テイカカズラ
   

韓国大統領府が、口を極めて日本を非難している。G7拡大について、日本が反対したと根に持っている問題である。本欄で繰り返しとり上げてきたが、日本に対して「破廉恥の世界上位圏」という暴言を浴びせかけている点が、なんとも可笑しく哀れに思えるので再度、取り上げることにした。

 

ことの発端は、6月2日の米国トランプ大統領による、G7拡大に文大統領を正式招待したいと電話してきたことだ。その時、トランプ氏は「G7は時代遅れであるので、G11かG12に拡大したい」と話した。文氏は、すっかり舞い上がって「G11の正式メンバー」と早合点した。

 

その頃の韓国は、コロナ対策で成功したとして、「K防疫モデル」と自慢していたときである。これと重なったこともあり、「韓国はついに先進国」だと、天にも昇る気持ちだったのである。韓国大統領府は、G7の拡大条件として7ヶ国の合意が必要という事実を知らなかったのだ。学生運動しか経験しなかった秘書官には無理からぬこと。これが、今回の騒動の発端である。

 

『中央日報』(6月3日付)は、「トランプ大統領『G7招待』すぐに応じた韓国、気になる中国は『仲間外れ』発言」と題する記事を掲載した。

 

(1)「韓国政府はこの日、トランプ大統領の「G7招待」はオブザーバー資格ではなく、正式メンバーで参加するよう提案されたと解釈している。韓国がこのグループに入ることになれば、2008年主要20カ国・地域(G20)への合流以降、国際舞台で新たな飛躍を試みることになるのは間違いない。西側国家中心のG7は中国が含まれたG20に比べて「西側インナーサークル」的な性格が強いためだ。青瓦台の姜ミン碩(カン・ミンソク)報道官も2日、記者団に会い「G7にオブザーバー資格で参加する今回限りの一時的な性格のものではなく、新しい国際体制の正式メンバーになる」としながら「わが国が世界秩序を導くリーダー国の一つになるという意味」と評価した

韓国は、下線部のように喜び一杯の大統領府報道官のコメントがついた。「わが国が世界秩序を導くリーダー国の一つになるという意味」と自画自賛したのである。この喜びが、共同通信の報道で「日本は反対」と伝えられて怒り心頭に発する心理状態に変わった。糠喜びした方に問題があるわけで、欧州も反対の意向が示されたのである。

 


『中央日報』(6月30日付)は、「
韓国大統領府『韓国のG7参加反対』、日本に『破廉恥水準が全世界最上位圏』と題する記事を掲載した。

 

韓国の青瓦台(チョンワデ、大統領府)が主要7カ国(G7)首脳会議を拡大して韓国を含める米国の構想に反対した日本を批判した。「日本の破廉恥水準が全世界最上位圏」としながらだ。

(2)「聯合ニュースによると、青瓦台高位級関係者は29日、「隣国に害を及ぼすことに慣れている日本の誤りを認めたり反省したりすることのない一貫した態度にこれ以上驚くこともない」としてこのように話した。この関係者は続いて、「国際社会、特に先進国は日本のこのような水準を十分に認知しているので(G7拡大および韓国の参加構想に)格別な影響はないとみている」と強調した。前日、日本の共同通信は日米外交消息筋を引用し、日本政府が先月末にドナルド・トランプ大統領がG7に韓国・ロシア・オーストラリアなどを含めようと明らかにした直後、米国政府に韓国の参加を反対するという立場を伝えたと報じた」

 

青瓦台高位級関係者の発言としているが、大統領府報道官発言であろう。あえて、名前を秘しての「放言」であることが分かる。下線部は、国際社会で日本の発言は大した重みがないので、韓国が「G7拡大メンバー」になるだろうというニュアンスである。こうして、報道陣を誘導して、自らの先走った発言の責任を日本に押し付けていることが分かる。卑しい性格の持ち主と見える。

 


(3)「日本政府は翌日、公式立場を通じて韓国のG7参加に反対の意志を明確にした。菅義偉官房長官はこの日の定例記者会見で「G7の枠自体を維持することが極めて重要だ」とし「開催形式は、議長国である米国やG7各国と議論してきている」と語った。ただし、菅氏は米国に反対の立場を伝えたという前日の報道についてはコメントを避けた。菅氏は「最終的にどのような開催形式になるかは、米国が調整するものだ」とし「それ以上の詳細は外交上のやり取りであり、コメントは控えたい」と話した」

 

日本政府は、公式発言で「G7拡大案に反対」とはっきり表明した。これで、韓国による日本非難の根拠が、いかに曖昧で感情的かが分かるであろう。韓国に関わると、いつでもこういう不快な結末が待っている。やりきれなさを感じるのだ。