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韓国の旧徴用工補償判決が、もたらした影響は大きかった。日韓基本条約で解決済みの問題が、韓国大法院(最高裁)が否定するという前代未聞の事態である。この背景には、日韓の経済力(GDP)の差が縮まったから、「何でもやれる」という奢り意識が働いている。昨年のGSOMIA(日韓軍事情報包括保護協定)破棄騒ぎで、韓国高官は米国高官に向かい、「昔は日韓のGDP規模は数倍の差があった。今は2.4倍に縮まった」と強調した。

 

要するに、経済力の規模が縮まったから、過去の日韓の取り決めは反古にして当然、という時代錯誤の考えに囚われている。こういう国を相手にして、日本はどう対応するかである。徴用工補償問題は、日韓の今後を左右する試金石になっている。

 

日本が昨年7月まで、韓国に徴用工補償問題について話合いを申し入れていた。韓国は無視し続けていたので、半導体製造の主要3素材の輸出手続き規制を行なった。日本は手続きの厳正化をしただけで、輸出量を減らすことはなかったのである。韓国は、「反日不買運動」で対抗した。あれから1年経った。その後、問題は何も解決していないのである。この1年間、日韓経済の「損益計算書」はどうなっているか。日本の韓国への直接投資が急減して、韓国の雇用が影響を受けている。深傷を負ったのは韓国である。

 

『朝鮮日報』(6月27日付)は、「互いに刀を構える韓日『経済鎖国』1年、結論は双方に損害」と題する記事を掲載した。

 

日本の徴用工問題がきっかけとして、日本が昨年7月に韓国への経済報復を発表してから1年になろうとしている。韓国の半導体、ディスプレー産業をターゲットとして、必須素材3品目の輸出を規制し、韓国国内では「反日」、日本では「嫌韓」のムードが広まった。韓国は日本の輸出規制に対し、第三国を通じた迂回輸入、独自開発などで被害を最小化したと評価されている。しかし、互いに貿易相手国3位である韓国と日本の経済対立は勝者がないまま、双方に被害を及ぼしたと指摘されている。延世大の成太胤(ソン・テユン)教授は「韓日の対立が続けば、経済産業分野で互いに有意義な友軍を失う愚を犯すことになる」と警告した。

 

(1)「日本の韓国に対する直接投資は急減した。日本は毎年10兆~20兆円を海外に投資しているが、日本は韓日対立が本格化した昨年7月を基準にすると、韓国への直接投資が直前の9カ月(2018年10月~19年6月)の2626億円から直後の9カ月(19年7月~20年3月)の1333億円へと49%も減少した。昨年10~12月の直接直資は前年同期比で77%減となり、非製造業の投資はマイナス51億円となった。既存の投資を回収したためにマイナスとなったのだ

 

下線のように、日本の韓国への直接投資は急減している。韓国経済が冷え切っている中で、日本企業まで直接投資を控えている。また、サービス業は、投資を引き揚げている。反日が盛んでは、サービス業は成り立たないのだ。この引上げで、韓国は雇用を失った。

 

(2)「昨年の日本による海外投資は2487億ドル。第二次世界大戦以降で最高だった。それでも唯一韓国からは手を引いた。同じ期間に韓国の日本に対する直接投資も小幅減少した。過去に李明博(イ・ミョンバク)元大統領の独島訪問で韓日関係が最悪だった2012年にも見られなかった現象だ。全国経済人連合会(全経連)のイ・ジェス地域協力チーム長は「日産のような企業が韓国で突然不振に陥り、撤退までする様子を見た日本資本が韓日関係を投資リスクと判断したとみられる」と指摘した。昨年の両国の貿易総額は760億ドルで、前年を10.7%下回った。ピークだった2011年(1079億ドル)に比べると30%も縮小した」

 

日本のGDPは、韓国の2.4倍である。世界一の対外純資産国の日本と「喧嘩」を始めれば、こういう結果になるのは当然である。日本が米国と対立すれば、世界一のGDPを誇る米国から、日本が損を被るのである。

 

(3)「今年3月中旬、ウォン相場は十数年前の世界的な金融危機以降で最安値を記録した。韓国政府は米国と通貨スワップ協定を結び、韓国政府当局者は「韓日通貨スワップ」にも相次いで言及した。通貨スワップは通貨危機などの非常時に相手国に自国通貨を預け、相手国通貨を融通してもらう中央銀行間の契約だ。丁世均(チョン・セギュン)首相は「日本との通貨スワップも成立が望ましい」と述べ、李柱烈(イ・ジュヨル)韓国銀行総裁は「日本との通貨スワップも意味があり、中銀間の協力を継続する」と表明した」

 

韓国は、困った時の日本頼みである。日本が、韓国の懇請を受けても応じるはずがない。日韓通貨スワップ協定を結んでも、なんらメリットはないからだ。常日頃の意思疎通がなくて、困った時頼まれても、日本が聞くはずがない。韓国の身勝手である。

 

(4)「コロナで為替相場の不確実性が高まる中、円はドルに次ぐ「第2の安全弁」だからだ。日本にとっても韓日通貨スワップにはメリットがある。コロナで業績が悪化した日本企業が海外資産を売り、現金保有を増やす動きを見せ、円高に対する懸念が高まっているからだ。8年間にわたり日本経済を支えてきた円安を守る上で韓日通貨スワップは役立ってきた。しかし、韓日政府による通貨スワップ交渉は行われていないという。双方にメリットがあるにもかかわらず、交渉すら始められずにいる格好だ」

 

日本が、韓国ウォンを使ってドルを調達する必要はゼロである。韓国が、日本円を使いドルを調達してメリットを受けるのである。

 

(5)「安倍政権は6月18日、ベトナム、タイ、オーストラリア、ニュージーランドの4カ国の企業関係者に対し、例外的に入国を認める方針を発表したが、韓国は除外された。経済の活性化という名分だが、実際には主な貿易相手国の韓国については、「韓国を認めるが入国者が増え過ぎる」という理由を挙げた。韓国政府も他国については原則的に入国を認めつつも、日本に対しては「ノービザ入国の無効化」を維持し、強硬な対立を続けている」

 

韓国は、コロナ感染で第二波の時期になっている。この状況で、韓国からの入国を認めるはずがない。この問題は、韓国の貪欲さを100%示している。利益になるなら何でも手に入れたいという魂胆である。あれだけの反日やっているのだから、損を被っても覚悟の上でないのか。本心は、韓国による日本への「甘え」だ。この「甘え」がある限り、日韓関係は正常化しないであろう。日本は、この「甘え」を絶つべきである。