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韓国の対日ニュースを見ていると、気の滅入る話ばかりである。これほど揉める二国関係も珍しいであろう。日本が、いかに悪い国かという記事ばかり目に付くのだ。自信喪失するが、豪州での日本評価は抜群である。

 

長いこと日本は、戦時中に豪州兵を虐待したとして評判が悪かった。1992年、私が豪州へ旅行した際、海上自衛隊員が豪州の博物館を見学した時、女性ガイドの親戚が戦時中、日本軍と戦い戦死した話を持ち出し突然、泣き崩れたという。この話が、生々しく伝わってくるほど対日感情はよくなかった。

 

それが、今はどうだろう。最新世論調査で、日本の評価はウナギ上りである。英国と僅差(2%ポイント)で第2位へ。安倍首相は、NZ首相と14ポイント差で2位である。この背後には、TPP(環太平洋経済連携協定)が発効して、豪州の農産物が大量に日本へ輸出できる環境も影響しているだろう。

 

『大紀元』(6月24日付)は、「豪州世論調査、中国への信頼は2割で過去最低、日本の信頼度は8割以上」と題する記事を掲載した。

 

ローウィー研究所が2004年以来続けている年次の世論調査は、今回、2020年3月16~29日までの間で実施された。オーストラリアの成人2448人を対象とした全国の代表的なオンライン調査と電話調査の結果をまとめた。

 


(1)「豪州シンクタンク・ローウィー研究所の世論調査によれば、コロナ危機後の豪州では、最大の貿易相手国である中国への信頼は急激に低下し、多くの人が中国への経済的依存を減らすためにサプライチェーンの多様化を望み、中国の人権侵害に対する渡航および金融制裁を課すことを支持している。いっぽう、豪州では、日本および安倍首相は信頼のおける国・リーダーであるとしてトップレベルに位置付けている。

 

豪州人と日本人の中国に対する印象は、ほぼ同じようである。サプライチェーンのハブを中国の置くことのリスクを強く感じているからだ。民主主義国は、同じような価値観であるから、中国についても結論は同じであろう。中国は、この価値観について全く無視して、経済力と軍事力だけで世界を支配できるという妄念を持っている。意識が、国際化されていない証拠であろう。ありていに言えば、「田舎国家」である。

 

(2)「調査によると、中国について「責任を持って行動する」といった信頼度に関する質問で、肯定した人はわずか23%であり、過去14年で記録された最低レベルとなった。ほとんどのオーストラリア人は英国(84%)と日本(82%)を信頼しており、米国(51%)やインド(45%)よりも圧倒的に高かった」

 

オーストラリア人は、英国(84%)、日本(82%)、米国(51%)、インド(45%)、中国(23%)の順序で信頼している。豪州にとって英国は、母国である。その英国と日本は、ほぼ肩を並べる信頼度を得ている。大いに誇りとすべきだ。韓国に悪口を言われても相殺してしまうほどの好感度である。

 

(3)「オーストラリア人の30%が、トランプ米大統領に「世界情勢に関して正しいことをする」という確信を表明しており、2019年から5ポイント増加した。中国の習近平国家主席に対する信頼は22%にとどまり、過去2年間で急激に低下した。首位は、ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相で87%、日本の安倍晋三首相が2位(73%)につけ、豪州のスコットモリソン首相(60%)と野党党首のアンソニー・アルバニーズ氏(58%)よりも高く信頼されている」

 

首相への信頼度も興味深い。NZ(87%)、日本(73%)、豪州(60%)、米国(305)、中国(22%)である。習近平氏の好感度は低くい。豪州野党党首は58%である。豪州首相と接近している。豪州経済不調の結果、野党への期待が高まっているのだろう。

 

(4)「オーストラリア人の78%は、米国との同盟は安全にとって重要であると考えている。88%は、2017年に復活したオーストラリア、インド、日本、米国の四国間安全保障対話を歓迎している。中国については、安全保障上の脅威と見なす人は41%で、経済的なパートナーとして見ている(55%)を下回った。いっぽう、94%が「オーストラリアの経済的な中国への依存度を下げるために、政府は他の市場を探すように努力すべきだ」と答えている。さらに、82%が、政府は「人権侵害に関与している中国当局者に渡航・経済制裁を課すべき」だと考えている」

 

豪州国民は、中国が豪州産小麦や牛肉に高関税を掛けて経済制裁していることで強い不満を持っている。理由は、豪州が6月に新型コロナウイルスの発症過程の国際調査を提案したことへのしっぺ返しが行なわれたからだ。これが、今回の世論調査(時期は3月)に直接的な影響を与えてはいない。豪州の中国嫌いは、地下水脈と同様に根深いものがある。価値観の相違が決定的な溝を生んでいる。韓国政府は、この中国に相当な親近感を持っている。中韓の価値観は、儒教で似通っているのだ。

 

(5)「オーストラリアの大学の経営は、海外の留学生に依存している。新型コロナウイルスによる渡航制限で、2020年、大学の収入が劇的に減少した。今回の世論調査では、43%は「大学に在籍する留学生の数が多すぎる」と答えた。オーストラリアの留学生の約38%は中国からだ。留学生の受け入れは教育産業の輸出額に含まれ、2019年は前年比15%増の377億豪ドル(約2兆7240億円)と過去最高となった」

 

豪州の大学は、中国の留学生が38%も占めている。世論調査では、留学生依存が大きすぎると指摘している。韓国は対中国との外交で、経済関係を重視する。豪州は毅然として経済関係に引っ張られず、正論を通す姿勢である。「武士は食わねど高楊枝」の心境だろう。素晴らしい国民性である。韓国に学ばせたいほどだ。