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韓国の中央銀行である韓国銀行が、日本の新型コロナウイルスについての報告書を出した。他国のことについてまでご苦労なことだ。内容は批判的だが、日本の「再生産数」(1人の感染者が何人の人に感染させたかを示す)は、ステージ3に移行後の現在も大きく跳ね上がることなく推移している。韓国やドイツなど、これまで「コロナ優等生」と称させた国々の再生産数は跳ね上がっているのだ。日本は、まだ油断できないが、滑り出し順調である。「中間試験」は、合格点である。

 

『中央日報』(6月22日付)は、「韓銀、日本『今年中に観光産業回復は難しいはず』」と題する記事を掲載した。

 

韓国銀行(韓銀)は21日、報告書「海外経済フォーカス」で、「日本国内の医療・防疫体系に対する憂慮と新型コロナ治療薬・ワクチン開発時期などを考慮すると、今年中に観光産業が回復するのは難しいはず」という見方を示した。

(1)「韓銀によると、日本国内の一日の新型コロナ感染者数は

4月7日(緊急事態宣言)351人

4月11日(最多)714人

5月25日(緊急事態宣言解除)20人

6月15日60人

減少傾向にあるが、低調な検査件数、感染経路不明などで外国人観光客の不安感は相変わらずだ」

 

ここでも、低調な検査件数をヤリ玉に上げている。韓国のような「全数調査」に比べれば、日本は少ない。だからと言って、感染者を野放しにしている訳でない。日本は、クラスター調査という防疫対策の基本に忠実だ。韓国の全数調査は邪道である。医療資源の浪費であり、医療崩壊を起こす原因だ。韓国は現に、重症患者を収容するベッドの余裕がなくなり、関係者が頭を痛めている。日本はゆとりを取り戻してきた。

 


(2)「日本の人口100万人あたり検査件数は2678人と、米国(7万4927人)、ドイツ(5万6034人)、フランス(2万1215人)などの主要国と比べてかなり少ない」

日本は、人口100万人あたり検査件数が2678人である。米・独・仏と比較して、計算違いをしているのでないか錯覚させるほど少ない。東京都は6月13日、「ステージ3」へ移行した。日本における最大の感染源になっている東京が、新たに歓楽街従業員のコロナ検査を重点的に行なっている。その結果、新規感染者数は増えている。だが、6月21日現在の「再生産数」は、1.33(東洋経済オンライン調査)と基準の1を若干上回る程度で推移している。爆発的な状況ではない。

 

日本は、人口当りのコロナ検査数がここまで低くて、再生産数が「横ばい強」で推移している。これは、まさに世界の奇跡である。韓銀は、「低調な検査件数、感染経路不明などで外国人観光客の不安感は相変わらずだ」と皮肉っている。だが、抗体検査による東京都の陽性比率(抗体保有率)は0.1%に過ぎない。大阪府は0.17%、宮城県は0.03%だった。厚生労働省は「抗体保有率は感染率よりも高かったが、大半の人に抗体がないことが分かった」としている。

 

要するに、検査数が少ないからと言って、未発見の感染者がウヨウヨいるのでない。これは、世界コロナ7不思議に数えられるであろう。日本人が、ルールを守って生活していることと、防疫体制の奮闘による結果である。

 


『中央日報』(6月22日付)は、「ソウル市長、『この傾向が続けば1カ月後には感染者が一日に800人余り発生する可能性も』」と題する記事を掲載した。

 

ソウル市長は22日、ソウルと首都圏内の新型コロナウイルス感染症が引き続き拡大傾向にあるとし、もしこの傾向のまま続けば1カ月後に新規感染者数が一日に800人余りに達しかねないと強く懸念した。

(3)「朴氏はこの日、「感染病専門家によると、4月30日から6月11日まで全国平均R値(再生産数)が1.79に急激に増加した状況」としながら、「この水準のまま行くと、1カ月後には一日の感染者数が800人余りに達するものと予測された」と明らかにした。朴氏は「このまま行けば今が2次大流行1カ月前ということ」とし「(2次大流行が発生し)夏季や秋季、もしくは冬季のインフルエンザ流行と重なる場合、今の医療防疫体系が崩壊する最悪の状況を迎えかねない」と憂慮した」

 

全国平均R値(再生産数)が、4月30日から6月11日まで1.79に急激に増加している。東京都だけの過去の再生産数を東洋経済オンライン調査に基づくと、次のような結果だ。

 

5月28日 1.80(ピーク)

6月13日 0.95(ボトム:ステージ3へ移行)
6月21日 1.33

 

東京都の再生産数が、韓国と様相を異にしている。こういう事実が、韓国では意外と知られていないのだ。

 

ドイツ政府の国立感染症研究機関であるロベルト・コッホ研究所(RKI)によると、「再生産数」が6月21日に2.88と前日の1.79を大幅に上回った。『ロイター』(6月21日付)が報じた。ドイツは、にわかに危機感を高めている。

 

日本は油断していけないが、「中間試験」の結果は上々である。安倍首相は、6月21日(日曜日)に何ヶ月ぶりかで休養できたという。