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6月25日は、北朝鮮が韓国を侵略した朝鮮戦争開戦記念日である。文大統領は、今回の記念式典で初めて出席した。過去2回は、出席を拒否している。理由は多分、北朝鮮を刺激したくなかったのであろう。今年の出席は、直前の北朝鮮による南北合同連絡事務所爆破という暴挙を無視できなかった結果だ。

 

このように、韓国大統領自身が朝鮮戦争勃発を軽視していること自体、北朝鮮の「戦争責任」を問う姿勢のないことを意味している。韓国進歩派は、朝鮮戦争を「民族統一戦争」と位置づけている。朝鮮戦争に参戦した米国は、民族統一を妨害した勢力となるのだ。この論理から、「親中朝・反日米」路線が導き出されるのである。

 

『中央日報』(6月26日付)は、「韓国戦争70周年、緩んだ安保態勢を見直す転機にしたい」と題する社説を掲載した。

 

(1)「きょうは6・25韓国戦争(朝鮮戦争)が勃発して70年目になる日だ。1953年7月停戦協定が結ばれるまで3年1カ月間続いた戦争で国軍戦死者13万7000人を含んで民間人死傷者250万人、離散家族1000万人など当時韓国と北朝鮮の人口3000万人の半分を超える1900万人が被害を受けて韓半島(朝鮮半島)の全国土が疲弊した」

 

当時の南北人口3000万人のうち、1900万人が北朝鮮・金日成の野望ゆえに大きな悲劇を被った。韓国進歩派には、この責任を追及する空気はゼロである。民族分断が固定されたままという受取り方である。朝鮮民族の6割強が人的・物的な被害を受けたことへの怒りもない。朝鮮民族特有の「宗族社会」で、曖昧にされていると見られる。

 

一方、日本へは異民族であることから、「宗族社会」の枠から外れる。75年前の日韓併合のマイナス分は、朝鮮戦争によって発生した人的・物的な損害に比べれば微々たるものだ。日韓併合で、朝鮮近代化が進んだメリットは数え切れない。それでも、「異民族」日本には、「ありがとう」はいわず、恨み辛みである。北朝鮮から受けた損害に目を瞑り、日本だけに被害を騒ぎ立てる。不思議な民族と言うほかない。

 

日本は、終戦後の食糧難時代に、米国から緊急食糧支援を受けている。これは、当時の米軍総司令官マッカーサーによる、米本国への支援要請によるもの。ワシントンは、旧敵国・日本への食糧支援を拒否したが、度重なる要請でついに実現した。マッカーサーが総司令官を解任されて帰国する際、日本人は小旗を持って羽田空港までの沿道で見送った。韓国人には、こういう日本人の細やかな心理状態が分かるはずがない。韓国人の価値観は、宗族制特有のもので、世界に通じる普遍的価値観はない。

 

(2)「今日われわれが享有している平和と繁栄は過去70年間わが国民が流した血と汗が凝結された結果であることを忘れてはならない。だが、この当然の事実が歳月の流れとともにますます忘却の泥沼に陥っていることを中央日報が韓国戦争70周年事業推進委員会、韓国政治学会などとともに実施した世論調査で確認することができた。6・25韓国戦争に最も大きい責任が誰にあると考えるかとの質問に北朝鮮を挙げた回答者は世代が変わるほど減少し20代の場合は44.1%に過ぎなかった。半分以上が北朝鮮の責任に同意しない、あるいは留保的という意味だ。全世代をあわせて韓国戦争が起きた年代を正確に覚えていない人も3人に1人以上の35.7%だった」

 

朝鮮戦争の開戦責任が北朝鮮にあるという認識は、20代で44%しかないという。これこそ教育による「歴史改ざん」の典型例である。朝鮮戦争70周年を迎え、最大の激戦地だった江原道鉄原郡(チョルォングン)の白馬(ペンマ)高地で、朝鮮半島の平和を祈る「終戦祈願文」を朗読する声が響いたという。これは、進歩派が開催した集まりだが一見、正しいように見える。だが、北朝鮮の責任を曖昧にしており、韓国にも責任があるような形になっている点が巧妙である。ここまでして、朝鮮戦争の過去を消そうとするならば、なぜ、日本に対してだけ過去を問い続けるのか。

 

朝鮮戦争による3年半の死闘と、15年間の日韓併合による近代化過程を比較すればどうなるか。日韓併合は朝鮮を開国進歩させたのだ。朝鮮戦争は、生命を奪い財産の略奪であった。このように、冷静に考えれば、韓国の反日は理屈を超えている。反日に徹するならば、朝鮮戦争の悲劇はそれ以上に忘れてはならない悲劇のはずだ。

 

オーストラリアに本部を置く「世界経済平和研究所(IEP)」による報告書、「世界平和度指数レポート」2020年度版によると、日本は9位である。韓国は48位だ。日本は、この種のランキングで多くが5位以内に入っている。「世界平和度指数レポート」は、継続中の国内・国外紛争、安全度や治安、軍事度など平和に関する3部門・23項目を点数化している。同ランキングでの上位な、次のような顔ぶれである。

 

アイスランドが1位で後、ニュージーランド、ポルトガル、オーストリア、デンマークがトップ5に入っている。5位以下は、カナダ、シンガポール、チェコ、日本、スイスの順である。韓国は、こういう日本をことあるごとに非難罵倒している。海外から見れば、非は韓国にあると見られるであろう。もっと大人になって自制を求めたい。