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中国は、共産党一党の独裁体制が続くかぎり、コロナウイルスの早期発見・早期発表は不可能であることが分かった。現在、首都北京市が「コロナ第二波」に襲われている。情報管理(隠蔽)が厳重で、SNSで死者数を書いた人物が逮捕されるなど、相変わらずの事態だ。

 

英国のサザンプトン大学は、武漢市があと2週間早く封鎖されていれば、最大で感染を95%減らせた可能性があるとの試算もあるほど。世界にとって、中国共産党の隠蔽体質が大きな荷物になっている。

 

『大紀元』(6月23日付)は、「武漢から北京に医療チーム派遣、感染巡る『デマ』でまた逮捕者」と題する記事を掲載した。

 

新型コロナウイルスの感染者が、増加している中国北京市の衛生当局は620日、市内にある8病院の責任者と5つの区政府の幹部に事情を聴取した。また、湖北省武漢から医療チームが派遣され、北京市の感染状況が依然として厳しいとみられる。

 

(1)「中国紙『北京青年報』によれば、北京市衛生健康委員会のスポークスマン高小俊氏は20日の記者会見で、市内の主要8病院の責任者と、東城区や朝陽区などの5つの区政府の幹部に対し、病院内の感染防止対策について、聴取を行ったと述べた。中国メディアの報道では、北京市の蔡奇・共産党委員会書記と陳吉寧・市長は6月12日夜、関係幹部を緊急に呼び出し、事情を聴き、「厳しく叱責した」。14日、豊台区の副区長や、今回の発生源とされる新発地農産物卸売市場の責任者は、防疫対策が不十分だったとして罷免された。16日、市政府は新型ウイルスへの警戒レベルを引き上げ、一部の集合住宅で外出規制措置を実施した」

 

下線部に、中国共産党の異常さが見られる。防疫責任者を罷免するという権力執行で、コロナ禍を防げる問題ではない。これが、感染情報を隠蔽させる原因である。武漢市では、まさにこれが感染拡大の一因となった。感染情報をオープンにすることが、感染防止の上で最大の効果を上げる。こういう、防疫上の知識がなく権柄(けんぺい)一方の独裁体制が存続する限り、中国は永遠に新型コロナウイルスの発症地となろう。

 

(2)「北京市は21日、感染者が10の区に広まったとし、4の地区を感染の「高リスク地域」に、37の地区を「中リスク地域」に指定した。中リスク地域の中には、政治の中枢である中南海や、共産党・軍・政府の重要機関が密集する西城区の月壇街道や金融街街道もある

 

中国政治の中枢部門が、「感染症中リスク地域」に該当することになった。これでは、中国のメンツは丸潰れだ。怒りの余り、防疫責任者が罷免される騒ぎになったのであろう。誰かをヤリ玉に上げなければ不満が収まらない。独裁社会特有の振る舞いだ。

 

(3)「市当局の22日の発表では、11日から21日まで感染者が計236人となった。北京関連の感染症例は浙江省、遼寧省、河北省、四川省と河南省で確認された。ウイルスの発生源である湖北省武漢市からは、70人からなる医療支援チームが北京市の各病院に派遣された」

 

湖北省武漢市からは、北京市へ70人からなる医療支援チームが送り込まれたという。北京が、医療崩壊を起こしている証拠だ。

 

(4)「中国当局は引き続き、感染に関する情報統制をしいている。北京市警察当局は19日、感染に関するデマ60件を捜査しており、すでに市民1人を刑事拘留し、9人を行政拘留したと発表した。警察によると、行政拘留した市民のうち、31歳の男性市民が「北京市での感染拡大で、早くも40人が新型コロナウイルスで死亡した」とネット上に投稿した。中国人ネットユーザーは、北京市警察当局の公表について、昨年12月末ネット上でウイルスを警告して警察当局から訓戒処分を受けた「武漢市の李文亮医師ら8人を思い出した」と批判した」

 

中国当局にとって、不都合な情報が出るとすぐに弾圧する。これが、習い性になっているので、今回も市民1人を刑事拘留し、9人を行政拘留したという。これが、感染を拡大させる逆作用をすることに気付かないのだ。武漢市で、その失敗例があるのに学ばない。専制社会の悪弊である。

 

『ロイター』(6月19日付)は、「中国の公衆衛生改革、専門家は効果を疑問視『検閲中止が必要』」と題する記事を掲載した。

 

中国政府は5月下旬、将来のウイルス感染拡大に備えて、同国の疾病対策センター(CDC)の権限を強化する改革を打ち出したが、国内外の一部の専門家からは、効果は限定的ではないかとの声が出ている。

 


(5)「新型コロナウイルスの流行を巡っては、情報隠蔽とソーシャルメディアの検閲が感染を広げる要因になったとの見方が多いが、今回の改革ではそうした問題に完全には対処できないという北京のCDCで副責任者を務めていたYangGonghuan氏は「(地方政府が)感染拡大に伴う社会不安を危惧することが中国の最大の問題だ」と指摘。「このため地方政府は、報道機関や(新型コロナにいち早く警鐘を鳴らし、その後感染により死亡した医師である)李文亮氏のような人物に情報を広めてほしくないと考える」と述べた」

 

中国は、疾病対策センター(CDC)の権限を強化する改革を打ち出した。その具体策が見えないのだ。政治が、疫病情報に介入する現状を変えない限り、事態は改善しない。今回の北京市の実例が、それを示している。

 

(6)「新型コロナは1月初旬に初めて特定されたが、中国当局が湖北省武漢市を封鎖するまで16日かかった。国家衛生健康委員会の馬暁偉主任も今月、ウイルス対策で「一部の問題と欠点が露呈した」ことを認めたが、詳細には触れなかった。中国政府は、こうした問題に対応するため全国で公衆衛生対策の調整を行うCDCの権限を強化し、CDCが迅速に感染症の発生を特定し、対処できる体制を整えると表明。CDCがこれまでよりも医療機関から情報を入手しやすくする体制を整備する方針も示した。ただ、こうした一連の改革は、現時点では指針案にとどまっており、施行時期や予算などの詳細は不明。海外では改革に懐疑的な見方が浮上している」

 

CDCの権限強化を謳っても、政治が介入している。すでに見た北京市の例のように、中国では感染症の早期治療が、不向きな政治システムであることを証明している。