事件」とは、元慰安婦支援団体が集めた募金が、支援団体代表者の尹美香氏によって、自分の財産形成に流用したという疑惑事件である。すでに検察捜査のメスが、二度も加えられる大型犯罪の様相を呈している。この団体が、日韓慰安婦合意を破棄させる上で、大きな影響を与えた。この事件が落着して、韓国で日韓問題を冷静に考え直す雰囲気が生まれるか。日本側は、好転を期待している、というのである。