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中国の国有企業には、一片の誠実さもない。貧困国パキスタンの「中パ経済回廊」工事で30億ドル規模の巨額水増し請求をしていたことが発覚した。中国政府は、「一帯一路」という大義でインフラ工事を促進している。真意は、相手国から暴利を貪ることが目的である。すでに、多くの発展途上国を「債務漬け」にし、担保を取り上げる「高利貸し稼業」を行なっている。中国に手玉に取られている国は、悲劇と言うほかない。

 

『大紀元』(6月2日付)は、「中パ経済回廊、中国企業が建設費用水増し請求、30億ドル規模=報告書」と題する記事を掲載した。

 

中国政府が推進する巨大経済圏構想「一帯一路」の目玉の1つ、「中パ経済回廊」(CPEC)計画は、中国の融資や契約内容の不透明さで窮地に立たされている。パキスタンのイムラン・カーン首相が国民に高額な電気代を支払わせた問題を調査するために発足した監査委員会は、中国企業の略奪行為を非難した。

 

(1)「620億ドル(約6兆6400億円)規模の同プロジェクトは当初は、港湾や道路の整備、パイプライン、数十カ所の生産施設、パキスタン国内最大規模の空港などを建設する目標を掲げた。米外交誌『ザ・ディプロマット』の5月18日報道によると、同プロジェクトの建設を請け負った華能山東如意電力会社(HSR)サヒワル石炭火力発電所と電力会社ポート・カシム(PQEPCL)が建設費用を水増し、過大請求などの問題が発覚した。パキスタン政府は、中国と「鉄の友情」で結ばれたと国民にアピールしてきた。しかし、中国の会社はパキスタンから利益を巻き上げたとき、少しも手加減しなかった

 

パキスタンと言えば万年、外貨不足の国として有名である。IMF(国際通貨基金)から、緊急融資を受ける常連国だ。その資金欠乏症に悩むパキスタンから30億ドルもの「巨額詐欺」も同然の水増し請求をしていたとは驚く。中国と接近して損する国は後を絶たないのだ。

 


(2)「『電力セクター監査委員会』は278ページの報告書をまとめた。独立系電気セクターだけでも(パキスタンにとって)6.25億ドルの損失を算出し、少なくとも三分の一の損失は中国系企業が請け負ったプロジェクトに関わっていると結論付けた。パキスタン政権を主導するパキスタン軍はCPECプロジェクトに深く関与している。同プロジェクトのトップである軍幹部のジャバン・アシム・サリム・バジワ氏は情報放送相(SAPM)の特別補佐官も務め、軍メディア部門である軍統合広報局(ISPR)の局長をも兼任している」

 

パキスタン政権を支配する軍部は、「中パ経済回廊」(CPEC)計画に深くコミットしている。軍部は裏で中国政府と結びつき、パキスタン政権をコントロールしている。現パキスタン政権発足時に、中国外相が厳しい要求を突付け、IMFからの要求でも中国からの借款条件を公表しないように圧力を掛けたほど。公表されれば、中国に不都合な契約条件が明らかになるためだ。周辺国は、中国の食いものにされている。その一つが、パキスタンである。

 

(3)「報告書によると、関連プロジェクトのセットアップコストが高すぎたという。例えば、中国企業が請け負った2箇所の火力発電所とも、ミスによって「建設中の利子」がコストとして計算され、早期竣工の可能性も考慮しなかったため、建設費用は大幅に増加、2.04億ドルにものぼった。契約書に記載された工期は48カ月、つまり48カ月分の利息を支払わなければいけないが、実際には27~29カ月で完成した。これで18億ドルも無駄になった。パキスタンの専門チームがこの2つの火力発電所プロジェクトの建設費用を審査したところ、30億ドルも水増しされていたと発覚した。水増し部分は中国山東省の電力会社に23億ドル、PQEPCL社に6.72億ドルがそれぞれ支払われた」

 

下線部のように、「建設中の利子」がコストとして計算されたという。コストの二重計算になる。この初歩的な「ミス」は、故意に行なわれたに違いない。こういうミスを冒すほど経理に暗い人間が、何十億ドルという契約当事者になっているはずがない。明らかに、故意である。それを見逃す「共謀者」が、パキスタンと中国でタッグを組んでいたのである。

 


(4)「調査委員会は、華能山東如意電力会社とPQEPCLから2.04億ドルのコストカット、利息計算の修正および関税の調整を提案した。また、ただ2年で、華能山東如意電力会社はすでに初期投資の約72%を回収し、PQEPCL社も運営開始初年度に投資総額の約32%回収したという。報告書は、620億ドル規模の同プロジェクトから中国企業が暴利を得たことが誰にも気付かれなかったとは考えられないとし、会社内部やパキスタン協力会社の油断か意図的に見過ごされた可能性もあると分析した。スリランカ政府とモルディブ政府の経験から、これらの過剰支払いはパキスタン政府指導者の共謀と関係者の汚職によるものだと報告書は示唆した」

 

下線部のように、初期投資の回収が2年間で72%とか、初年度で32%というのは、あり得ない話だ。「泥棒」にも匹敵する超暴利を貪っている。その分、パキスタンが極貧に追い込まれているのだ。これが、中国の標榜する「一帯一路」の搾取メカニズムである。中国の甘言を信じてはいけない。私は、強くそれを訴えたい。