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中国共産党は、プロパガンダの一環として、世界中に孔子学院を開設している。その実態は、文化施設の範囲を超えている。スパイ活動や中国留学生の監視など、およそ文化事業にそぐわない活動を行なっている。米国では、FBI(連邦捜査局)が常時、監視体制下において、違法行為に目を光らせている。

 

米国のシカゴ大学と言えば、リベラルな思想で有名である。ノーベル経済学賞受賞者も多く輩出している。この大学にも、孔子学院が開設されていた。だが、自由と民主主義のメッカに、共産党のプロパガンダを行なう孔子学院は似つかわしくないと、すでに閉鎖されている。こういう動きが、全米で始まった。

 

孔子学院は、中国政府教育部(文部科学省)の下部組織・国家漢語国際推進指導小組弁公室(漢弁)が管轄している。近年、米国では学生父母や教職員の反対を受けて、いくつかの孔子学院が閉鎖された。またベルギー政府は、孔子学院代表がスパイ行為を働いたとして、欧州22カ国への8年間の入国禁止措置を取った。

 

『大紀元』(5月29日付)は、「孔子学院の永久閉鎖を求める公開書簡、米両党学生指導者が署名」と題する記事を掲載した。

 

米民主党と共和党に所属する学生団体のリーダーらはこのほど、国内のすべての孔子学院の閉鎖と、米国の大学における中国共産党の影響力の制止を政府に求める共同公開書簡に署名した。

 

(1)「非営利団体「アテネ研究所」が5月13日に発表した公開書簡は、中国共産党が「米国の大学に孔子学院を設置し、米国や世界の大学での言論をあからさまに強要・統制しようする、学問の自由に対する脅威」とした。協会は書簡を通じて、米政府に対して、国内すべての孔子学院の即時かつ恒久的な閉鎖を求めている。この書簡は、超党派の学生団体リーダーたちも支持した。共和党の青年団体「大学共和党全国委員会」は公開書簡を支持する声明をSNSに発表した。「私たちは米国の大学に強いメッセージを送る。中国共産党と提携し、中国政府によって資金提供されている孔子学院との関係を断ち切るべきだ。大学の学問の自由が危険にさらされている」としている」

 

孔子学院が、中国語と中国文化の普及という純然たる教育活動に専念しているならば、閉鎖要求は、「学問の自由」を侵害する行為として許されない。だが、共産主義の宣伝活動を行い、中国批判の文化的行事を圧迫中止させるという横暴な振る舞いは論外である。米国の学生が超党派で閉鎖要求を出したのは、自然の流れである。

 


(2)「公開書簡の発起人のひとりは、アテネ研究所会長は、米国のカトリック大学の2年生ローリー・オコナー氏だ。 オコナー氏はボイス・オブ・アメリカ(VOA)の取材に対して、全米で超党派の学生団体を含む多くの支持を得たことは、米国の若い世代の、中国共産党による影響の懸念を反映しているのではないかと述べた。全米学者協会によると、米国ではまだ約80の孔子学院が運営されている。中国政府の公式説明では、孔子学院は中国語と中国文化を普及させるために設立された。一時には国務院が「中国の社会主義を拡散する」目的があると説明していた。漢弁の総主任はかつて、共産党中央統一戦線工作部部長の劉延東氏が務めた」

 

孔子学院は、中国国務院(内閣)から「中国の社会主義を拡散する」目的があると説明されていた。孔子学院が、共産主義を拡散させる政治目的で開設されていることは事実なのだ。共産主義シンパを増やし、スパイ要員に仕立てようという狙いだ。

 

(3)「米大学民主党のバージニア州委員長エリカ・ケリー氏は公開書簡に署名した。ケリー氏が通うジョージ・メイソン大学にある孔子学院は、中国問題専門の教員の学術活動を妨害し、チベットや新疆ウイグル問題のイベントも中止に追い込んだ。ケリー氏は、孔子学院は米大学の学術・言論の自由を侵害しているだけでなく、一部の中国人学生に不安を与えたと指摘した。 書簡は、中国共産党の全体主義体制と中国人民とを区別しなければならないとした。公開書簡は、すべての孔子学院の恒久的な閉鎖のほか、中国大使館によるプロパガンダや抗議活動の招集の禁止、中国政府からの資金提供の禁止などを提案した

 

中国共産党が、ここまでプロパガンダを行なう理由は何か。世界での孤立を恐れているのだろう。共産主義政治は、民主主義政治と比べて独裁制であり、普遍的価値観から逸脱している。いわば、非人間的存在である。国民を監視しなければ存続できない政治。それが、共産主義政治の現実である。自由を謳歌している民主主義政治下の学生に、共産主義を受入れる余地はない。だから、執拗なまでのプロパガンダが必要なのだ。