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中国は、自らが発症地となった新型コロナウイルスによる都市封鎖によって、経済基盤は大きな痛手を受けている。先進国は、一斉に財政支出を拡大し救済に乗出している。中国には、もはやその力が尽きたのか、2005年に禁止したはずの露店を奨励し、雇用対策の柱にし始めている。李首相までがこれを奨励する事態だ。中国経済の基盤は、これほどまでに脆弱そのものだ。

 

習氏は48日、中国共産党の最高指導部の会議で「我々は複雑で厳しい国際的な感染状況と世界経済の情勢に直面しており『底線思考』を堅持しなければならない」と訴えた。「底線思考」とは、最悪の事態も想定して行動するとの意味である。『日本経済新聞』(6月1日付)がこう報じるように、中国経済は「最悪事態」へ嵌り込んだ。すべて、習氏の独裁体制がもたらした危機である。

 

『大紀元』(6月1日付)は、「中国、取り締まる対象の『露店』を奨励へ 景気回復の対策に」と題する記事を掲載した。

 

中国当局が5月下旬、全国人民代表大会(全人代、国会に相当)と全国人民政治協商会議の閉幕後、景気回復対策として、「地攤(ディータン、露店)経済」を推し進めている。当局は2005年以降、都市景観を悪化させているなどとして、各地の「城市管理行政執法局(城管)」を通じて、露天商への取り締まりを強化してきた。当局の政策転換について、中国ネット上では、もてあそばれたとの声が上がった。

 

(1)「中国の李克強首相は5月28日、全人代閉幕後の記者会見で、月収1000元(約1万5000円)の中国国民は6億人いると発言した。また、「1000元では、中規模の都市で部屋を借りるのも難しい」と話した。李首相は「雇用の安定、国民生活を守ること」が政府の最も重要な任務だと強調し、四川省成都市政府が雇用のために「露店経済」を導入したことを称賛した。中国当局は1980年代初期、文化大革命で壊滅的な打撃を受けた経済を立て直すために、露店や屋台などの路上の経済活動を奨励していた

 

「朝令暮改」と言うが、「露店経済」もその類いだ。2005年、都市の美観を損ねるとして、強引に露店を禁止した。それから15年、今度はその露店を奨励するという。2005年と言えば、中国経済がGDP世界2位に向けて大車輪の急成長を遂げていた時期である。最早、露店に依存せずとも雇用を確保できるという強気の姿勢であった。それが現在は、露店を奨励しない限り失業者を減らせない。そういう切羽詰まった環境に追い込まれている。習近平氏の完全な敗北である。1980年代の文化大革命時、経済の大混乱を乗り切る手段として露店経営が奨励された。現在は、その二の舞いを演じているのだ。

 

(2)「新型コロナウイルスのまん延に伴い、国内での経済活動停止や消費低迷、海外からの受注激減などで、中国経済は大打撃を受けた。今年3月、成都市の都市管理当局、城市管理委員会は新たな規定を公表し、市民が繁華街で露店や屋台を経営することや、商店が道端に臨時の出店を置くことを許可した。これ以降、上海市、甘粛省、浙江省など各地の地方政府も同様の政策を打ち出した

 

成都市で、この3月から始まった露店奨励は現在、上海市、甘粛省、浙江省など各地に広がっている。華やかな都市の上海の路地裏では、この露店が軒を連ねて呼び込みをやっているのだろうか。

 

(3)「5月27日、中国共産党中央精神文明建設指導委員会は、今年の「文明都市」ランキング評価の基準に、「道端での露店や市場の開設、露天商による営業」の項目を設けないと発表した。李首相の発言を受けて、「露店経済」はSNSやメディアの注目ワードとなった。中国メディア・証券日報などは、相次いで評論記事を掲載し、露店経済は雇用の安定化に重要な役割を果たすと主張し、「露店は不衛生で無秩序だ」とする今までの論調を変えた」

 

「文明都市」ランキング評価では、「露店のない」ことが基準に入っていた。それが、今ではこの露店項目を削除しているという。メディアの評論記事では、「露店経済は雇用の安定化に重要な役割を果たす」と主張する始末だ。中国経済が、1980年代の文化大革命時に匹敵する混乱状態であることを物語っている。

 


(4)「一部の中国人ネットユーザーは、当局の政策転換について深刻な経済悪化を反映したと冷ややかな見方を示した。

「露店を推進しているということは、景気がかなり悪いということだ」

「中国経済に冬がやってきた。単に資金を供給するだけでは、もう問題を解決できないという状況だ」

「私が子どもの時、(文化大革命の)四人組が失脚した後、中国は露店経済を発展させた。自分が中年の大人になった今、またも露店経済に出会うなんて」と、中国経済の現状は文化大革命が終わった後の状況に似ていると示唆した」

 

(5)「中国当局が2005年に各地で屋台や露店への取り締まりを強めて以降、城管の職員と露天商の衝突や、職員らによる暴力事件が頻発した。ネットユーザーは、当局の政策に翻弄されていると不満の声を上げた。

「景気が悪くなったから、(メディアは)毎日喜んで露店経済を報道して、政策をほめている。でも、城管が露天商に暴力をふるって、商品を無理やり没収した時、なぜ報道しなかったのか?」

「露店や屋台を排除するとき、景観に悪いとか不衛生だとか批判していたのに、今は『(屋台から食べ物の)いい匂いがする』と称賛しているのはおかしい」

 

SNSに現れた庶民の怒りと嘆きだ。習氏は、「中国の夢」を煽って8年、追放したはずの露店経済を奨励せざるを得なくなった。習氏の罪は重い。