a0001_000268_m
   

凄い剣幕である。韓国は、WTO(世界貿易機関)事務局長に立候補した。日本が反対するならば、国際社会で戦うというのである。こういう場合、韓国から日本へ働きかけて、賛成するように根回しをするもの。それがなくて、「日本は賛成して当然」という強圧的な姿勢で臨んでいる。

 

『聯合ニュース』(7月1日付)は、「韓国大統領府高官、『日本、アジアでの主導権喪失を懸念』対応に総力」と題する記事を掲載した。

 

(1)「韓国青瓦台(大統領府)の金尚祖(キム・サンジョ)政策室長は1日、近ごろ日本が国際舞台で韓国をけん制していることについて、「韓日関係が過去の垂直的な関係から水平的な関係に変わる中、日本がアジアにおける主導権を失いかねないと懸念しているため」と述べた。ラジオ番組に出演し、韓国産業通商資源部の兪明希(ユ・ミョンヒ)通商交渉本部長が世界貿易機関(WTO)の事務局長選挙に立候補したことに日本が反対姿勢を見せているとの司会者の指摘に答えた」

 

韓国は、思い上がっている。新型コロナウイルスで、一時の感染者急増を減らしたことで、「K防疫モデル」と自画自賛して、先進国になったと思い込んでいる。韓国は、日本から尊敬されて当然という態度だ。「韓日関係が、過去の垂直的な関係から水平的な関係に変わる中」という発言に、韓国の傲慢な態度の根本的な理由が窺える。

 

日韓関係は本来、水平的な関係であるはずだ。それを垂直的な関係にしているのは、むしろ韓国である。常に、歴史問題という古証文を持出して、「謝罪せよ、賠償せよ」と迫っているからだ。日本がこれに一々、頭を下げれば良いのだろうが、それは不可能。堪忍袋の緒が切れたのだ。

 


(2)「金氏は、「兪本部長が事務局長に就任すれば、韓国の利益を保護する重要な役割を果たすだろう」と述べ、「重要な選挙であり、十分に勝算はある」と自信をのぞかせた。「日本としては当然、韓国の候補がWTOの事務局長になることはうれしくないだろう」とも語った。日本が妨害工作を行うとの報道もあると指摘されると、「日本は自国の利益を守るため、さまざまな活動をするだろう。われわれも対応に総力を挙げる」と答えた」

 

韓国は、WTO事務局長に立候補している。下線のように「十分に勝算はある」と言っている。ならば、日本が反対しても問題はないであろう。わざわざ、日本を非難している理由は、勝ち目が薄いことを自ら言っているのに等しいのだ。他国の評価はどうだろうか。日韓が貿易面で鋭く対立している状況で、韓国からWTO事務局長が出ることに賛成だろうか。そういう微妙な意識がないとすれば、韓国の国際性が疑われるのだ。他国と対立しない国から、国際機関のトップは出るべきなのだ。

 

(3)「先進7カ国首脳会議(G7サミット)を拡大して韓国などを含めるという米国の構想についても、金氏は「日本としては、アジアから唯一G7に参加する国という地位が脅かされると考えるだろう」と語った。G7サミットの拡大構想を巡り、日本は「G7の枠組みを維持することが大変重要」(菅義偉官房長官)との立場を示している」

 

G7拡大案は、参加国全体のコンセンサスが前提である。米国の意向一つで決まるのではない。こういうルールを理解しないで、勝手に日本を恨んでいる。他国も、参加国を増やすことに反対の意向を見せている。中国が、なぜG7に入っていないか。意見が食い違っているからだ。韓国は、日本とことごとく意見を異にする。これでは、G7に加わるのは困難であろう。

 

(4)「日本が韓国に対し、半導体材料などの輸出規制強化を打ち出してから1日で1年を迎えたことに関しては、「政府は1年前、100の中核品目について供給の安定を図る素材・部品・装備(装置や設備)競争力強化対策を発表した。今は米中が覇権を争い、世界の供給網が揺らいでいる状況だ。はるかに多くの産業に対する安定化対策を準備している」と説明した」

 

このパラグラフは、全くの誤認である。韓国産業界は、日本との協力なくして韓国経済は保たないと危機意識を鮮明にしている。この問題は明日、発行のメルマガで明らかにしたい

 

(5)「日本企業に賠償を命じた韓国大法院(最高裁)の強制徴用訴訟判決に対しては、「日本は2桁の(対抗)カードを持っているという話を公然と流している。さまざまなシナリオに備えており、特に外交的に解決するため最善を尽くしている」と述べた。強制徴用訴訟を巡っては、韓国の原告側が日本企業の資産を差し押さえ、売却して現金化する手続きを進めている。現金化に至った場合、日本は強く対応する構えを見せている」

 

韓国の司法関係者も、「日本は対抗する法的な根拠を持っている」と明言している。日本が韓国の現金化に対して強力に反応する権利があるのだ。この点も、明日発行のメルマガで明らかにする。