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韓国は、これまで新型コロナウイルスの治療で効果を上げたと、国を挙げて勝利感に酔ってきた。その後、ソウルで集団感染が発生して一時の勝利感は消え失せている。首都圏で物流センターなどを中心に新型コロナウイルス感染者が増えているのだ。29日一日の新たな感染者は39人。防疫当局は、首都圏の感染拡大を防ぐため5月29日から6月14日まで首都圏に限り公共施設の閉鎖を継続する予定だ。

この緊急事態は、日本にとっても他人事ではない。油断をすると逆戻りするリスクと隣り合わせである。そのように自戒しつつも、韓国におけるこれまでの「コロナ勝利感」は並外れていた。

 

文政権支持メディアの『ハンギョレ新聞』(5月21日付)は、次のように報じて日本を侮辱していた。「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対応の過程で立証された開放性、民主性、透明性など、韓国社会の力量は日本のそれを上回る」と書き記したのである。

 

この傲慢な論調を咎める発言が、飛び出してきた。韓国国立外交院の金峻亨(キム・ジュンヒョン)院長は5月28日、韓国における新型コロナ防疫の成果について、「いわゆるクッポン(自国の文化を自慢して悦に入ること)に陥らないためには、行き過ぎた期待や傲慢(ごうまん)は捨てるべきだ」「防疫に成功したのは偶然ではないが、われわれに全てを可能にさせる機会とはならない」と指摘した。クッポンとは国家とヒロポンを合わせた合成語で、行き過ぎた愛国主義を意味する。以上は、『朝鮮日報』(5月29日付)が伝えた。

 

『ハンギョレ新聞』は、今になって見ると、「しまった」と恥じ入っているだろう。防疫対策の基本は、全数調査つまりPCR検査数を増やせば、それで良いのではない。クラスター対策こそ防疫対策の基本である。日本のメディアでさえ、こうした認識を持たず、「韓国を見習え」と絶叫していた。防疫対策でも、原理原則に従うことが肝心なのだ。

 

日本の防疫対策を「模範」とする見方が出てきた。

 

『日本経済新聞 電子版』(5月30日付け)は、コロナ対策、日本が『手本』、ドイツ第一人者が指摘、戦略転換も」と題する記事を掲載した。

 

ドイツの著名なウイルス学者であるシャリテ大学病院のクリスティアン・ドロステン氏が28日、日本の新型コロナウイルス対策を「近い将来の手本にしなければならない」と語った。一部の感染者から多くの感染が広がっている現象に注目し、日本のクラスター(感染者集団)対策が感染の第2波波を防ぐ決め手になりうるとの考えを示した。

 

(1)「ドロステン氏は、新型コロナの検査の『最初の開発者』(メルケル首相)とされ、ドイツ政府のコロナ対策にも大きな影響力がある。2003年の重症急性呼吸器症候群(SARS)の共同発見者としても知られるウイルス学の第一人者だ。ドイツではドロステン氏が連日配信するポッドキャストの人気が高い。同氏は28日の放送で「スーパースプレッディング」と呼ばれる一部の感染者から爆発的に感染が広がる現象を取り上げ、これを防ぐためには対策の修正が必要で、日本の対応に学ぶ必要があるとの考えを示した」

 

日本の防疫対策の専門家は、WHO(世界保健機関)に勤務した経験者が多く、その対策で手抜かりのあるはずがなかったのだ。WHOの第4代事務局長は、日本出身の中嶋宏氏である。1988~1998年と10年間、その職にあった。WHOの運営に貢献してきた国である。それが、韓国から罵倒されるほど酷い防疫対策をするとは思えないのだ。韓国の甚だしい思い上がりと言うべきであろう。

 

(2)「ドロステン氏は、日本がほかのアジア諸国と比べれば厳格な「ロックダウン」なしに感染を押さえ込んでいると指摘。ひとたびクラスターが見つかれば、検査よりも先に関係者全員を隔離することが戦略の「核心」になっていると説明したもともとドイツは、多くの検査で新型コロナを封じ込めた韓国を対策の参考にしてきた。日本の対策は分かりにくいとの声が強かったが、英語での情報発信が最近増え始めたこともあり、注目が高まりつつある。

 

日本の対策は分かりにくいと評されたのは、メディアなどの非専門家の野次馬集団が、政府を攻撃していたからであろう。どれだけ間違えた発言が多かったか。今、振り返っても赤面する人たちは多いはず。素人は、口出しせずに専門家の意見を尊重することだ。

 

ドイツは、ヨーロッパでコロナ対策の模範国とされている。そのドイツ専門家が、日本のクラスター対策に注目している。日本は、これまでの対策に自信を持ち、足りなかった部分を強化すれば万全の対策となる。

 

(3)「ドイツは検査数や病床などの医療体制で日本を上回り、ほかの欧州諸国と比べれば死者数も低く抑えている。ただ、感染の第2波を避けながらいかに正常化を進めるかが課題で、日本のクラスター対策やスマホアプリを使った追跡など、新たな対策を取り入れようとしている」

 

日本も気を緩めず、コロナ第二波、第三波に備えなければならない。最終的には、コロナ犠牲者を一人でも減らすことだ。日本で、人工呼吸器治療を受ける患者の7~8割が、生還している。米国では、その生還率が1割という。日本は患者への初期対応が良く、生還率を高めているというのだ。以上は、日本医師の証言である。米国医師も、横浜での大型クルーズ船感染者治療に参加して、日本の医療技術の高さに舌を巻いていた。このことは、すでに本欄で報じた。