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6月25日は、70回目の朝鮮戦争勃発日であった。韓国文大統領は就任以来、初めて記念式に出席した。過去2回は、北朝鮮へのご機嫌取りで出席しないという韓国大統領にふさわしくない行動を取った。朝鮮戦争は、民族統一戦争と解釈しているためだろう。米国が介入しなければ、朝鮮半島は北朝鮮によって統一されて「良かった」という気持ちだ。

 

韓国を侵略した北朝鮮は、朝鮮戦争勃発記念日に「米国の対朝鮮敵対視政策の撤回は、朝鮮半島の平和と安定に向けた必須不可欠な先決条件」という長ったらしい題名の報告書を公開した。要するに、米国が北朝鮮へ融和政策を取れば、朝鮮半島は平和で安定しているという理屈だ。それには、北朝鮮の核放棄が前提である。北は、核を「護身具」として手放さないと宣言している以上、朝鮮半島に「平和と安定」は来ない構造になっている。

 

先ずは、北朝鮮の主張を聞いてみよう。

 

『中央日報』(6月26日付)は、「北朝鮮『第2の韓国戦争が再現しないという保障ない、米国が核保有で押した』」と題する記事を掲載した。

 

北朝鮮外務省は韓国戦争(朝鮮戦争)70周年を迎えて発刊した報告書で「米国からの持続的な核脅威を制圧するための力を育てていくだろう」と明らかにした。6月25日、朝鮮中央通信によると、北朝鮮外務省軍縮および平和研究所はこの日、「米国の対朝鮮敵対視政策の撤回は朝鮮半島の平和と安定に向けた必須不可欠な先決条件」という題名の報告書を公開した。

(1)「報告書は、「米国によって強要された韓国戦争はわが人民に痛恨の傷と莫大な人的・物的被害をもたらした」として、「米国が起こした韓国戦争の真相を天下に告発し、米国の対朝鮮敵対視政策の侵略的かつ略奪的な本性を暴くためにこの研究報告書を発表する」と紹介した。また、「世界最大の核保有国であり、唯一の核兵器使用国である米国がわれわれに対する敵対視政策にこだわり、極端な核脅威恐喝を繰り返している」として、「われわれは米国からの持続的な核脅威を制圧するための力を育てていくだろう」と警告した」

 

朝鮮戦争が、米国が強要したとウソを言っている。北朝鮮の金日成が、ソ連のスターリンに対して1年余も懇願して始めた戦争だ。現ロシア政府による秘密文書公開で、真実が明白になった。北朝鮮の身から出たサビなのだ。北朝鮮は、南北分断当時は、日本企業の残した発電所や製造業設備を使い、韓国を断然上回る経済規模であった。これが刺激して、韓国侵略を企てた理由である。現在は、「零落」そのもの。その日暮らしを続けている。

 


(2)「報告書は同時に、「第2の韓国戦争がまた再現しないという担保はどこにもない」とし「米国がわれわれに対する圧迫を最大化しながら対話を云々するのは幼稚な両面術策であり、非核化を訴えるのは強盗的な内心の発露」とし、米国に向かった非難の声を高めた」

 

北朝鮮の「敵」は米国である。その米国と戦争する力がないので、韓国と「戦争する」と脅しをかけているのだ。この理屈は、はなはだ理解を超えたもの。韓国に脅しを掛けて、米朝首脳会談を行ないたいという構図が明らかな以上、韓国は北朝鮮にいくらご機嫌取りをしても無駄である。北朝鮮の交渉相手は、韓国でなく米国である。この事実が明白な以上、韓国はどうするかだ。

 

文政権の対北朝鮮政策は、100%間違っている。北朝鮮から軽蔑されるだけである。ならば、腹を括ることである。米韓同盟を固めて、北朝鮮が少しでも軍事行動を取れば即刻、反応することだ。泣き寝入りしないで報復することで、北朝鮮の暴走を食い止められるのである。なまじ、同じ民族という気持ちが北朝鮮を増長させるのだ。無法者に情けは無用である。

 

一口に北朝鮮と言っても、正体は「金ファミリー」である。韓国が、この家族のご機嫌取りをしているのは滑稽である。強く出るべきだ。

 


『中央日報』(6月28日付)は、「丁世鉉元統一部長官『金正恩の対南軍事行動保留は米軍介入への懸念のため』」と題する記事を掲載した。

 

統一部長官を務めた丁世鉉(チョン・セヒョン)民主平和統一諮問会議首席副議長が、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が対南軍事行動計画を保留したのは米国の介入を避けるための選択だったと分析した。

(3)「丁首席副議長は27日に報道された読売新聞とのインタビューで、米国の偵察機が監視する中で北朝鮮が実際に武力を行使する軍事挑発に出れば、米軍の介入を招きかねないと考え金委員長が軍事行動を保留したとの考えを明らかにした。彼は、北朝鮮へのビラ散布問題を契機に、北朝鮮が韓国を圧迫したのは、「北朝鮮国内の不満を外部に回さなくてはならなかったため」であるとした。また、「南北経済協力事業再開を反映した2018年9月の平壌(ピョンヤン)共同宣言履行を韓国に圧迫しようとする策略もあった」と分析した」

北朝鮮を静かにさせる方法は、「太陽政策」(融和)でなく、「北風政策」(強硬)であることは明白だ。北朝鮮は、米国が交渉相手である。韓国がいくら融和政策を取っても無駄である。この限界を明瞭にすれば、「目には目を歯には歯を」という強硬策が平和を維持する上で必要だ。一般の外交原則の基本に立ち返ることである。なまじ、同じ民族ということが災いしている。一度は、「心を鬼にする」ことも必要である。

 

今回の騒ぎ(南北合同連絡事務所爆破)から、予定している次の軍事行動を取り止めた裏には、米軍の空母三隻が朝鮮半島へ向かったという事実に怖じけついたのであろう。説法だけでは、極悪の無法者を取り締まる上で効き目があるはずがない。縄と棍棒が暴発を止めるのだ。世に、警察が必要な理由はこれである。米軍の駐留によって、朝鮮半島の平和が維持されている。この事実を見直すことだ。

 


『朝鮮日報』(6月28日付)は、「中国を通して北朝鮮に影響を行使? そのような幻想は捨てよ」と題する書評を掲載した。

 

池海範(チ・へボム)著『中国は北朝鮮をどう扱うか』という書評記事である。韓国は、中国を通して北朝鮮を動かせるという幻想を捨てなければならない、という主張だ。著書は、「中国は北朝鮮包容を通した影響力確保にのみ関心がある。北朝鮮が中国の要請を受け入れるのは、自分たちの国益に有利と判断されるときだけだ」としている。

 

下線部の指摘に注目すべきだ。金ファミリーの安泰だけを目標にする北朝鮮に対して、米韓同盟の枠を完全に守る以外に方法はない。この鉄則を忘れてフラフラすることが、失敗の原因である。文政権の理想論は、金ファミリーの実態を見ようとしない現実逃避である。